楊貴妃役になぜハーフの女優?チェン・カイコーが見いだした絶世の美女たち

楊貴妃役になぜハーフの女優?チェン・カイコーが見いだした絶世の美女たち

  • シネマトゥデイ
  • 更新日:2018/02/15
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左から春琴(キティ・チャン)、玉蓮(チャン・ティエンアイ)、楊貴妃(チャン・ロンロン)、白玲(松坂慶子) - (C) 2017 New Classics Media,Kadokawa Corporation,Emperor Motion Pictures,Shengkai Film

日中合作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』を構想10年の末に完成させたチェン・カイコー監督が、傾国の美女・楊貴妃役に台湾出身の女優チャン・ロンロンサンドリーナ・ピンナ)を抜擢。台湾とフランスの血を引く彼女を敢えて起用した理由や、大女優コン・リーをはじめこれまで起用してきた女優たちの決め手について明かした。

夢枕獏の「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」を原作に、カンヌ国際映画祭パルム・ドール受賞作『さらば、わが愛/覇王別姫』の巨匠チェン・カイコーが映画化した今作。チェン監督といえば、『さらば、わが愛~』のコン・リーや『花の生涯~梅蘭芳~』のチャン・ツィイー、『PROMISE プロミス』のセシリア・チャンなど、彼の審美眼にかなったヒロイン女優たちも常に注目の的だ。配役の決め手となるのは「カメラ越しにどれだけ星の光が見えるか。“スター”ですから、その輝きこそが女優の価値を決める」と、監督はきっぱり。

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来日したチェン・カイコー監督

楊貴妃役に『52Hzのラヴソング』(2017)、『光にふれる』(2012)のチャン・ロンロンを選んだことには、「この人選には、非常に頭を悩ませました。歴史上の超大物をハーフの女優が演じて、観客は拒絶反応を起こさないだろうか。そんな心配も若干ありましたが、唐の時代の長安は非常に開放的で、文化的に豊かな街。それだけにさまざまな国から大勢集まり、いろいろな人種の方がいたわけです。当時の華やかで自由な空気、その奥行きの深さを彼女に体現してもらおうと思いました」と述懐する。

台湾で活躍していたとはいえ、超大作で歴史上のスターを演じるロンロンのプレッシャーは想像に難くない。監督によると彼女は現場入りした当初、なかなか映画の世界に入り込めなかったそう。そのため監督は「いい役者は目でわかる。役者は目で表現できなくてはいけない」と彼女を叱咤激励。「世の中のすべてを見通しているようで、まるで見えていないようでもある。そして非常に勇敢のようにも、非常に憶病のようにも見える目」という、両極を併せ持つ目の演技を引き出すことに成功している。

そんな監督がロンロンに託したのは、「楊貴妃は非常に過酷な運命に見舞われます。けれどその悲惨さや恨みつらみを通り抜けた果ての愛、非常に寛容な愛というものを、楊貴妃を通して表現してほしい」との思い。さらに「社会的に何か大問題が起きると、女性にその罪を負わせがち。楊貴妃も例外ではありません。散々もてはやされながら、落ちぶれた途端に彼女をスケープゴートにして保身を図る人物が出てくる。その暗闇のなかで本当に光り輝くものを、楊貴妃のなかに描こうとしたわけです」と、女性ならではの美しさと哀しみに言及。

一方、阿倍仲麻呂の側室・白玲を演じた松坂慶子については「『蒲田行進曲』(1982)での彼女の美貌に、中国でもみんな夢中になったものです。今回の白玲役は、出番はそう多くありませんが、彼女が現れた途端に観客の視線は彼女に集中してしまう。そんな魅力を持っていますね。心から愛した仲麻呂が亡きあとも、ずっと添い遂げているとの想いを数分間の演技で伝えることが、いかに難しいか。わたしにはそれがよくわかりますが、松坂さんは完璧に演じきってくれました。彼女の美しさは、演技によって一層輝きを増すのです」と手放しで絶賛した。

今作の舞台は、権力者が次々に奇妙な死を遂げる怪事件に見舞われた唐の都・長安。遣唐使として渡ってきた若き天才僧侶・空海(染谷将太)が、稀代の詩人・白楽天(ホアン・シュアン)とともに事件の謎に迫る、絢爛豪華な歴史スペクタクルだ。(取材・文:柴田メグミ)

映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』は2月24日より全国公開

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