浦和・遠藤航、成長のために必要な「試合における1対1の精度」

浦和・遠藤航、成長のために必要な「試合における1対1の精度」

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  • 更新日:2018/01/13

■悔しさが思い出される2シーズン

浦和レッズに来て3シーズン目を迎えることになります。

1シーズン目はチームに馴染みながらタイトルを目指しました。結果的にルヴァンカップ、Jリーグ2ndステージ優勝を果たすことができました。2シーズン目はディフェンスラインの中心としてやっていこうと努め、ACL優勝を果たすことができました。その間、リオデジャネイロオリンピックやロシアワールドカップアジア最終予選にも先発するなどいろいろな経験を積むことができた。

振り返ってみれば充実したものなのかもしれませんが、加入時の目標だったリーグ優勝を果たすことができず、そのほかにも悔しい思いをたくさんし、「まだまだ成長しなければ」と痛感した時間だったように思います。

ちょうど1年前、この連載で「ボランチをしたい」と書きました。

その思いは、新しいシーズンに向かいより強くなっていると言えます。「成長」をしていくために必要なことだと感じているのです。

シーズンオフの今回のタイミングで、ごく個人的な思いについて書いてみたいと思います。

昨シーズン、開幕から数カ月は3バックの真ん中でプレーをしていましたが、監督の交代もあって右サイドへポジションを移しました。また、代表ではボランチやアンカーといった中盤のポジションを主戦場にしました。いろいろポジションを変えたからか、メディアの方からよくこのポジションの変化に悩まなかったか、と聞かれました。ただ、正直な感想として「悩む」ことはありませんでした。どこか慣れっこだったところがあって、むしろスタメンが発表をされたときに「遠藤は今日は右か」「ボランチか」と、違うポジションでプレーすることに対して違和感を持たれなかったことを少し誇りに思っていたくらいです。もし、他の選手が急にポジションを変わっていたら「え、あの選手が右サイド!?」みたいな驚きがあったと思うので(笑)。

昨シーズンに挑戦した(4バックの)右サイドはやってみてものすごく面白いポジションでした。より攻撃的な役割を求められますし、1対1の強さ、ボールを奪うことを求められます。堀監督が見出してくれた新たな可能性や、周囲から「思ったより(遠藤の右サイドは)ハマった」と思ってもらえたこともモチベーションになりました。

■中盤のポジションへの挑戦と考察

そうしたチーム内での役割を理解した上で、ごく個人的なことで言うと「アンカー」のポジションに挑戦したいという思いが変わらずあります。昨シーズン途中に監督が変わったことで偶然にもA代表と同じフォーメーションとなりました。あくまで個人的な成長の話で申し訳ないですが、そこで挑戦することは将来の自分にとって必要不可欠なものだと感じているのです。

では、それを実現するために、僕に必要な要素は何か。

2017年、世界のサッカーを観ているときに感じ入った選手がいます。モドリッチ(レアル・マドリード)です。「うまいなあ」と感嘆するとともに、やっぱり世界で叩ける中盤の選手はボールを持てることが最低条件だな、と感じました。ポジションやタイプが異なるので自分がモドリッチと同じようにプレーする必要があるとは思いません。ただ、現代の中盤選手の役割はものすごく多様化していて、その部分で伸ばすべき部分がまだたくさんあると感じたのです。

特に僕が中盤をやるとき、攻撃に関してはシンプルにボールを叩いてリズムを作る、ワンタッチで縦に入れるといった基本的なことをしっかりやろうと努めていました。それは前線の選手が要求することでもあり、とても重要なことです。ただそれだけではダメで、厳しいプレッシャーをかけられたときどう対応できるか。個で打開できるか。その能力はとても大事だと感じました。これは中盤だけではなくサイドでも同じかもしれません。代表でブラジル代表と試合をしたときも、カゼミーロやマルセロの能力の高さを、そういうところに感じたのです。

■「1対1」を切り取れば、日本は弱くない

そしてもうひとつ、中盤に必要な能力として「試合における1対1の精度」が上げられると思います。守備の能力をベースにし、試合の中で、どの1対1で勝つべきか、もっといえばどの場面で1対1に行くべきか、その判断こそが「試合における1対1の精度」です。これは僕個人の感覚ですが、1対1のシーンだけを切り取ってみれば日本人は決して「弱くない」。ではなぜ、勝てないか。差があるのか。劣っているとすれば、その回数にあると思うのです。圧倒的に奪える回数が少ない。

自身のこれまでの反省を踏まえて、その理由は判断にあると考えています。例えば、カゼミーロをみれば日本人の中盤ほど動き回っている印象はありません。でも、ここが奪いどころだという判断が明確で、そのタイミングになると無類の強さを発揮します。

一方で、僕を含めた日本人選手の場合、全てのシーンでプレッシャーに行き過ぎて結果的に1対1でかわされる、というシーンが多い。特にアンカーを置くようなシステムでは、両サイドのスペースをいかにケアするべきかが重要です。そこで日本人のようにすべてをケアしようとすると、取りきれなかったときに歪みが出たり、体力を奪われたりしてしまいます。その点、先のカゼミーロなどは「1対1」を迎えるべき判断のポイントがものすごく整理されていて、ピッチ上で落ち着いているように見えるのです。

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もちろんフィジカル的な差という要素は無視できません。ただ、試合の中でのメリハリ――「どのタイミングで1対1」を迎えるか、プレッシャーに行くかという精度を上げることができれば、決して劣っているとは思わない「1対1」の勝負に勝っていけるのではないか……。

こうしたことは各年代の代表戦やACLなどを戦って得た反省をもとに今、感じていることです。試合の中における判断もピッチで少しずつ体感し、精度を上げていく必要があります。その点で、僕は圧倒的に経験が足りない――その危機感が「ボランチ挑戦」への思いを強くしています。

もちろん今回書いたことはごく個人的な思いです。レッズがリーグ制覇を成し遂げるために、求められる役割を全力でやっていきたいと思っています。

レッズにはたくさんのいい選手がいます。サイドでは前回も書いたような森脇君をはじめとしたたくさんのポテンシャルの高い選手との争いがあり、ボランチに挑戦するといっても青木君は簡単に超えられる壁ではないことを理解しています。

ちょっとした自分へのプレッシャーの意味も込めて、シーズンオフの決意表明でした。
遠藤航「世界への大航海」第24回】

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