オンラインゲーム内でイジメ勃発も、休校期間中の子どものゲーム依存が深刻に

オンラインゲーム内でイジメ勃発も、休校期間中の子どものゲーム依存が深刻に

  • MONEY PLUS | くらしの経済メディア
  • 更新日:2020/05/22

2020年2月27日に出された臨時休校要請に始まり、また多くの学校にとって始業や入学のタイミングにあたる4月7日には7都府県を対象に緊急事態宣言が発令されました。

同月16日には対象地域を全国へ拡大、そして5月3日には緊急事態宣言の延長が宣言されました。特別警戒都道府県とされる13都道府県では特に、2ヶ月半に及ぶ休校期間を過ごしている家庭も多くあります。長引く休校中、家庭での過ごしかたに悩む保護者の声を聞きました。

休校で子どものゲーム時間の制限が緩んでしまった

関東地方に住む、小学校高学年の息子と、未就学児の女の子を持つ40代の女性は、休校中の家庭での過ごしかたに悩んでいます。

特に心配なのは、長男がゲームをする時間が長くなってしまうこと。新型コロナウィルス感染症対策として臨時休校となる以前は、一日一時間までと決めていて、子どももそれを自らしっかりと守って適切に使うことができていました。

しかし、3月から始まった長く終わりの見えない休校期間のなか、当初、午前中は学校から配布された宿題や学習参考書で自習し、午後は自宅にある本や漫画を読んでいましたが、宿題などはとうに終え、自宅にある本や漫画にも飽きてしまいました。新しい本を借りようにも、公立の図書館は臨時閉館となっています。

そんななか、子どもの様子を見ていて、ゲームについて、一日一時間という制限を緩めざるを得ないと感じたそうです。

「親としても、決してやらせたくてやらせているわけじゃないんです。でも普段は学校へ通っている子どもにとって、急にこんな長期の休みになってしまって、いつ学校が再開するかわからない。一応の期限は区切られているとはいえ、延期や変更が繰り返されていて、実際にはいつ終わのるかと、子どもたちだって感じていると思います。さらに外出自粛で、おいそれと出かけるわけにもいきません。子どもが、一日中、家にいて退屈を持て余してしまうのも無理はないと思うんです。いつもなら、なんでもないようなことでイライラしがちだったり、トゲのあることを言ってきたり、普段とは異なるわが子の様子を見ていると、家庭での時間の過ごしかたに、どうしても限界を感じてしまって」

オンラインゲーム内で「ひとりをターゲットにする」

しかし、不安は大きいといいます。

「オンラインゲーム内でのいじめがあるんです。ボイスチャットやチャット機能を使いながらゲームをしてると、友だちのあいだで仲間割れをしたりケンカになったりは、日常茶飯事のようで。ひどいときには、本来は仲間同士で協力して敵を倒すというゲームなのに、何人かが結託して、誰かひとりをターゲットにして、その子をゲーム上で攻撃して殺す、なんていうこともあるんです」

学校の同級生でリアルに知っている友人であるにもかかわらず、バーチャルな世界で、オンラインゲーム内で“攻撃する”“殺す”——非常に恐ろしく、ぞっとする話です。

「息子には、嫌な気持ちになったらゲームからは離れるように、日頃から言っているのですが、距離の置きかたが、なかなか難しいようなんですよね…」

普段よりトラブルが起こりやすくなる

2月27日の夜、政府からの臨時休校要請が出され、その後、先の見えないまま、年度を跨ぎ長引く休校期間。

子どもたちは休校中であることに加え、外出自粛要請もあり、実際に顔を合わせることのないまま、オンラインゲームやLINE、SNSなどを通じて、バーチャルや、対面しないかたちでの人間関係だけが続く環境にあります。

コロナ禍で世間がピリピリしたムードにあること、大人たちですらSNSなどで匿名を使い攻撃的な暴言を吐いたり、不平不満やネガティブな感情が渦巻いています。

子どもたちは、そんな大人たちの雰囲気や、世間のムードを敏感に感じ取り、また影響も受けるでしょう。そんななかでオンラインゲーム内でのトラブルが、普段より起こりやすくなってしまっても不思議はありません。

またゲームには「ゲーム依存症」「スマホ依存」などとも通称される「インターネットゲーム障害(※1)」の問題もあります。ゲームをはじめ、子どものスマホ利用については、休校中に限らず、普段から悩みを抱えている家庭も多いでしょう。

スマホへの依存、中毒的な利用は、脳へ物理的な変容をきたすとの研究論文(※2)もあります。スマホ依存症者の脳について調べたところ、渇望感、抑制制御能力、自分を客観視する能力、注意力に関わる、脳の前頭葉を中心とした部位に、薬物依存症者と似た変容が表れたといいます。これは、ギャンブル依存症、買い物依存といった、ほかのプロセス依存(特定の行為や過程への依存)に陥っている人の脳と同様であるというのです。

次回以降、依存症専門家の見解、ゲーム依存症を含めた未成年者の依存症に対する回復支援として、当事者や家族に対し行われている取り組みを交えてお伝えします。

※1「インターネットゲーム障害」Internet Gaming Disorder, DSM-5/米国精神医学会(American Psychiatric Association )による“Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders, Fifth Edition” (DSM-5)、日本語翻訳書『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』日本語版用語監修:日本精神神経学会(医学書院)
※2「スマホ依存は脳を物理的に変容させる」“Structural and functional correlates of smartphone”(Horvath et al., 2020)

(麻生マリ子)

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