鶏肉ソーセージやもみじ 在日中国人に一定需要 不正密輸後絶たず

鶏肉ソーセージやもみじ 在日中国人に一定需要 不正密輸後絶たず

  • 産経ニュース
  • 更新日:2023/01/25
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鶏肉からつくったソーセージなどの加工品を不正に輸入したとして、大阪府警生活環境課は25日、家畜伝染病予防法違反の疑いで、輸入食品販売会社「鑫盛源商貿(かねもりげんしょうぼう)」(大阪市中央区)の実質的経営者で中国籍の郭艶紅(グオ・イエンホン)容疑者(50)=大阪市西成区北津守=を逮捕した。「(他の物品を注文した際に)相手からサービスで送られてきただけ」と容疑を否認しているという。

逮捕容疑は、昨年10月中旬から11月上旬まで、3回にわたって鶏肉のソーセージや、鶏の足(もみじ)といった加工品計約11・5キロを、国際郵便を使って中国から密輸したとしている。

高病原性鳥インフルエンザやアフリカ豚熱(ASF)などの伝染病が国内で広がるのを防ぐため、同法では一部の国を除き、海外から日本に加工品を含め、鶏肉や牛肉、豚肉、卵などを個人が持ち込むことを原則として禁止している。

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「鑫盛源商貿」に家宅捜索に入る捜査員ら=昨年12月、大阪市中央区

郭容疑者は、菓子などに紛れ込ませてソーセージなどを中国から「衣類」や「食品」名目で密輸していたとみられる。関西国際空港での検疫で発覚し、動物検疫所が府警に情報提供した。平成30年4月以降、34回にわたって動物検疫所で密輸が摘発されており、悪質性が高いと判断した。

鶏肉のソーセージは、中国料理で使われるメニューで、国内に住む中国人向けに1本150円で仕入れ、300円で販売していたとみられる。府警は、中国にも協力者がいるとみて、詳しい経緯や実態解明を進める。

豚熱など流行に危機感

鶏肉のソーセージや鶏の足、動物の血液から作る加工品「血餅(けっぺい)」など中国で人気の食品は、日本国内に住む中国人を中心に一定の需要があることから、販売目的で旅行客の手荷物や、郵便物として不正に持ち込まれるケースが後を絶たない。新型コロナウイルス禍の収束傾向により、国境をまたいだ移動が再び活発になる中、当局は警戒を強めている。

動物検疫所のまとめによると、旅行客の手荷物や郵便物を対象とした検疫で見つかる輸入禁止物品の多くが中国から持ち込まれており、令和3年では郵便物5万974件のうち、8割以上にあたる4万3004件を占めた。

アジアでは有効な治療法のないアフリカ豚熱(ASF)や高病原性鳥インフルエンザといった伝染病が流行しており、国は危機感を募らせている。実際、旅行客の荷物から不正に見つかった豚肉などの加工品からASFウイルスの遺伝子が検出された事例は、平成30年10月~昨年12月で107件に上り、担当者は「危機は現実に、すぐそこにまで迫ってきている」と強調する。

水際対策を強化しようと令和2年には改正家畜伝染病予防法を施行。家畜防疫官の権限を強化したほか、最大100万円だった罰金を300万円(法人は5千万円)に引き上げた。

ただ、新型コロナウイルス禍の収束により、最近では旅客数も回復しつつあり、手荷物として持ち込まれるケースが増えると見込まれる。担当者は「より生に近い肉が持ち込まれる可能性が上がる分、病原体が含まれるリスクも高くなる。警戒を強めたい」と話した。(花輪理徳)

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