ナイツ塙が「大舞台で実力を発揮する秘訣」を伝授! クリエイター応援プロジェクト「DRAW A LOT」が学びの場を提供

ナイツ塙が「大舞台で実力を発揮する秘訣」を伝授! クリエイター応援プロジェクト「DRAW A LOT」が学びの場を提供

  • マイナビニュース
  • 更新日:2020/10/17
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クリエイター支援を目的としたプロジェクト「DRAW A LOT」が、若手クリエイターに実践的な学びの場を提供するオンライン講座「Skill & Knowledge Input」。その記念すべき第1回目が10月7日に開催された。講師としてお笑いコンビ「ナイツ」のボケ担当、塙宣之氏が登場し、「大舞台で『いつもより』笑わせる方法」をテーマに講演。ここでは、その模様をお伝えする。

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○横断型クリエイター応援プロジェクト「DRAW A LOT」

「DRAW A LOT」は、企業や自治体などのプラットフォーマーとクリエイターが出会うきっかけ作りを目的として、今年の8月にスタートしたばかりのプロジェクト。仕事のコンペやパートナー企業が協賛するプロジェクトの紹介など、さまざまな“きっかけ”をクリエイターに提供している。

その活動のうち、25歳以下の若手クリエイターに学びや実践の場を提供するプログラムが「DRAW A LOT College」だ。2~3週に1度のペースでクリエイターのスキルアップを目的としたセッションやコンペ、ステージイベントなどが行われており、今回の「Skill & Knowledge Input」もその一環として開催された。

講座内容は、クリエイティブ業界の第一線で活躍する著名人が自身の体験をもとに「自己のスキルを活かす」方法を指南していくというもの。記念すべき第1回となった今回は、お笑いコンビ「ナイツ」の塙宣之氏が講師として登壇し、DRAW A LOT総合プロデューサーの青山薫氏がモデレーターを務めた。

○大舞台を勝ち抜くにはタイミングや熱量が大切

青山氏によると「若手クリエイターがスキルを向上させていく中で、大舞台で他人から注目を浴びたり、作品に盛り込めない部分を言葉や文章で伝える必要に迫られたりする機会が出てくる。そうした場面に対応するためのインプットに適任だと思い、塙先生に講師を依頼した」とのこと。

その青山氏の紹介で登場した塙氏は、のっけから「俳優のナイツ 塙です。今日は役者として演技の話を中心にできればと思っています」と笑わせ、青山氏からツッコまれると「あれ? 演技論の話でしょ?」とボケを重ねて場を和ませていた。

今回の講座は、全国から選ばれた7名のクリエイターがオンラインで参加し、塙氏と青山氏による講演をライブ視聴しながら随時チャットで感想や質問、要望を投げかける方式で行われた。参加クリエイターは、今後、パーDトナー企業のエレコムが主催するコンペ「エレコムカップ」やワコム主催のクリエイティブイベント「Wacom Connected Ink 2020」などにも出場する機会があるが、そうしたステージでいかに実力を発揮するかというのが今回の講座のメインテーマだ。

25歳のときに漫才新人大賞を受賞して以降、数々の大舞台で栄誉を獲得してきた塙氏は、自身の体験を振り返りながら「こういった賞や大会でグランプリを獲るのはタイミングや熱量も大切」と指摘。その例として自身が2008年から3年連続で決勝進出しながら優勝を逃したM-1グランプリの体験を語った。

塙氏によれば、ナイツは2008年の夏ぐらいがいちばん脂が乗っていたそうだが、メディアなどに露出しすぎたこともあってそれをキープできず、M-1グランプリの決勝が行われる年末には鮮度が落ちてしまっていたという。ネタのおもしろさや熱量も優勝したコンビに比べると足りず、審査をする人たちに届かなかったのが敗因だったと分析した。

○ネタをパズルのように組み合わせて漫才を作る

イラストレーターなどのクリエイターは、伝えたいことをビジュアルに込めて作品を仕上げていく。しかし手法や媒体などの制約により、伝えたいことすべてを表現しきれないと感じることも少なくない。漫才もフォーマットはあるが、それが表現の枷になったりはしないのだろうか。

塙氏によれば、漫才を作るうえで「自分がおもしろいと思ったこと、やりたいことをやるというのが大前提にある」とのこと。それを漫才というスタイルの中ですべて表現するのは難しいと感じる場合もあるが、「表現しきれないと思うと表現できなくなる。全部表現できると思い定めると、ネタをパズルのように組み合わせていくことができる」そうだ。そのため漫才という手法が表現の枷になると感じることはないという。

その「パズルのように組み合わせていく作り方」については共感を覚えるクリエイターも少なくないようで、塙氏の言葉にチャットで即座に反応を示す人も。たとえば、デジタルで描いたイラストにアナログの油彩や写真などを組み合わせて作品を制作しているクリエイターからは「自分の作品の作り方や考え方に似ているかも」という声が上がった。

塙氏は「自分が経験したことを全部ネタとして出して、それを組み合わせていけるのが漫才のおもしろいところ。ムダになるところがない」とも語っていたが、「ひとつの表現手法の枠の中でパズルを組み立てるように作品を作る」という考え方は、クリエイターにとっても参考になりそうだ。

○今までの中でいちばん緊張した舞台は?

今回参加したクリエイターから塙氏への質問でもっとも多かったのが「今までの中でいちばん緊張した舞台は?」というもの。塙氏はそれに対して「初めて決勝進出した2008年のM-1グランプリ」と即答。開催前から優勝候補に挙げられていたプレッシャーもあり、「間違えてはいけない」という意識が強くなってしまったのだそうだ。

そのため準決勝でウケたネタをブラッシュアップしようとして技術が追いつかなくなったり、練習のしすぎで気持ちの余裕がなくなったりして、楽しく漫才することができなかったという。

塙氏は当時を思い返しながら「はじめの1分くらいは記憶がないくらい緊張していた。練習していたから言葉は出てくるが、頭の中が真っ白な状態でしゃべっていた」と苦笑い。それに対して、参加クリエイターも「楽しくしなきゃと思ってプレッシャーを感じて作品制作の手が止まることがよくある」と共感を寄せていた。

では、そういった大舞台ではどのような心構えでステージに上がればいいのだろうか。
○相手を楽しませること、自分も楽しむことが大事

塙氏は「20年やっていても正解はわからないが」と前置きしながらも「お客さんを楽しませようと思うことが大切」と語り、「それには自分たちが楽しんでやることも必要ではないか」とコメント。

その理由として「過去の経験から、自分たちが漫才をやりながら笑っちゃっているようなときが、お客さんもいちばん楽しそうにしている」ことを挙げた。つまり、自分自身楽しみながらお客さんを楽しませるような気持ちで全力投球することが大切というわけだ。

もっとも、いくら自分が楽しんでできるネタでも、お客さんにウケずにスベってしまうことはある。塙氏もある企業から依頼を受けた際に、若い女性社員がほとんどであるにもかかわらず巨人ネタを披露して盛大にスベったことがあるという。

そんなときは自分が否定されていると意気消沈しがちだが、塙氏は「受けなかったのはネタがミスマッチだったからであって、決して自分が否定されているわけではない。次はちゃんと観客に受けるネタを考えればいいこと」と、失敗の原因を正しく見定めて気持ちを切り替えることの大切さを説いた。

青山氏もその塙氏の言葉を聞きながら、「絵を描いてSNSなどにアップすると、さまざまな人から評価を受ける。なかには心ないコメントが書き込まれることもあるが、それは作品がその人に合わなかっただけで、クリエイター本人が否定されているわけではない」と頷いていた。
○大舞台でいつも以上に実力を発揮する方法

塙氏が大規模なショーレースで初めて「ウケた」と感じたのは、2011年の「THE MANZAI 2011」で準優勝したときのことだという。そういった大舞台でいつも以上に実力を発揮する方法はあるのだろうか。

その問い対し、塙氏は「ドラゴンクエスト」を例えに持ち出し「ドラクエのようなRPGの場合、キャラクターの強さはレベルで表されるが、それを上げるには経験値を積むしかない。僕らの場合もM-1グランプリに3回出て、THE MANZAIにも出て、ほかにもさまざまな番組に出て経験値を積んでいるから、今は全然緊張しない」と、経験の大切さを強調。

そして、「小さな舞台でもいいから、とにかく経験を積んでいくこと。SNSで作品を投稿するような小さな積み重ねでもいい。ただやっぱり大きい舞台はそれだけ経験値も上がるので、できるだけ挑戦したほうがいい。もっとも何の備えもなく立ち向かっても勝算は少ないので、武器を見つけるなり、作るなりすることが重要。ドラクエも強い武器があれば敵を倒せる」とアドバイスした。

ちなみに今回の参加クリエイターは、前述の通りトーナメント方式のクリエイティブコンペティション「エレコムカップ」への参加が予定されている。同コンペは、観客が見守るなか20分という制限時間内にひとつのイラスト作品を完成させてその評価を競い合う「リミッツ」形式で行われる。塙氏は「20分で描くイラストのなかで、『これだけはほかの人に負けない』というものがひとつかふたつあれば戦い抜けるはず。ぜひ頑張って!」とエールを送っていた。

山口優

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