「もう少しで再審無罪、頑張ろうな」 「日野町事件」服役中に死亡した男性の十三回忌

「もう少しで再審無罪、頑張ろうな」 「日野町事件」服役中に死亡した男性の十三回忌

  • 京都新聞
  • 更新日:2023/03/19
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十三回忌法要で在りし日の阪原さんに思いをはせる妻つや子さん(右)と長男弘次さん=18日午前、彦根市

1984年に滋賀県日野町で酒店経営の女性が殺害され金庫が奪われた「日野町事件」で、服役中に死亡した元受刑者の阪原弘(ひろむ)さんの十三回忌法要が18日、同県彦根市正法寺町の寺で営まれ、親族が故人をしのんだ。

阪原さんは再審請求中の2011年、75歳で病死した。翌年、遺族が第2次再審請求を申し立て、18年7月に大津地裁、今年2月に大阪高裁が再審開始決定を出した。高裁の決定に大阪高検が特別抗告し、今後は最高裁で審理される。

法要には4世代24人が参列した。僧侶の読経が流れる中、阪原さんの妻つや子さん(85)や長男弘次さん(61)らが次々と焼香した。

弘次さんは「もう少しで再審無罪が出るから、それまで頑張ろうな」と阪原さんに語りかけたという。「これまで頑張ってきてご苦労さまやったなと、今は褒めてあげたい。父が逮捕されてから35年、一生懸命みんなで頑張ってきたんやな、という思いでいる」と話した。

長女美和子さん(59)は「遺影が笑いかけて、ありがとうと言ってくれている気がした。幼いひ孫たちを父に抱かせてあげたかった。残念でならないが、今日はみんなが集まったので喜んでいると思う」と悼んだ。

午後には弘次さん、美和子さんらが弁護団や支援者とともに日野町内の阪原さんの墓を訪れた。伊賀興一弁護団長は一升瓶の酒を墓石にかけ、「もうちょっとかかるけれど一緒に頑張りましょう」と語りかけた。報道陣の取材に「本当は一緒に再審開始決定を祝いたかった」と悔やんだ。

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