沖縄戦で一家全滅 持ち主不明の土地は2699筆 ディズニーシー2個分の広さ 過去10年で確定できたのは1件

沖縄戦で一家全滅 持ち主不明の土地は2699筆 ディズニーシー2個分の広さ 過去10年で確定できたのは1件

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  • 更新日:2022/06/23
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沖縄戦による破壊や記録の焼失で持ち主が分からなくなり、県が管理する所有者不明土地=20日、那覇市内(県管財課提供)

沖縄戦による一家全滅や地形の破壊、登記簿など記録の焼失で持ち主が分からなくなった沖縄県内の所有者不明土地の返還が進んでいない。県が管理するうち、過去10年間で所有者が確定できたのは2015年の1件だけ。県は「全ての土地を返すことは現実的に難しい」として、国による管理など特例措置を求めている。

沖縄戦が原因の所有者不明土地は21年3月現在、2699筆あり、面積は98万1635平方メートル。東京ディズニーシー2個分に当たる広さだ。そのうち墓地など38市町村の管理分を除いた約89万6792平方メートルが県管理で9割を占める。

県への問い合わせは年に1回あるかどうか。所有者の判明はまれという。直近3回の返還は15年、11年の2筆(件数不明)、07年の1筆1件だけ。市町村管理でも18年から21年までで8筆だった。管財課は「戦後77年もたてば、元の所有者を特定できても生存しているかは分からない。全ての返還は現実的ではない」と話す。

戦後、管理する県らは、定期的なパトロールや草刈り、住宅などがある場合の家賃の徴収などを担い続けている。原野などに散在、点在し利用が難しい土地も多い。持ち主が現れる可能性は低いが、個人の財産を県や市町村が勝手に処分できない。とはいえ「永遠には管理できない」(管財課)のが現状だ。

県は昨年4月、所有が特定できない土地を、国の責任で管理するよう特例制度の創設を求めた。内閣府は来年4月施行の改正民法や不動産登記法などを想定し「全国の法律をどう使えるか本年度から調査し、課題を県や市町村と一緒に整理したい」考えだ。

これらのルールの変更は高齢化の進展による所有者不明土地の解消が目的で、そもそも登記がある前提。管財課の担当者は「地上戦で全土が焼失し、記録も何もかもなくなった沖縄ならではの問題には特化した対策が要る。このままでは戦後100年たっても解決は難しい」と話した。

(政経部・下地由実子)

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