「今井の視点」「異次元の少子化対策」の柱である児童手当の拡充について

「今井の視点」「異次元の少子化対策」の柱である児童手当の拡充について

  • TKUテレビ熊本
  • 更新日:2023/05/26
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テレビ熊本

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26日はここで今井さんのコーナー、「今井の視点」です。今回は、岸田総理が掲げる「異次元の少子化対策」の柱である児童手当の拡充について考えます。

政府は、新たに高校生に月1万円を支給する方向で調整に入るなど全体像が次第に明らかになってきています。

現行の児童手当は、所得制限の対象となる場合を除き、0歳から2歳まで一律で月1万5000円、3歳から中学生までは月1万円が支給されます。

また、第3子以降は3歳から小学生まで1万5000円となっています。

政府関係者によりますと、現在の中学生までの支給対象年齢を拡大し、高校生まで月1万円を支給する方向で調整に入ったということです。

また、所得制限の撤廃も実施する方向で調整しているほか、3歳から小学生までの

第3子以降を月3万円に倍増する案も出ています。

政府は、岸田総理が議長を務める「こども未来戦略会議」で少子化対策の具体策や

財源の議論を進めていて、6月までに考え方をまとめ、経済財政運営の指針「骨太方針」には反映させるということです。

児童手当の拡充について今井さんはどのように見られていますか?

【今井の視点】【疑問の多い少子化対策】

「次元の異なる」少子化対策なるものの全体像が次第に明らかになってきたが、

果たして妥当な施策と言えるのか、個人的には疑問に思っている。

まず、児童手当の拡充を柱とするとのことだが、そのような現金給付よりも、むしろ、教育に対する公的投資を拡充するなどの現物給付を行った方が、効果が大きいことが指摘されている。

また、現物給付の方が、そのための負担を負うことになる人々の理解も得やすいと思う。そうした中で、現金給付を手厚くすることは、妥当と言えるのかということに疑問を覚える。

次に、その児童手当について、3歳から小学生まで、第3子以降の支給額を倍増する方向で検討しているとのことだが、金銭的な支援の対象とすべきは、すでに2人の子供がいて3人目、4人目を考えている家庭というよりもむしろ、経済的な理由から結婚をためらっている人や、結婚はしているが子供を持つことをためらっている人ではないか。そうした人々への支援を手厚くした方が、出生数は増えるように思う。

それから、財源の問題。岸田総理は「財源確保のために消費税を含めた新たな税負担は考えていない」と述べる一方で、医療保険料などへの上乗せを検討しているという。

確かに医療保険料は税金ではないが、国民が負担していることには変わりはないわけで、これは詭弁だと受け取る人も多いだろう。

また、医療保険として納めている保険料の上乗せ分を、それとは関係のない児童手当の拡充の財源に充てるということについて、広く国民の理解は得られるのだろうか。

いずれにせよ、現在検討されている少子化対策は、国の将来に関わる大きな政策争点であるため、政府は財源のあり方も含めてはっきりと示した上で、政策の中身および財源の妥当性について、国民の信を問うべきである。

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