少女はバンドマンになった - 『浪漫』 PEDRO

少女はバンドマンになった - 『浪漫』 PEDRO

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  • 更新日:2020/09/16
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今が2020年だろうが、何周リバイバイルを繰り返そうが、ロックは青臭く、リアルな衝動であるべきだ。古いかもしれないその感覚を呼び起こしてくれるほど、この2ndアルバムでアユニ・DはPEDROというロックバンドのフロントマンとして完全覚醒している。前作『THUMB SUCKER』は、バンドサウンドの力に導かれて新しいアユニの表現が生み出された作品だったが、今作では、アユニ本人の意志がバンドを牽引して突っ走っている。その軸にあるのは、これまで表現してきた世の中へのヘイトや退廃的な感性じゃなく、「自分が今生きている証を残したい」という衝動。アユニのベースから始まるソリッドなロックナンバー“さよならだけが人生だ”で《私の証人は私/過去があるからさ、今がある》と歌い、自身が作曲も手掛けた“へなちょこ”では《間違いをして間違いに気づく/そうやってそっと生きていくのだ》と言い切れるようになった。うつむきがちだった少女が自分の生き様を肯定し、相変わらず唾を吐きたくなる世界を不器用に愛し始めた物語として、あまりにも正しいロックがここにある。(後藤寛子)

『ROCKIN'ON JAPAN』2020年10月号より

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