
食品のパッケージでよく目にするのが「遺伝子組換えでない」という表示。実はこの表示のルールが、4月から厳しくなります。
影響を受けるのが大豆を扱う会社です。大阪府堺市にある「髙丸食品」。大豆と水にこだわり、堺市だけにその名も『豆富工房・仁徳』のブランドで豆腐や油揚げなどを製造しています。
国産大豆はもちろん、海外から輸入したものもすべて、遺伝子組換えではない大豆を選りすぐって使っています。
髙丸食品 髙落実会長:
「(Q.製品は全部、遺伝子組換えではない大豆を使用?)そうです。国産は(遺伝子組換え大豆を)作っていませんので間違いない。アメリカ産の大豆などには、ロットナンバーが入っています。どういう農地で作られて、どういう船で運ばれたかという履歴になります」
髙丸食品では海外産の中に「遺伝子組み換え」の大豆が混入していないか、ロットナンバーで履歴をたどり確認、さらに保健所などによる成分の分析など厳しい検査でも、これまで一度も‟遺伝子組換え大豆”が検出されたことはないといいます。
ただ、アメリカ産は生産量の9割以上が“遺伝子組換え大豆”ということで、輸入の際にどうしても数パーセント遺伝子組換え大豆が混入してしまう事例もあり、
「髙丸食品」では書類で確認を行っているものの、一粒一粒、全ての大豆を調べることは物理的にもコスト的にも難しいといいます。
この問題が4月からネックになるといいます。
これまで食品表示法での遺伝子組換えの表示ルールは、例えば3%とか4%なら遺伝子組換え大豆が入っていてもセーフでしたが
4月からのルールは少しでも検査して出てしまうと表示法違反になることもあるためです。
これまでの表示が今後、どうなるかというと…。
髙落実会長:
「安全策として、すでに「遺伝子組換え大豆を分別して使用」または「分別生産流通管理済み」という表現に切り替えて法律の改正に対応しています」
なぜ細かい表示が必要なのかについて、菊地幸夫弁護士に伺います。
――今まではもうちょっと広く「遺伝子組換えではない」と書いてよかったということなのでしょうか?
菊地弁護士:
「そうですね。今までは0%ではなくても、5%以下の場合は“誤差の範囲”と言ってよいのでしょうか、『遺伝子組換えでない』という表示が可能だったんですね。それが4月から厳格化しましょうということで、その表示をする以上は『0%でなければダメ』ということになりました。
じゃあ、わずかに入っている場合はどうするかというと、5%以下の場合は『遺伝子組換え混入防止管理済み』などと表示すると、こう変わったということです。もちろん遺伝子組換えの食品の安全性は国が確認していますが、不安に思う方もいらっしゃるでしょうし、商品を買う際の選択肢をちゃんと消費者に与えるという意味もあってこういう改正になったということです」
(関西テレビ3月15日放送『報道ランナー』内「菊地弁護士のニュースジャッジ」より)
関西テレビ