
2回、見逃し三振に倒れた佐藤輝(撮影・中田匡峻)
「オープン戦、ヤクルト3-0阪神」(19日、神宮球場)
阪神・岡田彰布監督(65)が19日、ヤクルトのドラフト1位・吉村貢司郎投手(25)=東芝=を警戒した。初対戦となった2月25日(浦添)の2回無失点に続いて、5回無失点の好投を許したが、攻略の糸口も発見。開幕カード3カード目となる4月9日(甲子園)に対戦する可能性が高く、シーズン本番では打ち崩す。
試合後、岡田監督は不敵に笑った。「あれ、ええなあ」。初対戦となった2月25日に続いて、先発・吉村の前に5回3安打無得点。即戦力ルーキーの出現を警戒しつつ、素直に快投をたたえた。
「浦添でもこれ、ピッチャーええで言うとったんよ。ランナーいなかったら、ちょっとあの左足の動きがな、あれがタイミング取りづらいんやろなあ」
初回、2本の二塁打を浴びせながらも拙攻もあって無得点に終わると、二回先頭から5者連続三振。3点を追う五回は四球と安打で2死一、三塁のチャンスを作ったが、9番・小幡は力のない左飛に打ち取られた。
ただシーズン本番を前に2度対戦できたことは収穫だ。吉村は左足を後ろに振り、勢いを付けるフォームが特長。「だから塁に出え言うてんねん。塁出たらおかしなるやろ」と指揮官。「セットになったらなあ。そうでもないような気はするけどなあ」と攻略の糸口を見つけたようだ。
前回対戦で盗塁企図したことで「クイックもできる」、「けん制もうまい」と走者を背負った時の投球もインプットしている。さらに「たぶん(球が)見づらいんやろな。腕の振りがちっちゃくて速いからな」と新たに着目ポイントを挙げた。
初回に左中間二塁打を放った近本も「球筋がちゃんと見られた。トラックマンのデータがなかったので、目で見られたのは良かったじゃないですか。今度は変化球を見たい」と手応えを明かす。
吉村とは開幕3カード目となる4月9日に初対戦する可能性が高い。攻略について問われると指揮官は余裕たっぷりに笑った。「いやいや攻略するって、もっといっぱいおるで、吉村だけちゃうで、そんなん」。天敵にはさせない。本番で打ち崩すだけだ。