G7、デジタル通貨発行の原則を発表 中国への対抗軸示す狙い

G7、デジタル通貨発行の原則を発表 中国への対抗軸示す狙い

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2021/10/15
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"香港で掲げられていた、米ドルや中国人民元などをデザインした広告=ロイター。デジタル分野でも、民間や国家を巻き込んだ通貨間の競争が加速している"

主要7カ国(G7)は13日、米ワシントンで財務相・中央銀行総裁会議を開き、中央銀行が発行するデジタル通貨(CBDC)について、法の支配やプライバシー、金融システムの安定への配慮など、G7として共有する原則を確認する声明を初めてまとめ、発表した。

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権威主義的な統治を強めつつ「デジタル人民元」導入に向けた準備を急ぐ中国の動きに加え、民間の暗号資産(仮想通貨)も巻き込んだ通貨間競争が本格化するなか、G7として対抗軸を示す狙いがある。声明では「いかなるCBDCも、透明性や法の支配、健全な経済ガバナンスに対する、長く続いてきた公的部門の責任に基づくべきだ」と明記した。

CBDCは民間銀行を介さずに流通する公的なデジタル通貨とされるが、G7で発行を決めた国はない。個人や企業が決済に使える「リテール」(小口取引)型のCBDCを導入した場合、利便性が高まる半面、民間銀行の経営や財政金融政策への影響など、検討しなければならない課題もある。CBDCを通じて国民の行動が政府に監視される事態にもなりかねない。

G7は声明とともに「リテールCBDCに関する公共政策上の原則」も発表。「あらゆるCBDCは通貨・金融システムの安定に無害であるように設計されるべきだ」と強調し、法の支配やプライバシーの保護、既存の通貨との「オープンかつ安全」な競争などを盛り込んだ。記者会見した神田真人財務官は「原則は普遍的なものであり、G7を超えて途上国などにも参照してもらう」と述べた。

CBDCの議論が加速した背景には、2019年に米フェイスブックが主導する団体が仮想通貨「リブラ」計画を公表したことに中銀が危機感を高めたことがある。声明では、リブラのような「ステーブルコイン」について、「法律、規制、監督上の要件に十分対処するまでは、サービスを開始すべきではない」とあらためて強調した。(ワシントン=青山直篤)

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