世界中でSDGsが意識される今、ファッション業界でもサステナブルなアイテムが注目されている。「ジャワ更紗」はインドネシアのジャワ島とその周辺の島々で作られてきた“ろうけつ染め”という伝統的な染色技法で染められた布。生地が丈夫で長年使えるため、SDGsの観点からも注目されている。
ジャワ更紗を使った服を取り扱う洋服店『YANTY(ヤンティー)』(神戸市東灘区・六甲アイランド)のオーナー・小豆美保さんに、ジャワ更紗の魅力について聞いた。
小豆さんは、自身もジャワ更紗で仕立てた服を持っているという。「23年使っているものもあります。当店で購入され20年ほど着用しているお客様も。季節ごとの流行りにもジャワ更紗の洋服はマッチするので、ひとつの商品を長く大事にできるという意味でもSDGsにつながっていると感じます」と話す。

ジャワ更紗で仕立てた洋服 (C)YANTY
長い年月をかけ着用と洗濯を繰り返すことで、柄の色は少しずつ落ち着いた風合いに育つ。そして、肌触りもしなやかな柔らかさへと変化していくのだそう。
「お客様からも『これだけ長く使っていても風合いの変化を楽しめるのって不思議ね』と言っていただけたことがあります。ジャワ更紗の良さを実感してくださって、とてもうれしかった瞬間です」と小豆さん。

生地の経年変化も楽しめる(C)YANTY
ジャワ更紗の丈夫さを生かし、一度仕立てた洋服のリメイクも行う。きっかけは、「新商品のキャミソールチュニックをお気に召したお客様から『すごく使いやすいから、前に買ったジャワ更紗のスカートで作ってもらえないか』という相談を受けたこと」だそう。
その後、他の客の洋服リメイクも手掛けるように。プライベートでも、小豆さんの娘が若いころに着用していたジャワ更紗のスカートを、孫のズボンや甚平にリメイクした。着用して保育園に行っても、これまで破れたことはないそう。

リメイクにも対応可能 (C)YANTY
店内には、スカートを作った際に出た端切れを利用したポーチなどの小物類も並ぶ。ファブリックパネルは壁にかけるだけで部屋の雰囲気がガラリと変わると好評で、バッグはランチボックス入れにぴったりだと愛用する人も多いのだとか。

ジャワ更紗を使用したバッグ (C)YANTY
常連客の中には、ニュージーランド在住の日本人も。帰国するたびに店を訪れ、スカートやワンピースなどたくさんの商品を購入するという。ニュージーランドに戻り購入した服を着て出歩くと「とても素敵ね」「どこで手にいれたの!?」と声をかけられることが度々あるのだとか。また、別の客は、同店で購入した服を着てハワイに遊びに行ったとき「すごくキレイ」「どこで買ったの?」と声をかけられたらしいと、小豆さんは話した。
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長く使えて人からも褒められるというジャワ更紗の服。おしゃれとSDGsを両立するアイテムは、今後よりいっそうの関心を集めそうだ。
(取材・文=バンク北川 / 放送作家)
ラジオ関西