
今季ハースからF1へのカムバックを果たしたニコ・ヒュルケンベルグ。開幕戦こそ10番手スタートながらもタイヤに苦しみ15番手に終わったものの、同じグリッド位置からスタートすることとなった第2戦ではタイヤを上手く扱うことができれば熾烈な中団争いの中でも好結果を望めると考えている。
2019年末にルノー(現アルピーヌ)のレギュラーシートを喪失して以降、”スーパーサブ”としてグランプリに複数回参戦してきたヒュルケンベルグ。2023年はミック・シューマッハーの後任としてハースのレギュラーシートを獲得し、サウジアラビアGPでF1復帰2戦目を迎えた。
ヒュルケンベルグは予選Q1を7番手で通過。Q2では1回目のアタックでタイム抹消の憂き目に合ったものの、2回目のアタックでそれを上回る1分29秒451をマークした。しかし、ピエール・ガスリー(アルピーヌ)に0.040秒及ばず11番手でチームメイトのケビン・マグヌッセン共々Q2ノックアウトとなった。
Q3進出も望めるタイムだったものの、ヒュルケンベルグは早くもマシンの限界を引き出せたと考えている。
「完璧じゃないけど、悪くもないよ」
ヒュルケンベルグはそう予選を振り返った。
「0.04秒差は、マシンの持っているポテンシャルの差だと思う」
「1周目がタイム抹消になったときは少しプレッシャーを感じたし、走行順を変えたかったけど、タイムが無いとなると、なかなか思うようにいかなかった」
「そういうこともあったけど、結果として大きな差にはならなかったと思う」
予選2番手タイムを記録したフェラーリのシャルル・ルクレールがパワーユニットに3基目のコントロールエレクトロニクスを投入することで10グリッド降格ペナルティを受けるため、ヒュルケンベルグはひとつ順位が繰り上がって10番手からサウジアラビアGPの決勝レースを迎えることとなる。
開幕戦ではマシン損傷もあり、タイヤの激しいデグラデーション(性能劣化)にも見舞われ順位を落としたものの、第2戦に向けてチームは調整を行なってきたとヒュルケンベルグは言う。
「僕は戦っていけるポジションにいる」と彼は言う。
「僕らはバーレーンから多くを学び、(サウジアラビアGPの)金曜日から改善と調整を重ねてきた。だから決勝は、他の中団グループのチームと戦えるだけのペースがあると確信しているよ」
また、デグラデーションが少なければ上位を目指して攻めていくこともできるか、とヒュルケンベルグに尋ねると、彼は次のように答えた。
「そうとも言えるし、そうじゃないとも言える。むやみにプッシュすることはできないからね。慎重に、かつ正しくタイヤを扱わないとね」
滑川 寛, Adam Cooper