ディズニーリゾート35周年以降「大転換」の可能性

ディズニーリゾート35周年以降「大転換」の可能性

  • BEST T!MES
  • 更新日:2017/11/24

2018年4月15日に、35周年を迎える東京ディズニーリゾート。いつも変わらない魅力でファンを魅了しているように見えますが、実はパークの方向性を「大転換」した歴史がありました。そして今再び迎えようとしている第2の「大転換」とは? パークに十数年通い続ける、『思わず話したくなる究極のディズニー』の著者・みっこさんに聞きました。【人気記事:ディズニーシーで最大7つの人気アトラクションに乗れる黄金ルートが判明?

来年4月、35周年の東京ディズニーリゾート

No image

「夢と魔法の王国」である東京ディズニーランド、そして「冒険とイマジネーションの海へ」をテーマにした東京ディズニーシー。2016年9月には東京ディズニーシーが15周年を迎え、来年2018年4月には東京ディズニーランドが35周年を迎えます。

非日常空間が広がる2つのテーマパークには、現実世界では味わえない様々なファンタジーや冒険の世界が広がっています。賑やかなショーや、スリル満点の個性的なアトラクション等が私たちを楽しませてくれます。そんな2つのテーマパークに、今、「少しずつ変化」が起きています。それは、「映画主体のテーマパークへ変化している」という事です。

「ディズニーなのだから映画のキャラクターの世界なのは当たり前でしょ?」と思う方も多いかもしれません。ですが、これが常に変化と進化を繰り返すディズニーリゾートにとっていかに大きな転換か、ということを、東京ディズニーシーでの転換の歴史を振り返りながら考えていきたいと思います。

東京ディズニーランドでは開園当初から、パレードやショーにディズニー映画のキャラクターがたくさん登場していました。もちろんこれも、ディズニーリゾートの魅力のひとつです。

しかし、2001年にグランドオープンした東京ディズニーシーは、世界のディズニーリゾートの中で、「海」をテーマにした唯一のテーマパーク。開園当初は「キャラクター」よりも「大人の世界観」を大切にしたテーマパークでした。

その構想は、東京ディズニーランドが5周年を迎えた1988年に、「第二テーマパーク構想」として発表がされました。まだコンセプトや名称さえ決まっていなかった頃です。『海を超える想像力―東京ディズニーリゾート誕生の物語』(加賀見俊夫著・講談社刊)によると、当時、米ディズニー本社はこの第二テーマパークを「映画の世界を全面的に出したテーマパーク」とするよう提案をしてきました。

しかし、東京ディズニーリゾートの運営会社である、オリエンタルランドの代表取締役社長だった高橋政知氏(当時)は、これを頑なに拒みました。その理由として、「アメリカの巨大映画産業のように、日本には映画文化が根付いていない」という事を挙げました。

そして、「東京ディズニーランドではまったく体験できない経験を求めるゲストのための第二テーマパークでなければ創る意味がない」(同書より)という強い想いがありました。

東京ディズニーランドの日本への誘致を成功させた高橋氏には、第二テーマパークを日本オリジナルのテーマパークとして大切にしていきたいという切なる想いがあったのでしょう。

そして2001年9月に東京ディズニーシーがオープンしました。ディズニーキャラクターが登場しないショーやライブ等のイベントが数多く開催され、高橋氏の思いをそのままに、東京ディズニーランドとは大きく異なる個性的なパークとなったのです。

「大人のテーマパーク」から、「幅広い世代のテーマパーク」へ。

オープン当初の東京ディズニーシーでは、それまで東京ディズニーランドにはなかった、お酒が飲める空間や落ち着いた雰囲気、大人向けのショーが楽しめ、非常に好評を博しました。

しかしながら、長年にわたって愛されてきた東京ディズニーランドのイメージは根強く、「ディズニー=キャラクター」というイメージを覆すには至りませんでした。来場者数でも、ランドとシーでかなり差が表れるようになりました。

こうした流れを受けて、東京ディズニーシーは、パークの方向性を転換する必要が生じました。そして、2006年7月から開始した5周年のあたりから、「大人向けのディズニー」というコンセプトを活かしながらも、キャラクターの魅力を交えたパークへと徐々にシフトして行くのです。これが、ディズニーリゾートに訪れた「第1の転換期」といえます。

新しい試みは次々と成功していきます。例えば、キャラクターとライブショーが融合したライブバンドによるレビューショー「ビックバンドビート」、ディズニーシーらしさ満点の海上でのショー「レジェンド・オブ・ミシカ」です。また、それまではランドのみで開催されていたイースターやハロウィーンイベントをシーらしくアレンジして取り入れ、人気イベントとして定着させることに成功しました。

さらに、開園当初、シーにはキャラクターに確実に会える、いわゆるグリーティング施設がありませんでしたが、「アリエルのグリーティンググロット」(2005年4月)、「“サルードス・アミーゴス!”グリーティングドック」(2010年5月)、「ミッキー&フレンズ・グリーティングトレイル」(2011年4月)、「ヴィレッジ・グリーティングプレイス」(2011年7月)等を次々とオープン。さらにエントランス等でもミッキー、ミニーの整列型のグリーティングを開始するなど、開園当初とは明らかに異なる「キャラクター中心」の方向性を打ち出してきました。

その中で最も大きい成果と言えるのが、2004年に登場した「ダッフィー」というディズニーシーオリジナルのキャラクターでしょう。登場当初はその知名度も低かったのですが、その後は爆発的な人気となり、今ではミッキーやミニーと人気を二分するほどの看板キャラクターとなっています。さらにダッフィーの女の子版の「シェリーメイ」、猫の「ジェラトーニ」、ウサギの女の子「ステラ・ルー」と、近年は続々と新たなキャラクターが登場しています。

そうして、以前は平日の夜はガラガラだったディズニーシーは、今ではイベントによっては東京ディズニーランドよりも混雑するほどのテーマパークへと成長を遂げました。

第2の転換期? 映画の世界へシフトしていくパーク

ここまで東京ディズニーシーの「大人のテーマパーク」から「幅広い世代を対象としたテーマパーク」への転換を中心に、常に変化と進化を続ける東京ディズニーリゾートについて見てきました。

そんな中、近年訪れた「第2の転換期」が冒頭の「映画主体のテーマパーク」への変化です。

当初は大人が楽しめるその「世界観」を大切にしていた東京ディズニーシーに、2012年、ディズニー/ピクサー映画の代表格でもある『トイ・ストーリー』を題材としたアトラクション、「トイ・ストーリー・マニア!」が登場しました。前述のようなキャラクターを次々と登場させる方針を受けての事だったのでしょう。それより少し前には、こちらもディズニー/ピクサー映画の代表格『ファインディング・ニモ』の世界を題材とした「タートル・トーク」がオープン。

さらに2017年には、シーの完全オリジナルアトラクションで根強い人気のあった「ストームライダー」をクローズし、同じく映画『ファインディング・ニモ』と『ファインディング・ドリー』の世界を題材としたアトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」がオープンし、「タートル・トーク」には映画のキャラクターが新しく追加されました。

そして、現在は計画が一部見直しとなっていますが、東京ディズニーシーに、日本でも大ヒットした『アナと雪の女王』をテーマとしたエリアの計画が一時発表されていました。

また、東京ディズニーランドでは、「グランドサーキット・レースウェイ」(2017年1月クローズ)や、「スタージェット」(2017年10月クローズ)等、キャラクター色のない施設がクローズされ、2020年には映画『美女と野獣』をテーマとした新エリアと映画『ベイマックス』を題材にした施設が完成予定となっています。

映画を題材にしたショーやイベントも拡大しています。2017年の夏には大人気映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズを題材とした水上ショーがシーで開催、ジャック・スパロウ等が登場しました。

2018年12月には、『スター・ウォーズ』シリーズの最新作のワンシーンがランドのアトラクション「スター・ツアーズ:ザ・アドベンチャーズ・ コンティニュー」に追加、2018年1月のシーでは、ピクサーのキャラクターを中心としたイベント「ピクサー・プレイタイム」が開催されます。

このように、これまで以上に映画の世界観が東京ディズニーリゾートのアトラクションやショーに色濃く反映されるようになってきています。

これは「日本には映画文化が根付いていない」と言われていた時代から、インターネットや動画配信等の発展によって徐々に映画文化が浸透してきているという、時代の変化とも言えるのでしょう。

大切なのは「個性」を保ちながらの「変化」

ここで生まれるのは、映画の世界観を優先するあまり、東京ディズニーリゾートとしての「個性」が薄くなってしまうのではないかという懸念です。

前述したように、シーのオリジナルアトラクションで人気の高かった「ストームライダー」がクローズされた時や、20世紀初頭の米・ニューヨークの古き良き時代が再現されたエリア・アメリカンウォーターフロントに、突然、ポップな「トイ・ストーリー・マニア!」が登場した時には、少なからずパークファンの間ではネット上では議論がされていました。

というのも、元々東京ディズニーシーでは、テーマエリアやアトラクション、建物等の時代背景から細かな装飾にいたるまで、緻密に時代考証の上で設定されていました。そこに可愛らしいキャラクターたちを登場させた際、登場の設定がかなりアバウトな形で「上書き」されたことに疑問や不満を覚えるディズニーパークファンも少なからずいたという背景があります。

新しいキャラクターを登場させたり、映画の世界観を打ち出すことは、過去にはないおもしろい試みです。しかし、これまでのパークの歴史を大切にしていくという意味では、極端にひとつの方向性に舵を切らず、パークの「個性」と「進化・変化」の双方のバランスを考えていくべきではないかと思います。

まもなく35周年の節目を迎える東京ディズニーリゾート。これからも時代の流れに併せ、常に変化と進化を遂げて行くと思いますが、高橋氏の想いを引き継ぎ、ランドとシー、それぞれの個性を生かしながら、オリジナルの要素も大切にして行って欲しいものですね。

【人気記事:ディズニーリゾートの「顧客満足度」が急落した理由

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

映画カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
『スター・ウォーズ』新キャラは重要な普通の人 ローズ女優と役に共通点
【映画評】スター・ウォーズ/最後のジェダイ
傑作『仮面ライダー平成ジェネレーションズ FINAL 』こそ全ライダーファンへの最高のプレゼント!
TL;DR:遠い昔、はるかかなたの銀河系で...
爆笑問題・太田が元SMAP3人の映画監督に!これまでの監督&主演作は?
  • このエントリーをはてなブックマークに追加