2020年のエネルギー業界を騒がせた5大ニュース

2020年のエネルギー業界を騒がせた5大ニュース

  • Forbes JAPAN
  • 更新日:2021/01/14
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時おり、きわめて重大なエネルギー関連事故が発生し、その年のニュースを当然のごとく独占することがある。2010年なら、メキシコ湾の石油掘削施設「ディープウォーター・ホライズン」で起きた米史上最大の原油流出事故がそれだった。2011年に起きた、東京電力福島第一原子力発電所の大惨事も同様だ。

2020年の場合は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)発生と、それに続くさまざまな影響だ。

1.パンデミックでエネルギー分野は大打撃を受けた

2020年のエネルギーをめぐる重大ニュースは、その多くが新型コロナウイルス感染症のパンデミックに直接起因している。原油需要が春に大きく減少したのは、外出禁止令が出されたためだった。航空機の運航数が激減し、ガソリン需要は50年ぶりの低水準に落ち込んだ。ガソリン混合用のエタノール需要も急速に減少した。

2.サウジアラビアとロシアによる原油価格戦争

2019年は世界的に原油価格が低迷したが、その原因は米国でシェールオイルが増産されたことだった。同年12月には、石油輸出国機構(OPEC)とロシアがともに減産を決め、価格の下落に歯止めをかけようとした。しかし、年明けの1月に中国が新型コロナウイルスの感染防止策を講じた頃から、原油需要にも影響が表れ始めた。

OPEC加盟国は3月、下落する一方の原油価格を安定させるべく、追加減産の発表を目指してロシアと協議した。ところが、今回はロシアがその提案を拒否。それに対抗してサウジアラビアは、同国産原油の価格を大幅に値下げした。

それをきっかけに、原油は一気に値を下げ、新型コロナウイルスの感染拡大で事態はさらに悪化した。

3.天然ガス価格が20年以上ぶりの低水準に

以前に20年来の低価格を記録したのは2016年のこと。その年の天然ガス価格は、1MMBtu当たりで平均2.52ドルだった。

2020年には天然ガス価格がさらに大幅安となり、年初から12月15日までの平均価格は1MMbtu当たり2ドルだった。

4.エクソンモービルの凋落

エクソンモービルは長年、米上場エネルギー企業のなかで最大の時価総額を維持してきた。それが変化したのは2020年10月はじめのこと。電力および天然ガス事業者を保有する持株会社ネクステラ・エナジーが、エクソンモービルを抜いて、米最大のエネルギー企業となったのだ。その1週間後には、シェブロンが時価総額でエクソンモービルを抜いた。

年末には、エクソンモービルが盛り返してトップの座に返り咲いている。しかし、近年進んでいる化石燃料離れを踏まえると、再生可能エネルギーへと向かう大きな流れで勢いづいているネクステラが恒常的にエクソンモービルを上回るようになるのは、時間の問題にすぎないのかもしれない。

5.米大統領選挙

2020年11月の米大統領選挙でジョー・バイデンが勝利したことは、エネルギー政策の急転換を意味する。バイデンはすでに、地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」への復帰を発表している。また、バイデンの政策によって、化石燃料の使用がさらに抑制され、再生可能エネルギーの利用が促されることが期待されている。

注目すべきその他の重大ニュース
2020年は、化石燃料に変わりうるエネルギー源としての水素が、エネルギーに関する話題に再び登場した年でもある。ジョージ・W・ブッシュ政権時に大きく取り上げられていた水素は、「未来の燃料」として話題になっては消えることを繰り返している。しかし、再生可能エネルギーのコストが大幅に削減されたことが手伝って、再び表舞台に登場した。2020年にはあらゆるメディアで水素が取り上げられた。

2020年には、二酸化炭素排出量が第2次大戦以来で最大の減少幅となった。これは、新型コロナウイルスの影響で原油需要が崩壊したためだ。

ロイヤル・ダッチ・シェルは、75年ぶりに株式の配当金を減額した。

中国は2020年12月、核融合研究装置を初めて稼働させることに成功した。

新型コロナウイルス感染症は、企業によるリモートワークの導入を加速させた。その結果、多くのセクターに劇的な影響がもたらされた。ウェブ会議サービスが爆発的な普及を遂げた一方で、ガソリン需要は急減した。また、電気やガス、水道、通信などの消費パターンが変化したほか、人々は商品を自宅まで配達してくれるアマゾン等の企業への依存を強めた。

新型コロナウイルス感染症は、今後もエネルギー関連の議論に大きな影響を与えるだろう。パンデミックが終息に向かい、経済回復が話題に上ることを期待したい。

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