【新NISAに向けて】2023年に知っておきたいポイント4つ

【新NISAに向けて】2023年に知っておきたいポイント4つ

  • LIMO
  • 更新日:2023/03/19

新NISAは非課税期間が無期限に。ロールオーバーはできる?

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値上げラッシュが続く中で、貯金だけでなく、お金を増やすための資産運用に興味を持っている人もいるかもしれません。

初心者が資産運用を始めやすい制度の一つにNISAがあります。

金融庁が公表した「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」によれば、2022年12月末時点で一般NISAの口座数は1079万929口座、つみたてNISAは725万3236口座でした(2023年2月25日公表)。

そして、現行のNISAは2024年に新NISAに変更される予定です。

本記事では、新NISAに向けて2023年に知っておきたいポイント4つを解説するので、参考にしてみてください。

【画像】新NISA 「成長投資枠」「つみたて投資枠」の年間投資枠や非課税保有限度額は?

NISAとは?

NISAは、利益に約2割かかる税金が非課税で運用できる制度です。通常、投資では利益に対して税金がかかりますが、NISAでは税金がかかりません。

たとえば、100万円で購入した株式を120万円に値上がりしたタイミングで売却した場合、通常は利益20万円に対して約20%の4万円の税金がかかりますが、NISAでは4万円の税金が非課税となり、利益の20万円全額を受け取ることが可能です。

NISA制度により、初心者でも運用をはじめやすくなったでしょう。

現在、NISAは一般NISAとつみたてNISAがありますが、2024年からは新NISA(成長投資枠・つみたて投資枠)に変わる予定です。

新NISAとは。成長投資枠とつみたて投資枠を確認

2024年からはじまる予定の新NISAの概要は以下のとおりです。

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出所:金融庁「NISAとは?」

新NISA【つみたて投資枠】

年間投資枠:120万円

非課税保有期間:無期限化

非課税保有限度額:1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)

口座開設期間:恒久化

投資対象商品:投資信託やFTE

対象年齢:18歳以上

新NISA【成長投資枠】

年間投資枠:240万円

非課税保有期間:無期限化

非課税保有限度額:1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)

口座開設期間:恒久化

投資対象商品:上場株式・投資信託等

対象年齢:18歳以上

つみたて投資枠と成長投資枠は併用が可能になります。

ここからは2023年に知っておきたいポイントを4つ紹介します。

新NISAのポイント1.非課税枠が増額

新NISAは、一般NISAが「成長投資枠」に、つみたてNISAが「つみたて投資枠」となり、併用が可能になります。

さらに、年間投資枠は成長投資枠が年間240万円、つみたて投資枠が年間120万円で、合計360万円となります。

新NISAのポイント2.非課税保有期間が無期限化

新NISAは非課税期間が無期限です。

一般NISA(非課税期間5年)やつみたてNISA(非課税期間20年)と異なり、非課税期間を気にする必要がありません。そのため、より長期投資がしやすい制度となっています。

新NISAのポイント3.非課税保有限度額が新設

新NISAの非課税期間は無期限ですが、1800万円(うち成長投資枠1200万円)の非課税保有限度額がもうけられます。

たとえば年間360万円を5年間投資すれば上限額である1800万円に達するため、新規での投資はできません。

また、非課税保有限度額1800万円には、現行NISA制度の一般NISAやつみたてNISAで投資している金額は含まれません。そのため、2023年に一般NISAやつみたてNISAで投資した金額は、新NISAの非課税保有限度額とは別枠で運用が可能です。

ただし、非課税保有限度額1800万円を使い切れる人は少ないでしょう。年代ごとの単身者平均金融資産額は以下のとおりです。

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出所:金融広報中央委員会 「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」

【年代別の貯蓄額】平均と中央値

20歳代 平均値:176万円 中央値:20万円

30歳代 平均値:494万円 中央値:75万円

40歳代 平均値:657万円 中央値:53万円

50歳代 平均値:1048万円 中央値:53万円

60歳代 平均値:1388万円 中央値:300万円

70歳代 平均値:1433万円 中央値:485万円

全体 平均値:871万円 中央値:100万円

もっとも保有金融資産額が多い70歳代でも、平均値は1433万円、中央値は485万円です。

一生涯で1800万円の非課税保有限度額を使い切る自信のない人は、無理に2023年に一般NISAやつみたてNISAに投資せず、2024年の新NISA開始を待ってもいいかもしれません。

新NISAのポイント4.保有中の一般NISAは新NISAへロールオーバーできない

現在の一般NISAは、非課税保有期間5年が終了した投資商品を、翌年の非課税投資枠に移せるロールオーバーが可能です。

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出所:金融庁「一般NISAのポイント」

ただし、新NISAの開始に伴い、一般NISAで2024年以降に非課税期間が終了する投資商品は、新NISAへロールオーバーができません。「売却する」か「課税口座に移すか」の2択であることに注意しましょう。

新NISA制度を理解しよう

新NISAをうまく活用すれば、効率の良い資産運用が可能です。

ただ、運用にはリスクがありますので、情報収集を重ねて納得のいく運用を行いましょう。

新NISAの制度を理解して、自分に合った投資方法を見つけてみてください。

参考資料

金融庁「NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査結果の公表について」

金融庁「NISAとは?」

金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査](令和4年)」

金融庁「一般NISAのポイント」

苛原 寛

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