『こうのとりのゆりかご』開設15年 「預けられた」と公表した青年の新たな活動に密着【熊本】

『こうのとりのゆりかご』開設15年 「預けられた」と公表した青年の新たな活動に密着【熊本】

  • TKUテレビ熊本
  • 更新日:2022/09/23
No image

テレビ熊本

ここをクリックすると元記事で動画再生ができます。

親が育てられない赤ちゃんを匿名でも預かる慈恵病院の『こうのとりのゆりかご』。開設から15年がたちました。半年ほど前に「自分はゆりかごに預けられた」と公表した青年の新たな活動を追いました。

【宮津 航一さん】

「ゆりかごに預けられたということを、養親さんによっては(子どもに)伝えないということもありますが、やっぱり僕は『真実告知』すべきだと思うし、伝えたことによって血縁を超えた本当の親子関係が築けるんじゃないかと思います」

9月17日、宮津航一さんは熊本市で開かれた教員研修会で講演し、自らの思いを語りました。

【宮津航一さん】

「預けられた時に履いていた靴ですね」

航一さんは3歳のとき、慈恵病院が開設した『こうのとりのゆりかご』に預け入れられました。

『ゆりかご』には昨年度までに161人が預け入れられています。

【母・宮津みどりさん】

「(ゆりかごへの預け入れ)そうでなくても、そうであっても受けるって決めたので。かわいがって育てようと思いました」

航一さんは、宮津さん夫妻に迎えられ、夫妻の実の子どもや、運営するファミリーホームで受け入れた他の里子たちと一緒に成長。高校2年生のとき宮津さん夫妻と養子縁組をして戸籍上も親子になりました。

【宮津 航一さん】

「僕は(ゆりかごに)預けてくれたことに感謝してるし、そのおかげで今の生活があるので、預けてくれてよかったなというか預けてくれたことに恨みとかは全くない」

門出の春に自らの生い立ちを明らかにした航一さん。胸には自分以外の子どもたちへの思いがありました。

【宮津 航一さん】

「僕だけじゃなくてゆりかごに預けられた子みんなが幸せに育ってほしい」

大学が夏休みの9月、航一さんがマイクの前に座りました。オンライン形式の講演、多くの人に向かって航一さんとともに語るのは田尻由貴子さんです。

田尻さんは、『ゆりかご』開設に携わった元慈恵病院 看護部長。

【田尻 由貴子さん】

「私たちはちょっと心配したんだけどなんで公表しようと思った?」

15年前、航一さんが預けられた時、直接関わった1人です。

【宮津 航一さん】

「これまでの15年間、いろんな人がゆりかごに対して見解を述べてきたけれど、

僕はずっとそれを見ながら、最終的に決めるのは子どもたちだろうなと内心思っていたので、(これまで預けられた)161人の中の1人として実例としてお話ししたいと思っていた」

【田尻 由貴子さん】

「どんな変化があった?」

【宮津 航一さん】

「自分の生い立ちに蓋(ふた)をしなくてよくなったことがよかった。今まで里親家庭で生活していることゆりかごに預けられたこと、養子縁組したことをずっと隠してたというか、世間に言ってこなかったけれど堂々と話せるようになったので心が軽くなったというか」

講演の中で、田尻さんが1通の手紙を紹介しました。

【田尻 由貴子さん】

「この手紙は私の一生の宝物。『他者のために何か将来したい』と書いてある」

航一さんが高校2年生のときに田尻さんに送ったものです。

【宮津 航一さん】

「ゆりかごに預けられた子どもたちが、これからどんどん大きくなってくるので、その子どもたちの集まりというか当事者だからこそ言える言葉や思いがあると思うので聞いていきたい。ピアサポートというんです。ゆりかごに預けられた後の人生の方が長いので、その先の人生をどうやったらみんな幸せに暮らしていけるのかということを一緒に、歩みながらやっていければいいのかなと思っている」

【田尻 由貴子さん】

「将来の夢は」

【宮津 航一さん】

「僕はずっと子どもが好きなので、子どもと関わり続けたいというか、関わることを何か将来やっていきたいと今思っている」

熊本市議会です。傍聴席に航一さんの姿。横にいるのは、航一さんの父・美光さんです。

【父・宮津 美光さん】

「ファミリーホームの跡取りと考えている。ファミリーホームの位置づけということについて質問されるので、勉強に行こうかと思って連れてきました」

【宮津 航一さん】

「(議会傍聴は)今回が初めて。父に連れられて。朝ごはん食べてたら「行くぞ」って言われて」

この日、議会では里親やファミリーホームの現状が取り上げられ、熊本市の里親委託率の低さが議論されました。

【宮津 航一さん】

「ファミリーホームもこれからいろんな人に認知してもらって、関心を持ってもらって広まればいいなと感じた」

学び、吸収し、そして新たに語る活動も始めた宮津 航一さん。

【宮津 航一さん】

「生い立ちを公表してからいろんな反響をいただいて、いろいろなところに声をかけていただいたり・・・。自分にできることをやっていければと思っている」

現在、大学1年生です。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加