
「全豪オープン」で2年ぶり2度目の優勝を飾った大坂なおみ(日本/日清食品)。「全米オープン」と合わせて、グランドスラムを4度制した彼女だが、それはすべてハードコートの大会だ。そうなると次の目標の一つとして挙げられるのは、クレーの「全仏オープン」、芝の「ウィンブルドン」の制覇。そのためには、試合をたくさんこなし、自信をつけることが必要だと、大坂のコーチであるウィム・フィセッテは語っている。
フィセッテコーチは、準決勝の翌日の記者会見で、大坂のクレーでのプレーについてこう語っている。
「彼女はコート上で自然に動けているし、そのフットワーク、パワー、ポイントの重ね方を見ていると、クレーでも良いパフォーマンスを発揮できることが分かる」「彼女に必要なのは、試合の数を重ねること。そして勝つことで自信をつけ、ゲームプランに対しても自信を持つことなんだ」
「以前、キム・クライシュテルス(ベルギー)と仕事をしたが、キムはあまりクレーの大会には出場しなかった。キムは『このボールはもっとハードヒットすべきだったのではないか』、あるいは『ラリーで我慢すべきだったのではないか』と自分のゲームプランを疑っていた。そういう面で成功体験がないと、自分のプレーを疑ってしまうんだ」
芝についても基本的には同様の見方を示している。
「芝の場合は、コート上で転んだり滑ったりするのが少し怖いと彼女は言っていた。これも芝でプレーする時間を増やせば良いんだ。自信をつけることが一番大事だと思う」
「彼女は他の選手と比べて、芝でプレーしてきた経験が少ない」「でも、彼女は十分な時間をかければすぐに習得する賢い女性だ。転んでも良いし、それは最悪なことではない。とにかく自信をもつことが鍵なんだ」
ハードコートでは現在の女子テニス界で最強と言っても過言ではない強さを見せている大坂。「もしハードコートでフォアハンドウィナーを狙いに行ってミスしたとしても彼女は『次は成功させるわ』と言うだろう」とフィセッテコーチは言う。こういう自信をクレーや芝でも持つために、とにかく試合をこなすことが重要なのだろう。
「多くの試合をこなす必要がある。上手くいけば成功するし、負けても学ぶことがある。だから今年なのか来年なのかは分からないけど、将来的に成功すると確信しているよ」
(テニスデイリー編集部)
※写真は「全豪オープン」での大坂なおみ
(Photo by TPN/Getty Images)
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