陸上自衛隊・真駒内駐屯地の公式ツイッターが「ネトウヨ」化 不正確な情報の拡散も?

陸上自衛隊・真駒内駐屯地の公式ツイッターが「ネトウヨ」化 不正確な情報の拡散も?

  • AERA dot.
  • 更新日:2021/05/01
No image

「陸上自衛隊 真駒内駐屯地」のリツイートの一例。憲法記念日を前に、安倍前首相の政治的な発言が目立つようになっている

憲法記念日を前に、政治的中立性が求められる自衛隊の、ある駐屯地の公式ツイッターが物議を醸している。

【記事の続き】リツイートはこちら

北海道札幌市内に位置する陸上自衛隊「真駒内駐屯地」。さっぽろ雪まつりにおける雪像制作隊として、地元ではよく知られている。その公式ツイッター「陸上自衛隊 真駒内駐屯地」の発信が、4月に入って以降、急にきな臭くなった。まるで「ネトウヨ」のアカウントのようなリツイートがめじろ押しなのだ。

例えば、靖国神社春季例大祭が始まった4月21日。安倍晋三前首相の「国の為に戦い尊い命を犠牲にされたご英霊に対し、尊崇の念を表するために参拝をいたしました」と書かれたツイートをリツイート。どうやら、陸上自衛隊真駒内駐屯地のツイッターを運用する「中の人」は、熱烈な安倍前首相のファンのようで、その後も立て続けに安倍前首のツイートや、安倍首相関連のツイートをリツイートしている。以下はそのごく一部だ。

「情報組織をしっかりと作る必要があると思いますよ。先日のJAXAの件は氷山の一角ですから」(ネット番組での安倍前首相の発言)

「今日のデザートはパイナップル。とっても美味しそう」(安倍前首相自身のツイート)

「ポスト菅 再々当番を…。安倍前首相に期待広がる、体調回復・活動盛ん」(読売新聞オンラインに掲載された記事)

駐屯地とはいえ、自衛隊の公式ツイッターが、特定の政治家の発言内容をリツイートすること自体が異常だ。しかも、安倍前首相は「憲法の中に自衛隊を明記する」という積極的改憲支持を象徴する人物。その発言は当然、政治的な意味を持つ。

別の日には、立憲民主党・福山哲郎幹事長の発言を引用した「自衛隊協力の大規模ワクチン接種会場の新設に反対」とする「ツイッター速報」をリツイートしている。福山幹事長は、4月27日の定例記者会見で記者とのやりとりの冒頭で「(菅政権が発表した)大規模ワクチン接種会場案についてどう思うか」と問われて「唐突感がある」と答え、これまでの菅政権のワクチン対応に不信感を示した。しかし、「自衛隊協力の大規模ワクチン会場の新設に反対」とは発言していない。「ツイッター速報」の見出しは、正確さを欠いている。

そもそも「ツイッター速報」は発信者が特定されていないアカウントで、その見出しや内容のファクトは曖昧。ツイッター上でのリツイート行為について、昨今、司法が「自身の発言と同様に扱うべきだ」「投稿に含まれる表現が他人の品性や名声などを低下させないか、相応の慎重さが必要だ」という判断を示している中で、自衛隊のアカウントが不正確な情報の拡散に一役買っていることになる。

陸上自衛隊真駒内駐屯地のツイッターは4月以降、変質している。同アカウントを運用する「中の人」の一連のリツイートは、ネットスラングで言う「中国ディス」「立憲ディス」「自民党アゲ」「靖国アゲ」を多く含み、いわゆる「ネトウヨ」的。特定の団体の「反中共」アカウントもフォローしている。

ツイッターには、自分が自衛隊真駒内駐屯地の関係者であることを明かした上で開設された「サイロの中の人」という個人アカウントもある。真駒内駐屯地にある「サイロ隊舎」をもじったものだ。「陸上自衛隊 真駒内駐屯地」の「中の人」と、この個人アカウントが同一人物によるものかどうかは定かではないが、「サイロの中の人」は関係者にしか撮影できない駐屯地内部の写真を公開、「ツイートが気に入ったら私でなく駐屯地をフォローお願いします」と呼びかけている。ツイートは輪をかけて偏った内容だ。

陸上自衛隊「真駒内駐屯地」の広報部に複数回、見解を求めた。最初は「事実を確認する」と対応したが、その後、返信も応答も途絶えた。今後、広報部からの回答があり次第、追記する。

(編集部・中原一歩)

※AERAオンライン限定記事

中原一歩

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加