今が買い!80、90年代に一世を風靡した250cc4気筒レーサーレプリカ

今が買い!80、90年代に一世を風靡した250cc4気筒レーサーレプリカ

  • @DIME
  • 更新日:2016/11/30

「2ストキラー」として名をはせた、250cc4気筒レーサーレプリカバイク。レーシーでいて、尖りすぎたモデルがアツかった。そして、このバイク達が今、買い時なのだ。

生産が終了してから15年以上が経った今、じわじわと中古車市場で値を上げ始めている。ましてや出回る台数が減少している。

今こそ、彼らを手に入れないと、2度と愛機にする機会はないかも……ちょっとオーバーだけど、真剣にそう思っている。

■デュアルヘッドライトのフルカウルがアイコン

1986年にヤマハがリリースした『FZR250』。当時人気だった、鈴鹿8時間耐久などに出場していた耐久レーサーを彷彿とさせる、デュアルヘッドライトのフルカウルボディが、250cc4気筒レーサーレプリカのアイコンとなり、後に各社から登場するモデルのイメージターゲットになった。

No image

『FZ250 PHAZER』を購入すると中学生の頃誓っていた筆者ではあったが、実際に購入したのはこの、「FZR」であった。低回転でスロットルをあおると「シュインシュイン」という軽快な音をたて、そこからスロットルを軽くひねれば、1万回転オーバーまで、タコメーターの針は勢いよく跳ね上がった。

とにかくよく回るエンジンだった。回転が上がれば上がるほど澄んだ高音を奏で、トンネルなどではわざとシフトアップせずに高回転まで回して、エンジン音を楽しんだものだった。

当然、「FZR」は人気を集めた。それに刺激されたのか、水冷4気筒250ccエンジンの先駆者、スズキがついに『GSX-R250』を1987年に発売する。

No image

しかしこの『GSX-R250』は残念なことに、デザインが大人しかった。リアシートも常識的なデザインで、“レーシーさ”を至上とするライダーからは、やや物足りないという印象であった。

“デュアルヘッドライトのフルカウルボディ”の方程式に従い、1988年にホンダも『CBR250R』をフルモデルチェンジした。

No image

しかし、ヤマハのFZRを意識し過ぎたのか、フロントブレーキをFZRと同じくシングルローターに留めてしまったのが悔やまれる。400ccとの差別化もあったのかもしれないが、時代は“フルスペック”こそが正義の、バブルまっただ中。『CBR250R』では、ユーザーは満足しきれなかったのである。ホンダの“レーサーレプリカを極めたモデル”は、後任へと託すことになった。

■レーサーレプリカを極めたモデルが各社から登場

やや大人しい印象だった『GSX-R250』に対して、1989年に発売された『GSX-R250R』はレーシーそのものだった。

No image

デュアルヘッドライト、フロントダブルディスクブレーキ、セパレートタイプのリアシートという、レーサーレプリカの方程式を全部詰め込み、さらに、「スポーツプロダクション仕様」という、レースに対応したシングルシートのモデルまでラインアップした。

ハンドル位置も低くし、フロントタイヤまで被るように下げて、セットされたフロントカウルも、レーシーさを強調するものだった。

250cc4気筒レーサーレプリカの定型となった、FZRもまた、1989年にフルモデルチェンジ。フロントにダブルディスクブレーキを奢り、エンジンも1万6000回転で最大出力を発揮する、より高回転対応の仕様にしてきた。

No image

そして、最後の参入メーカーとなったカワサキは、とびっきりレーシーなスタイルの『ZXR250』で1989年に勝負をかけてきた。

No image

フロントフォークには倒立型のサスペンションを装着、フロントカウルに開けられた穴からエアダクトがハンドルの上をまたぎ、ダミータンクを経由、直接エンジンまで空気を導入する、これも街中での実用性というより、レーサーのルックスを忠実に再現する方向で、派手好きのライダーたちのハートをギュッとつかんだ。

やや出遅れていたホンダもとうとう、レーサーレプリカの完成形を世に生み出した。1990年に誕生した『CBR250RR』がそれだ。

No image

「Rが3つも入るなんて、どれだけR好きなんだよ……」と、当時筆者はそのネーミングにツッコミを入れたことを覚えているが、とにかく“レーシング”を徹底的に意識した、まさにレーサーレプリカの権化(ごんげ)であったのは間違いない。

エンジンのレッドゾーンは1万9000回転からとされ、2万回転目前という、市販車では前代未聞の領域へと突入。また、重心を低くするために、重量物は低く、さらに車体の中心へと集めハンドリングフィーリングを向上。まさに、250cc4気筒レーサーレプリカの頂点を、『CBR250RR』は極めたのだった。

No image

■250cc4気筒レーサーレプリカ時代が幕を下ろす

頂点を極めた250cc4気筒レーサーレプリカだが、その栄華は長くは続かなかった。立ちはだかった壁は、バブル崩壊とネイキッドブーム、馬力規制と環境問題だった。

景気後退と共に、レース業界も活気を失い、バイクユーザーも徐々に減少していった。さらに行きすぎたレーサーレプリカへの拒絶反応か、世の中はカウルレスのバイク“ネイキッド”が人気を呼ぶようになった。そして、250cc4気筒レーサーレプリカにとって致命的だったのが、馬力規制と環境問題だろう。

まずは、1993年に新馬力規制で250ccバイクの最大出力は45psから40psに引き下げられた。それにより、レーサーレプリカは軒並み40psへと出力をダウン。4ストローク4気筒エンジンは、回転数を抑えて中・低速回転での扱いやすさを重視するようになる。「CBR250RR」も1994年に新馬力規制に対応し、牙を抜かれることになった。

No image

同時に、2ストレーサーレプリカたちもまた、40psを上限とする規制に従っていった。もしかしたら、ライバルである2ストレーサーレプリカの牙が抜かれたことで、250cc4気筒レーサーレプリカは、2ストキラーとしての使命を終えていたのかもしれない。250cc4気筒レーサーレプリカは徐々に、ラインアップから外れていった。

そして、環境問題という時代の大波が押し寄せた。国産バイクメーカー各社は2ストロークエンジンの生産を断念。2ストレーサーレプリカの雄、『NSR250R』も1999年を持って販売を終了した。それを追うかのように、2000年の『CBR250RR』を最後に、250cc4気筒レーサーレプリカもまた、消滅した。レーサーレプリカは21世紀へ生き残ることができなかったのだった。

■250cc4気筒レーサーレプリカの中古車市場の現状は?

残念なことに、250cc4気筒レーサーレプリカは消滅してしまった。また、ネイキッドモデルで存続していた250cc4気筒エンジンも、今やない。

あの独特の高回転サウンドを再び耳にするには、中古で手に入れるしかない。では、その中古車市場はどうなっているのだろうか? 大手の中古車情報サイト3媒体で調べてみた(2016年11月21日現在)。

●ホンダ
CBR250 FOUR 10〜27万円
CBR250R 15〜78万円
CBR250RR 26〜60万円

●ヤマハ
FZ250 PHAZER 20〜45万円
FZR250 15〜50万円
FZR250R 18〜45万円

●スズキ
GSX-R250 10〜36万円
GSX-R250R 40万円(台数が少なく、相場ができていない状態)

●カワサキ
ZXR250 17〜46万円

となっている。ちなみに2ストバイクでも調べてみたところ、

●ホンダ
NSR250R 10〜200万円

●ヤマハ
TZR250 20〜105万円
TZR250R 39〜107万円

●スズキ
RG250ガンマ 15〜73万円
RGV250ガンマ 25〜100万円

●カワサキ
KR250 30〜52万円
KR-1 30〜65万円

以上が、250cc2スト各車の中古車相場のようだ。

ホンダ『NSR250R』の200万円には驚くが、2スト勢の相場はざっくり、250cc4気筒レーサーレプリカの倍といったところ。稀少車種は台数不足状態になっていて、安値で出回るバイクは少ないようだ。

おそらく今後、250cc4気筒レーサーレプリカの中古車相場も上昇していくことが想像される。ネイキッドの250cc4気筒の現行車もなくなったため、稀少度は増すばかりだからだ。

『CBR250RR』の生産終了から15年以上が経ち、多くの250cc4気筒レーサーレプリカは車歴20年以上の旧車になっている。パーツの供給も減少し、程度の良い実車は激減していくことが予測される。

程度良好のモデルが50万円ほどで買える今こそ、購入のラストチャンスではないだろうか。もちろん400ccのレーサーレプリカもあるので、実質250ccが上限の2スト勢ほど希少価値は高くないから、相場が跳ね上がることはないだろうが、5割程度の相場上昇は想像に難くない。

しかも、250cc4気筒レーサーレプリカはエンジンのコンディションが重要なのだ。出会いの機会は少ないと覚悟してほしい。だから、程度の良いお気に入りのモデルが市場に出ていたら、とりあえず一度、現車をチェックしてみてはいかがだろうか?

ただし、旧車なので、整備はこまめに。そして、老体にむち打つような行為は慎み、バイクをいたわった走りでのんびりと、大人の付き合いを楽しんでもらいたい。あくまでレプリカであって、レーサーではないのだから。

文/中馬幹弘(ちゅうま みきひろ)

慶應義塾大学卒業後、アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

経済カテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
簡単に車中泊が楽しめるホンダ『フリード+』の遊び方
アイドルオタク、調査結果にブチ切れ 「年8万円消費」で済むわけないだろ!
ユニクロで名字変えバイトしていたジャーナリスト、潜入ルポ発表後にいつも通り出勤 解雇を言い渡される
東京メトロ、銀座一丁目駅に全国3例目のふるさと納税支援自動販売機を導入
ポケモンGOの「近くにいるポケモン」機能、テストを世界各地に拡大
  • このエントリーをはてなブックマークに追加