2017冬コミで「pixiv PAY」使ってみた

2017冬コミで「pixiv PAY」使ってみた

  • ITmedia ビジネスオンライン
  • 更新日:2018/01/12
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2017年12月29〜31日、東京ビッグサイト(東京都江東区)で「コミックマーケット」(通称コミケ)が開かれた。同人誌やグッズを売買する日本最大級の個人間即売会で、3日間でのべ約55万人が来場。“萌え”や“燃え”を求め、日本のみならず世界中からさまざまな人が訪れる“お祭り”だ。小銭を中心とする現金決済が活発に行われている会場で、モバイル決済は広がるのか。

コミケにモバイル決済を。ピクシブの「pixiv PAY」

コミケでの本やグッズの売買はほとんどが現金。1000円未満の頒布物が多いため、何十万人もの参加者は大量の小銭を持ち歩き、のべ3万を超える販売者(サークル)もあらかじめたくさんの釣り銭を用意して迎えうつ。コミケを運営するコミックマーケット準備会によると、コミケ3日間でおよそ900万冊以上が販売されているという。売買された本の分だけ、現金(多くが小銭)が行き来しているのだ。

そんな中、決済の選択肢を増やすべく、イラストSNS「pixiv」を運営するピクシブが17年8月、個人間のモバイル決済アプリ「pixiv PAY」の展開を始めた。売る側がアプリ上に表示した2次元コード(QRコード)を、買う側がアプリで読み込むと、登録しておいたクレジットカード(VISA、Master)で支払えるサービスだ。

17年夏コミ時点で初お目見えを果たしたpixiv PAY。17年冬に向け、ユーザーからの意見を取り入れて機能を追加。ピクシブのサービス担当者によると「同時に大量の決済が行われても耐えられるように、同時接続可能数も増強」したという。

キャンペーンにも力を入れた。アプリ内で使える500円分のポイントをプレゼントし、「pixiv PAYを使えば500円の同人誌が実質無料で買える」とアピール。またサークル参加者に向けては、「pixiv PAYでの売上額を1.1倍にして振り込む」施策を実施。決済手数料は18年8月末まで無料なので、使われれば使われるほどピクシブ側の赤字は大きくなる仕組み。ずいぶん思い切ったことをすると驚いた。

実際に使ってみてどうだった?

さて、冬コミの現場で、pixiv PAYはどれくらい使われていたのか? 記者の趣味は「ハマっている作品や作家の評論同人誌を出すこと」で、17年は夏コミ・冬コミともにサークル側として参加した。夏は20年前のアニメ、冬はヒット中のスマートフォンゲームで評論同人誌を頒布。夏コミ時点のpixiv PAY決済利用者は6人。冬コミはサービスの知名度が上がっていることからさらに利用者が増えるだろうと考え、SNSや卓上で「pixiv PAY使えます!」と積極的に告知もしてみた。

結果は……なんと利用者0人! 前回よりも全体的な認知度は上がっているはずなのに、利用者は減ってしまったのだ。ちなみに買い手側としても使うチャンスがなかった。

理由はいくつか考えられる。まずは活動ジャンルが変わったこと。夏は20年前のアニメだったが、今回は現在進行形で流行しているスマホゲーム。ジャンルが変われば、本を買ってくれる人の属性も変わる。買い手に若い人が多かったので、クレジットカードが必要なpixiv PAYの利用者が減ったのかもしれない。新しい決済方法の導入に積極的な人が売り手買い手ともに多い技術系の同人誌コーナーでは、おそらくもっとPixiv PAY決済が行われていたはず(実際、技術系同人誌だけが集まるイベント「技術書典」では、pixiv PAYの利用が多いという声を聞く)。

さらに身もふたもないことを言えば、夏と比べて、サークルスペースに立ち寄ってくれる人の絶対数が減ったのも理由の1つになりそうだ。夏はスペースで400人ほどが本を手に取ってくれたが、冬は150人ほど。もっとたくさんの人がサークルに来てくれていれば、その中の何人かが「pixiv PAY決済でお願いします!」と言ってくれていた……かも。

どうなる? pixiv PAYの今後

やや肩透かしだった冬コミでのpixiv PAYの利用状況。しかし「じゃあコミケでは現金決済でいいや」と思うのはまだ早い。

印象的だったのは、コミケ会場での広告だ。4種類の大きなポスターが掲出され、「即売会、スマホ1つでお会計」のメッセージが繁体字、簡体字、英語、そして日本語の4カ国語で書いてあった。そのポスターを見て、「ああ、pixiv PAYを必要としているのは、日本のオタクだけではないんだなあ」と改めて気付いた。

コミケの外国人参加者は年々増加しており、会場内で外国人を見かけることは一般的になった。サークル側としても、片言の日本語や英語でやりとりをして本を買ってもらったシーンが多くなってきている。ピクシブの担当者によると、「大量の小銭を用意するのが難しい海外からの参加者による利用も増えてきている」という。特に中国では「Alipay」や「WeChat Pay」など2次元コードを使ったモバイル決済が急速に普及しており、pixiv PAYとの親和性が高そうだ。

今後、ピクシブが運営する店舗作成サービス「BOOTH」との連携も予定する。また、「クレジットカードを持っていない方のために、コンビニなどで入金してポイントで決済できるようになったり、レジアプリとしてより便利になる機能開発を予定している」という。ピクシブのサービスを利用しているユーザーを中心に、利用者を拡大していく狙いだ。

国内のピクシブユーザー、そして海外の参加者の需要は今後大きくなっていくだろう。「普及している」とは言えないものの、売り手と買い手からの認知度は着実に上がっているpixiv PAYの今後に期待している。

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