セブン&アイの「コンビニエンス」でない経営

セブン&アイの「コンビニエンス」でない経営

  • WSJ日本版
  • 更新日:2017/10/13
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――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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日本企業の役員室の争いで米国一の著名投資家が勝利するという珍しい出来事があってから1年以上がたった。だが、コンビニエンスストア「セブン-イレブン」を運営する企業の不都合ぶり(インコンビニエンス)は相変わらずだ。

昨年4月、アクティビスト(物言う株主)のダン・ローブ氏は、 セブン&アイ・ホールディングスを率いていた83歳のベテラン経営者、鈴木敏文氏を追放。その後、ローブ氏が推した生え抜きの井阪隆一氏が社長に就任した。ローブ氏は当時、自ら率いるヘッジファンドのサード・ポイントが数億ドル相当のセブン&アイ株を保有していると話していた。また、セブン―イレブン・ジャパン社長だった井阪氏については、日本での順調なセブンーイレブン経営に貢献したと評価した。

ローブ氏は正しい選択をしたようだ。セブンーイレブンが12日に発表した決算では、6-8月の営業利益が予想を上回る10%の増加となった。けん引役となった北米事業の営業利益は17%増加した。

同社は米国で事業を拡大している。4月には、コンビニチェーンのスノコから、1000店舗を超えるコンビニやガソリンスタンドを33億ドル(約3700億円)で買収する計画を発表した。買収は現行年度(2017年3月〜18年2月)中に完了する見通し。19年までに北米で1万店を展開する目標の達成に貢献しそうだ。

だが井坂氏には、順調なコンビニ経営を続ける以上のことが必要だ。セブン&アイは現在も百貨店、総合スーパー、カタログ通販の分野で大規模な事業を展開しているが、利益はほとんど出ていない。こうした事業は電子商取引の台頭で一段の脅威にさらされており、本来であればコンビニに回せる現金を滞留させている。

セブン&アイの株価はローブ氏が前の経営者を追い出してからほぼ変わっていない。この勝利を本当に価値あるものにするには、より積極的な変革が必要だ。

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