【歌会始の舞台裏】愛子さまが和歌に込められた“孤独な大学生活”に雅子さまの複雑胸中

【歌会始の舞台裏】愛子さまが和歌に込められた“孤独な大学生活”に雅子さまの複雑胸中

  • 週刊女性PRIME
  • 更新日:2023/01/25
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1月1日、上皇ご夫妻に新年のあいさつをするため赤坂御用地へ向かわれた天皇陛下と愛子さま(撮影/JMPA)

1月18日、皇居・宮殿にて新年恒例の『歌会始の儀』が行われた。

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「今年のお題である“友”の特徴は、身近なテーマで詠いやすい一方、親友や悪友、旧友などどんな熟語でも似た内容になりやすいことです。個性的な内容にするのが意外に難しいお題だった、と選歌をしていて感じました」

歌と預選者を大切になさる両陛下

そう振り返るのは、歌会始の選者を務める『山梨県立文学館』館長の三枝昴之さん。天皇、皇后両陛下や皇族方のほか、約1万5000首の一般公募から入選した10人の和歌が披露された。

「歌会始の選を10数年担当していて感じるのは、さまざまな短歌大会とは異なる特徴があること。短歌に長く親しんできたことがわかる作品もあれば、逆に初めて作ったのではないかと思わせる作品もある。この層の厚さは、ほかの大会には見られず、短歌、そして歌会始が、皇室と市井の人々を結ぶ役割を果たしていると感じます」(三枝さん)

歌会始の起源は明らかではないが、鎌倉時代にはすでに催されていた記録が確認されている。

「一般から募った詠進歌が披講されるようになったのは明治7年。皇室の方々にとって歌会始は、国民の生活を知る手段というだけでなく、ご自身が感じた季節や心の移ろい、日常のささいな出来事を、和歌を通して公にできる貴重な場でもあるのです」(皇室ジャーナリスト)

優れた歌を詠んだ一般国民が宮中に招かれるようになったのは戦後のこと。前出の三枝さんも、選者として今年の歌会始に出席した。

「預選者(入選した作者)の歌が披講されると、両陛下は小さくリアクションしていらっしゃいました。歌と預選者を大切になさっていることが感じられる様子が印象的でしたね」(三枝さん、以下同)

歌会始が終わると、別室で両陛下と選者、預選者、披講団が歓談する場が設けられる。

「私が詠んだ《月蝕の のちの望月 くまもなき 地上にわれが 友垣がゐる》という歌について、両陛下が“私たちも望遠鏡を用意して、御所の庭で見ました”と反応してくださり、フランクな応対が楽しいひとときとなりました」

来歴を踏まえられた雅子さまの和歌

国民とのあたたかい交流を大切にされる陛下のお気持ちは、和歌にも表れている。

《コロナ禍に友と楽器を奏でうる喜び語る生徒らの笑み》

'21年10月、和歌山県で行われた第36回国民文化祭に両陛下がオンラインで出席された際、吹奏楽を演奏した高校生3人との交流を取り上げられたものだ。

「陛下ご自身も学習院輔仁会音楽部OBオーケストラの一員として、パート仲間と仲よく練習に励まれ、本番を終えられた喜びと安堵感を覚えられたに違いないと思います。そうしたご体験と重ね合わせて心情を詠われたのでしょう。陛下とはオンラインでご連絡を続けておりますが、やはり対面で会いたいという思いは、陛下もお持ちなのではないでしょうか」

そう話すのは、陛下と学習院初等科から大学までを共にしたご学友で、評論家の乃万暢敏さん。現在も親交があり、陛下と連絡をとるたびに《雅子や愛子からもくれぐれもよろしくと申しています》とのおことばが添えられるという。

雅子さまが披露されたのは、ご結婚30周年を迎える今年らしい和歌だった。

《皇室に君と歩みし半生を見守りくれし親しき友ら》

「“皇室に君と歩みし半生”という歌い出しは、ご自身の来歴を踏まえた率直な表現です。慣れない環境で起伏も多かったはずの日々を支えてくれた友……。今回、歌会始で披露された作品の中で、友という存在のかけがえのなさがもっともよく表れた作品だと感じました。自分の思いを飾ることなく述べるという和歌の大切な領域がよく生きている御歌だな、と素直に感動し、うれしくなりました」(三枝さん)

皇室入りした後、雅子さまが歩まれた平坦とは言いがたい道には、どんなときでも変わらず見守り続けてくれた“友”の姿があったのだろう。

「雅子さまは5年ほど前、中学時代からの旧友として知られる女性にマグネットを贈られたことがあるとか。そのマグネットには“親友とわかち合う喜びは増し、試練は和らぐ”という意味の英文が記されていたといい、今回の和歌にも通じる思いが感じられます」(宮内庁関係者)

互いを思いやる友情に言及された両陛下。大学3年生の長女・愛子さまは、学業優先のため儀式を欠席されたが、和歌は披露された。

《もみぢ葉の散り敷く道を歩みきて浮かぶ横顔友との家路》

昨年の秋、皇居の庭を散策し、散ったもみじの葉に覆われた道を歩かれた際、かつてご友人と一緒に歩いた学校の帰り道を思い出し、そのご友人のことを懐かしんだお気持ちを詠まれたものだという。

愛子さまの“本心”がこぼれて

「'20年4月に学習院大学に入学された愛子さまは、コロナ禍の影響でオンライン授業を継続。多くの学生が対面授業を再開してからも、“両陛下に万が一のことがあったら国民に迷惑をかける”と、外出を自粛しておられました」(同・宮内庁関係者)

初めて大学のキャンパスで授業を受けられたのは、昨年12月下旬のこと。約2年8か月は、ご学友と机を並べることができなかった。

前出の乃万さんが想起するのは、陛下がかつて語られたおことばだ。

「“学習院の初等科、中等科、高等科、大学で、どの時代がいちばん楽しかったと思われますか?”と、陛下にお尋ねしたことがあるのですが、陛下も私も同じ感想でした。“キャンパスライフを思いっきり楽しんだ大学時代とその友”だと。共に過ごした青春時代、そこには気の置けない友達が当たり前のようにいました。コロナ禍が、この貴重な時期を愛子さまから奪ってしまったことは残念ですが、愛子さまは前を向いて歩んでいかれることでしょう」

ある宮内庁OBは、愛子さまと両陛下の“温度差”が感じられたと話す。

「雅子さまの和歌のとおり、皇室という特殊な環境において心を許せるご友人の存在は必要不可欠です。愛子さまの和歌に、孤独な大学生活への不安が込められているようにお見受けしたのは、私だけではないはず。愛子さまの“本心”に触れた雅子さまは、母親として胸を衝かれたのでは……」

母の願いはひとつ。娘が再び“友”と家路につけますように─。

三枝昴之 歌誌『りとむ』発行人。日本歌人クラブ顧問。山梨県立文学館館長を務め、『歌会始の儀』の選者でもある。'21年に旭日小綬章を受章した

乃万暢敏 評論家。学習院初等科より中等科、高等科を経て、同大学卒業。陛下のご学友。現在も親交を続けている。YouTube「評論家 乃万暢敏チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCEcAs-nkKXGn7583rVjwJ眞w/featured)

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