どのような職場においても仕事の基本となる「5S」とは?

どのような職場においても仕事の基本となる「5S」とは?

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2022/01/15
No image

5Sとは整理、整頓、清掃、清潔、躾、5つの言葉の総称です。5S活動を行うと、職場環境が整うだけでなく、無駄もなくなります。結果として、作業の効率化、生産性の向上が実現できます。経営計画の作成・推進支援のコンサルティング経験が豊富な中小企業診断士が著書『経営計画100の法則』(日本能率協会マネジメントセンター)で、5Sの重要性をわかりやすく解説します。

【関連記事】他社のマネするだけ「A4用紙一枚の経営計画」で成功する方法

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾のこと

■会社の基盤5Sの効果

古くから製造業を中心に行われている、職場の環境整備活動が5Sです。どのような職場においても仕事の基本であり、会社の基盤といえるもので、よい会社ほど、5Sがきちんとできています。 5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・躾のことで、それぞれローマ字で書いたときの頭文字がSになるので、5Sと呼ばれます。

整理とは、要る物と要らない物を分けて、要らない物を捨てることで、ポイントは「捨てる」ことです。

整頓とは、物の置き場を決め、使った物を必ず所定の場所に戻すことで、ポイントは「所定の場所に戻す」ことです。

清掃とは、汚れた場所を掃除し、きれいにすることで、ポイントは「きれいにする」ことです。

清潔とは、整理・整頓・清掃によってできたきれいな状態を維持することで、ポイントは「維持する」ことです。

躾とは、職場のルールを守るようにすることで、ポイントは「守る」ことです。

5Sの実施にはさまざまな効果があります。直接的な一次効果は次のようなものです。

①在庫の削減➡不要な在庫や資材が処分されることで、スペースが確保できる。

②段取り時間の削減➡標準時間設定により、段取り時間が削減され、作業が効率化する。

③機械の汚れ防止➡清掃により機械の汚れが防止され、不良品の発生が抑えられる。

④機械の故障防止➡機械の点検整備により、故障を防止できる。

⑤コストの削減➡「チョコ停」(設備がチョコチョコと停止すること)防止、不良品の減少などで、製造原価が削減される。

⑥納期の厳守➡時間管理が徹底され、納期が守れるようになる。

⑦コミュニケーション不足の解消➡ルールの徹底により、連絡ミスがなくなる。

⑧安全の確保➡不要品などの放置や機械故障が減り、労働災害が防止される。

ワンポイント
身のまわりでの捨てる、所定の場所に戻す、きれいにする、維持する、守る、がきちんとできる会社がよい会社。
具体的行動
ムダ・ムラ・ムリを省く習慣、清潔で気持ちのいい環境を維持し続けていく。

5Sから生じる2次効果、3次効果

■2次効果、社員の心が向上

①社員の責任感が向上

5Sを実施する中で、社員はそれぞれ役割を担うので、責任感が養われてきます。自分の担当エリアの整理・整頓・清掃などを通じて、働きやすい職場にしようと心がけるようになり、さらには、きれいになった職場にプライドをもつようになります。

②組織推進力が向上

5Sは、全員の活動です。5Sに参加しない人がひとりでもいると、そこだけ活動が止まってしまうので、全員が協力せざるを得ないのです。こうして、全員参加の気運が高まり、物事を組織的に推進する力がつきます。

③改善力が向上

5Sは改善の原点です。5Sを進めていくと、職場のムダ・ムラ・ムリが減少していきます。

■3次効果、財務内容が向上

整理によって在庫が適正在庫に近づき、在庫効率が向上します。整頓が十分に行われれば、道具を探す手間が省けて生産性が向上し、製造コストが削減されます。清掃は、機械の故障を減らして生産速度を上げ、やはり製造コストを削減します。清潔を心がけると作業の標準化が進み、時間管理が徹底されて、人件費が削減されます。

また躾では、ルールの徹底で連絡ミスや再作業がなくなり、材料費や人件費が削減されます。

このように、5Sの実施には絶大な効果があります。必ず経営計画に組み入れてください。

ワンポイント
社員の責任感、組織の推進力、改善力が向上。
具体的行動
5Sの実施はメリットが絶大。必ず経営計画に組み入れる。

5Sを継続させる仕組みをつくる

■ 継続するための仕組み作り

当然のことですが、せっかく5S活動の仕組みを作っても、続けられなければ意味がありません。5Sを継続していけるような仕組みを作りましょう。

1つには、5Sマニュアルを作成することです。これには5S活動のための基本的なプログラムを、目に見える書類の形にした5S推進計画書も含まれます。

おもなコンテンツは整理・整頓・清掃・清潔・躾それぞれの手順書です。それ以外に、5S委員会の構成や推進ブロックの区分などを記載してもよいですし、5Sの目的や定義などを見失わないように明記しておくのも有効です。 5S委員が各ブロックを回って5Sが行われているかを点検する5Sパトロールも有効です。

まず事前に、5S委員が5Sチェックリストを作成します。そのリストを持って委員は各ブロックをパトロールし、項目ごとに評価します。そして、評価の低い点を改善していきます。

5Sチェックリストは、事務部門と現場部門とに分けて作成します。それぞれの部門での5Sについて、会社がめざすあり方を5Sを推進させる

意識して、チェック項目を作ってください。

■その他の取り組み

5Sの推進ブロックを決めましょう。会社の中で、どの空間の整理・整頓・清掃・清潔をどの部署が担当するか、ブロック分けをするのです。

基本的に、1つの部門が使用しているエリアは、その部門で担当します。そのエリアを、いくつかのまとまったブロックに細分化しましょう。そして1ブロックにつき、5〜10人を割りふります。また、廊下や階段のような共用部分は、5S委員会でよく協議して、いずれかの部門にふり分けます。

また、5Sの効果がわかるように、定点撮影を行いましょう。

5S活動を始める前に、各ブロックで、撮影位置と撮影方向を決めて、写真を撮影します。撮影した写真は、社内掲示板に掲示するなどして、全社員に見せます。そして5S活動を行ったあとに、同じ位置で写真を撮って比較するのです。

こうすると、5Sによっていかに社内環境が改善されたかが一目でわかり、社員は達成感を味わうことができます。

ワンポイント
5Sの絶大なメリットを継続、維持させるためにさまざまな取り組みがある。
具体的行動
委員会を作り、書類を作り、各ブロックに細分化する。そのことで目標達成を促す。

宮内 健次

中小企業診断士 社会保険労務士

宮内 健次

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加