土地取引の目安となる地価調査の結果が公表され、長野県内は住宅地・商業地ともに下落率は縮小し、上昇する地点が増えました。
また、工業地は上昇が続いていて、土地全体の需要は回復傾向と見られます。
【写真を見る】背景には海外需要…白馬村の商業地が27%アップで全国7位に、野沢温泉村も前年のマイナスから一気に+8.5%…地価調査 住宅地商業地ともに下落率縮小
地価調査は、県が7月1日時点で全市町村401か所の土地の価格を調べるものです。
2022年と比べた平均変動率は、住宅地でマイナス0.5%と27年連続、商業地でマイナス0.4%と31年連続の下落となりましたが、下落率は縮小しています。
一方、工業地は0.9%で2年連続の上昇となっています。
住宅地と商業地で下落率が縮小した理由について、地価調査を担う鑑定評価員は、新型コロナの収束に伴い、経済・企業活動が活発になっていることや、観光地を中心に海外からの需要が高まっていることをあげています。
このうち、白馬村のジャンプ競技場に近いエコーランドの上昇率は27.3%と、商業地では全国で7番目の高さに。
インバウンドが回復傾向となったことから、外国人向けのホテル建設や高級貸別荘などへの需要が高まり、地価の上昇が続いています。
白馬村に次いで商業地の上昇率が高いのは野沢温泉村です、
中心部は2022年のマイナス0.4%から、今年は8.5%と大きく上昇。
背景にはオーストラリアやシンガポールなどからの強い引き合いがあるといいます。
温泉街には、昔ながらの民宿や土産物店に並んで、海外資本によるモダンな宿泊施設や観光施設が増えています。
2022年12月にオープンしたこの店も…
店の従業員:
「(オーナーは)オーストラリアの方で、お客様もオーストラリアの方が多くて」
デザイン性に優れた雑貨や食品を県内外からそろえていて、スキーシーズンの外国人客だけでなく、グリーンシーズンの国内からの誘客にも期待しています。
店の従業員:
「温泉もありますし、古い建物・昭和感があふれるものとモダンなお店が混在している感じもほかにはない、珍しい特殊な土地だと思うので、そういうところも楽しんでいただければと思います」
また、市町村別では、軽井沢町が住宅地、商業地ともに全地点で上昇していて、首都圏の富裕層を中心とする別荘地需要のほか、子育て世代や高齢者層の移住も目立っているということです。
上昇が続く工業地は、物流や生産拠点としてのニーズが高まっていることから、交通の利便性が高い地点を中心に、今後も堅調に推移すると見られています。