デボラ・チョウ監督が語る、「オビ=ワン・ケノービ」制作の裏側「ユアン・マクレガーはオビ=ワンそのもの!」

デボラ・チョウ監督が語る、「オビ=ワン・ケノービ」制作の裏側「ユアン・マクレガーはオビ=ワンそのもの!」

  • MOVIE WALKER PRESS
  • 更新日:2022/06/23
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ユアン・マクレガーとヘイデン・クリステンセンがスター・ウォーズファミリーとして再集合! [c]2022 Lucasfilm Ltd.

「スター・ウォーズ」ファン垂涎のオリジナルドラマシリーズ「オビ=ワン・ケノービ」(ディズニープラスで独占配信中)。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』(05)の10年後を描く本作では、オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーの師弟愛と裏切りのドラマがより深掘りされた。重責のショーランナーを務めたデボラ・チョウ監督を直撃し、制作秘話と共に本作に懸けた想いを聞いた。

【写真を見る】オビ=ワン・ケノービとダース・ベイダーが再び対決!「オビ=ワン・ケノービ」監督が見る2人の関係性とは?

もともと自身が熱狂的な「スター・ウォーズ」ファンだったというチョウ監督は、「スター・ウォーズ」シリーズ初の実写ドラマ「マンダロリアン」に監督の1人として参加し、その才を高く買われて、「オビ=ワン・ケノービ」の監督を任されることになった。

両作についてチョウ監督は「どちらのシリーズでも、すごくすばらしい経験ができましたが、2作で得たものはまったく別物でした」という。「『マンダロリアン』はほかの監督とのコラボレーションという形で参加しましたし、新しいキャラクターもたくさん出てきました。でも、今回の『オビ=ワン・ケノービ』は昔から皆さんにすごく愛されてきたキャラクターたちを追っていく話だったので、まったく異なる経験でした」。

ちなみに「マンダロリアン」では、Xウイングのパイロット役でカメオ出演も果たしたチョウ監督。「スター・ウォーズ」の世界に自分自身が入れるなんて、さぞかし至福のひとときだったのではと予想して、監督に出演時の感想を聞いてみたが「決して自分が出たかったわけじゃないんです!」と前置きされたあとで「私は役者でもないですし、もう本当にダメでした。今後はなにがあっても絶対に出ません!」とキッパリ宣言されてしまった。

オビ=ワンとダース・ベイダーの歴史に焦点が当てられる

ルーカスフィルムのキャスリーン・ケネディ社長からの信頼も厚いチョウ監督。「オビ=ワン・ケノービ」を手掛ける際に入ったリクエストについて聞くと「私が本作に関わるようになった時には、ある程度のところまで製作準備が進んでいたので、そこを基盤に作品のビジョンを話し合いました。それで、本作はキャラクターにフォーカスを当てた物語なので、キャラクターをどう表現するのかを詰めていきました」と、人間ドラマに重点を置くことを心がけたそうだ。

オビ=ワンといえば『スター・ウォーズ』(77)など旧三部作では名優アレック・ギネスが演じていたが、『スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』(99)以降はユアン・マクレガーがバトンを受け取り、若かりし頃のオビ=ワンを熱演してきた。『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』で、彼のパダワン(見習い)だったアナキン・スカイウォーカーがダークサイドに落ち、ダース・ベイダーとなってことは前説としても、劇中のフラッシュバックとしても、何度か描かれてきた。

チョウ監督は演出するにあたり「『エピソード3』以降の10年間、一体なにが起きていたのかを考えるところから始めました。その間、トラウマになるようなことが起こり、オビ=ワンはすごく多くのものを亡くしたわけで、彼はそのつらさや重みを背負っている。その歴史があった結果、いま彼がそこにいるということをユアンとかなり話し合いました」と丁寧にアプローチを重ねた。

オビ=ワンに対して激しい憎悪を抱いているダース・ベイダーだが、2人の愛憎劇は一筋縄ではいかない。「このドラマでは特にオビ=ワンとダース・ベイダーの歴史に焦点が当てられます。『エピソード3』で起きた悲劇は、2人の人生にものすごい影響を与えましたが、これはオビ=ワンの話なので、特に彼の心情をより深く描いていきます。そしてそこから『エピソード4』へつなげていきたいのです」。

「ユアン・マクレガーは、共にコラボレートするパートナーでした」

51歳となったマクレガーは17年ぶりに演じたオビ=ワン役で、その苦悩と哀愁を余すことなく体現しており、愛しさをも醸し出している。ユアンを演出していて特に感銘を受けたシーンについて聞くと「すべてです。すべてに驚きます」と興奮しながらマクレガーを称える。

「彼はただの主演俳優という立ち位置ではなく、今作においては共にコラボレートするパートナーでもありました。言ってみれば、彼こそがオビ=ワンです。前回演じてからずいぶん時間が経っていますが、彼はものすごく自然にオビ=ワンとして帰ってきました。彼は役について『スター・ウォーズ』の世界観についても誰よりも知り尽くしているので、どんなことを聞いても、たくさんの情報を持って応えてくれました。また、彼は非常に直感的な俳優で、しかもその直感はいつも正しいです。それなのに私たちとのコラボレーションも楽しんでくれるというとても有難い存在です」と賛辞を惜しまない。

加えて、マクレガーは、アナキン・スカイウォーカーことダース・ベイダー役のヘイデン・クリステンセンとプライベートでも仲が良いという関係性が、よりドラマに奥行きを与えたと言う。第5話で、若かりし頃の2人がライトセーバーを手に相まみえるという回想シーンが描かれ、かなり胸熱だった。

「彼らのリアル信頼関係を間近で見ることができたのは、本当にすてきな体験でした。長い間会ってなくて、今作を撮るにあたり、久しぶりに会ったというシチュエーションは、劇中で起こっていることともリンクしていた気がします。シーンで言うと、第5話でのフラッシュバックのシーンの撮影ではやはり特別な思い入れを感じましたし、みんなで感動していました。その撮影をひと目観ようと、多くの関係者が見学に詰めかけたくらいですから」。

「私たちが探していたのは、キャリー・フィッシャーと同じ精神を持っている子役」

また、本作で「スター・ウォーズ」ファンをうならせたのが、幼い10歳のレイア役を演じた子役ヴィヴィアン・ライラ・ブレアの圧倒的な存在感だ。鼻っ柱の強さと勇気あふれる行動力は、まさにキャリー・フィッシャー演じるレイアをタイムふろしきで若返らせたくらいの“レイアらしさ”を感じさせた。チョウ監督は「レイア役を演じられる子役を世界中で探しました。やはり若き日のキャリーを探すのは、そんなに容易なことではなかったです」とキャスティングの苦労を明かした。

「私たちが探していたのは、キャリー・フィッシャーと同じような性格というか精神を持っている子でした。なぜなら、レイア役を演じる子役に、キャリーの演技を真似てほしくなかったから。だからもともとそういう資質を持っている子役を長い間探していたんですが、なんと偶然にもロサンゼルスにいたんです。そしてヴィヴィアンに決定したあとは、彼女に自然な状態でいてもらうように努力しました。役について考えすぎないようにしてもらいたかった。レイア姫を演じるのではなく、自然に反応してもらうことを一番大事にしました」。

すなわち「ヴィヴィアンがまさにレイアそのものだった」と太鼓判を押すチョウ監督。「あんなに若い子に『メリル・ストリープのような演技派女優になれ』と言っても無理でしょう。だから役の要素を持っている子を選ぶことがなによりも重要で、監督としてやりやすいだけではなく、作品にとってもベストな選択だったと思いました」と聞いて大いに納得。

「スター・ウォーズ」愛を語らせたら枚挙にいとまがない監督だが、「スター・ウォーズ」シリーズへのオマージュが満載の本作ということで、特に監督が演出していてシビれたというシーンについて聞いた。

「私が一番好きなキャラクターはダース・ベイダーです。ビジュアル的にも非常にパワフルな存在で、多くを語らずとも見ているだけでインパクトがありますから。だから特に気に入っているのは、第3話でダース・ベイダーが歩いてくるシーン」とうれしそうに瞳を見開いたチョウ監督。

ついに全話配信となった「オビ=ワン・ケノービ」は、「スター・ウォーズ」ファンが長年想像してきた映画シリーズの「空白の期間」を描いている。将来、息子に「ベン」と名付けるに至るまで深まったオビ=ワンとレイアの絆、そして彼と元パダワンのダース・ベイダーの関係性の変化など、登場人物たちの新たな歩みにぜひ注目してほしい。

取材・文/山崎伸子

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