名前の切り口からバラを見つめる第3弾。
Yumekaの庭にあるバラの中から、
名前を聞くだけで「ハハ~ッ」と皆が平伏する(?)傑物たちをご紹介します。
1.ミスターリンカーン
第16代アメリカ合衆国大統領「エイブラハム・リンカーン」の名を冠する黒赤ばら名花。
今のお庭のバラたちの中で、文字通りいちばんの古株です。新築と同時にお迎えした株で、お庭の南東にいる守り神のような存在。
その名のとおり、強くて美しいお気に入りのバラです。
<Yumekaの庭でのパフォーマンス>
地植えで170cm程度の丈。堂々たる株姿。
花後にもう少し丈を短くする予定。
黒点は出るが樹勢は強く、よく返り咲く。
5月の満開以降も絶えず1~2輪咲いている感じ。15cmクラスの大輪の濃赤で、よく香る。
昨夏に強風でベーサルシュートを根元から失ったが、この春も元気に咲いている。
道ゆく人にも香りを届けています。

今年のリンカーン
お花の濃赤はもちろん美しいけれど、新芽の赤さもまた美しい。
光が当たると吸い込まれそうなオーラを放ちます。このバラに限らず、植物は太陽の光と合わさると何とも言えない美しさを見せてくれます。写真には収まりません。「命の輝き」とでも言うのでしょうか。

リンカーン の新芽🌱美しい赤
以前住んでいた家で、ひとつだけバラを植えていました。
当時は今ほどガーデニングに詳しくなくて、つるバラと木立性のバラの区別もつきませんでした。バラ園の特設コーナーで見つけたその苗を、お庭の片隅に地植えして放置。お手入れは水やり程度でほとんどしていませんでしたが、毎年5月と10月に真っ赤な花が咲きました。香りもよく、仕事で遅くなったときもその香りに迎えられて「ああ、うちに帰ってきた」とフッと肩の力が抜けたものです。
大好きだったそのバラは、10年ほど経過したある年、枯れてしまいました。バラをよく勉強していなかったその頃の私には、原因はわかりませんでした。今にして思えば、テッポウムシか何かの仕業だったのでは…という気がします。
またあのバラのある暮らしに戻りたいと思えど、ラベル類も残っておらず品種名がわかりません。いつかまた見つけられたらいいな、と記憶の片隅に留め置きました。
それから数年後。
今の家への引っ越しが決まり、「あのバラをもう一度」と外構業者の担当者も巻き込んでの大捜査線を張りました。
手がかりは、切り花にしたこの1輪の写真のみ。

このバラにもう一度会いたくて
花の写真1枚だけでは…と捜査は困難を極めましたが、
業者さん:マリアカラスかも?
私:ミスターリンカーンかも?
とファイナルアンサーを出しました。
そして迎えたのがこのミスターリンカーン。
正解!でした。
2.ピエールドゥロンサール
品種名は、フランスのルネッサンス期を代表する詩人、ピエール・ドゥ・ロンサールにちなんで名づけられました。
この詩人さんというより、このバラ自体のネームバリューが群を抜いています。バラを育てている方で「ピエール」を知らない方はいないのでは?日本全国津々浦々、オシャレなお庭には必ずある、といっても過言ではないでしょう。
個人的にはバラ界の「道明寺」です。

咲き始め
<Yumekaの庭でのパフォーマンス>
地植え3年目で2階に到達。
爆咲き系で、この春は200輪ほどが開花。
強健。つるはやや硬め。仕立て方をプロに相談予定。
私の下手な説明はいらないでしょう。
例年、アザミウマに悩まされてきました。
今年は4月中旬~開花前に「ネオニコチノイド系」の薬剤を週1で散布しました。ニームオイルの水溶液も合間に併用したおかげか、アザミウマの被害はそれほどありません。このままシーズン終了まで良い状態でいてほしい。

ピンクと白の加減が年によって違うような…
3.ルージュピエールドゥロンサール
「道明寺」の分家的な存在。バラ界では「ピエール」を名乗るだけで、無条件に格上げされる仕組みとなっております。他に「ブラン」という分家あり。
本家の「ピエール・ドゥ・ロンサール」との交配的な関連性はなかったと思う。

手間は雨で変色した子
<Yumekaの庭でのパフォーマンス>
直立ぎみのつるバラ。2mのフェンスに沿わせている。
5月に一斉に開花し、その後もポツポツ年中咲いている印象。
赤花だが、リンカーンやゴスペルとはまた異なる色。
花が散らないので、長いこと咲き続けるが、雨で変色するのでカット必要。
つぼみもよくつくが、咲く前に折れて落ちるものも多い。

たくさん咲くのよ
このバラを四字熟語で表すと、「質実剛健」かな。
おわりに
https://note.com/urbanks/n/nc50901f03789
バラとの暮らしも一日一日の積み重ね。毎年同じように咲いているように見えて、実は色味の濃さや香りの強さなどが微妙に違う。
ミスターリンカーンは、いわゆるダマスク香のバラですが、今年はなんだか甘さ控えめ、グリーン系の爽やかさが強めです。去年はもっと甘く香っていたはずなんだけど…
人も同じだよ。
わが家のリンカーンさんは、そう語りかけてくれているのかもしれません。
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50代からの”心地よい生き方”探求中。”黒ラブのいるお庭”づくりを夫婦で楽しんでいます。和気あいあい?喧々諤々?の暮らしからそっと切り取ったひとコマを、たんぽぽの綿毛のようにこのnoteという青空に飛ばします。ときどきピアノ話も♪
ユメカ(Yumeka.yy)