市原隼人、35歳。理想の人物像を語る「誰かが泣いたら泣ける、人間臭い人でありたい」

市原隼人、35歳。理想の人物像を語る「誰かが泣いたら泣ける、人間臭い人でありたい」

  • 女子SPA!
  • 更新日:2022/05/14

市原隼人さん主演の映画『劇場版 おいしい給食 卒業』が5月13日より全国公開されます。

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2019年にドラマシーズン1が放送され、翌年には劇場版第1弾が公開、2021年にはシーズン2が放送され、絶大な支持を集めた本シリーズ。1980年代の中学校を舞台に、給食マニアの教師・甘利田幸男と生徒・神野ゴウによる、どちらが給食を“おいしく食べるか”というバトルを描いた学園グルメコメディとなっています。

待望の劇場版第2弾は、長く続いた給食バトルが、宿敵ゴウの卒業によって終止符を打つまでが描かれます。強烈な個性の甘利田を市原さんが熱演しています。笑いを誘う一方で、観る者の胸に迫るテーマも見逃せません。シリーズを牽引してきた市原さんに話を聞きました。

◆“給食のことしか頭にない教師”を演じる

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©2022「おいしい給食」製作委員会

――市原さんが演じるキャラクターは、給食がすべての教師・甘利田幸男です。かなり破天荒な教師ですよね。

市原隼人(以下、市原):給食のために学校に通っていると言っても過言ではない、甘利田幸男という教師を今回も演じさせていただきました。

甘利田は給食のことしか頭にない、ある意味では孤独な男なのですが、これほどまでに人生を謳歌している人間もいないのではないかと思えるほど、一生懸命に生きています。甘利田という男が精一杯給食と日々向き合いながら、どう工夫すればどう美味しく食べられるか、ひとりの生徒とバトルをする作品です。

――「シーズン2」のドラマも好評でしたが、今回の「劇場版第2弾」の脚本を読んだ感想はどうでしたか?

市原:今回は今までにない給食シーンの演出が登場するので、どうやって映像にしていくのか期待がありました。(宗方)早苗先生との関係性も、芝居としてどこまで深く演じたらいいのか、何度も熟考しました。何よりも給食シーンについては、ドラマ版よりスペシャルな芝居をしたいという思いが強かったので、自分なりに熟慮しました。

◆気がついたら机にダイブしていた

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――甘利田の心の声も多く、その際の表情だけのお芝居も話題になりましたよね。市原さんの新境地とも言われますが、そもそも最初のドラマのときは、どういう心境だったのでしょうか?

市原:今でもはっきり覚えています。地方から東京へ帰る新幹線の中で製本前の台本を読ませていただいて、「なんだこの作品は!?」と(笑)。原作もないし、面白いことを考える人がいるものだと思いました。同時に演じる人によって、ガラッと変わっていく作品だと思いました。挑戦したいという想いが芽生え、すぐ「やらせていただきます」とお返事しました。

――「シーズン1」のときに撮影現場にお邪魔したことがあるのですが、市原さん自身もアイデアを出され、全員で楽しく取り組まれていた姿が印象に残っています。

市原:脚本に遊びがあるんです。これは脚本家が、監督や演者を信用してくれた証でもあります。それはすごくありがたいことですので、なんとしてもやり遂げなければならないと思いました。なので、今回も甘利田が憑依しました。あんなふうに机にダイブするなんて、僕自身も思っていなかったです。気がついたらダイブしていましたから(笑)。誰に言われたわけでもないのですが。

◆人間臭い人でありたい

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――その想いがファンの方へ届いてることがよくわかります。

市原:「組のすべての部署が共闘し、全員で作ってきた作品です」と、断言できる作品ですね。尋常じゃないほどの現場愛にあふれていて、みんな家族のようです。そして、どの現場よりも子どもたちに愛情を注いでいる現場だと断言できます。

――甘利田の一直線な性格や情熱の部分は、市原さんご自身に共通するのではないでしょうか?

市原:確かに、似ている部分もあると思います。コロナ禍のいま、人と人とが顔を合わせて話す時間や、心を通わせる時間が削がれていっているような思いに駆られて、悲しくなることがあります。もちろん守らなきゃいけないルールは守りつつも、誰かが笑ったら笑い、誰かが泣いたら自分も泣けるような、人間臭い人でいたいと思っています。甘利田も、そういった面があります。一見、子どもを突き放しているようなところがありますが、すべては愛情から来ていて、しっかりと意味があるんです。ひとつひとつの言葉が、すべてのシーンにかかってきます。

僕は、愛がある現場が好きです。人生の三分の二くらいを芝居をしながら生きているので、自分についてもだんだん分からなくなってくるような感覚もあるんです。それこそ20代の前半は「自分って何なんだろう?」と、部屋の隅っこでしくしく泣いていたこともありました。今もまだ未熟ではありますが、商売道具は感情だと思っているので、これからもどんどんいろいろな自分を壊しながら、いろいろな自分を生み出していきたいと思っています。

◆甘利田から学んだ「受け止めるという強さ」

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――甘利田は、市原さん自身を後押ししてくれる存在でもあるんですね。

市原:そうですね。子どもに対しても負けたら「負けた」と言って、しっかりと受け止めるんです。認めることの強さというか、「ありのままでいい」と思わせてくれる。自分の愛した人生を生きればいいと、甘利田の心からもいろんなことを学びました。

――今回の映画を通して、届けたいメッセージがたくさんありますね。

市原:見どころがたくさんあるんです。今回は映画ということで、卒業に近づいていくメインテーマがあるのですが、それと同時に学年主任との恋の関係性や、行動が奇抜な甘利田が初めて私服で登場します。これも今までにないところです。

それに青春は、何歳になってもできるところがある。60歳になっても80歳になっても100歳になってもできること。あとはあの時に戻りたいという1980年代へのノスタルジックな感覚。作品の中で精一杯ふりきって暴れていますので、その滑稽な様を楽しんでいただきたいです。

<取材・文/トキタタカシ>

【トキタタカシ】

映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

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