コロンブスより150年前にイタリアの船員たちはアメリカ大陸の存在を知っていた可能性。古文書の解析結果で明らかに

コロンブスより150年前にイタリアの船員たちはアメリカ大陸の存在を知っていた可能性。古文書の解析結果で明らかに

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  • 更新日:2021/10/14
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1492年、イタリア、ジェノバ出身の冒険家クリストファー・コロンブスは、初めて新大陸アメリカを発見した。学校でそう習った人は多いだろう。

しかし14世紀のラテン語で書かれた文献から、驚くべき記述が発見された。イタリアの船乗りたちは、コロンブスの発見より150年も前に、すでに新大陸の存在を知っていたというのだ。

そもそも大昔の話ともなると、タイムトラベルで過去に行くことが叶わない以上、残されたわずかな記録に頼るしかない。また、その記録が恣意的に書かれたものである可能性も否定できないし、解釈の仕方によっても変わって来る。

果たして、アメリカ大陸発見の歴史は塗り替えられるのだろうか?

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最近発見された修道士が記した14世紀の古文書

そのラテン語で書かれた古文書『Cronica universalis』は2013年に発見されたもので、ミラノに暮らすドミニコ会の修道士ガルバネウス・フランマ(Galvaneus Flamma)によって1945年に記された。

ミラノの領主の家系に生まれたガルバネウスは、主に歴史をテーマにしたラテン語の文献をいくつか残している。

その1冊であるCronica universalisは、彼が晩年に書いたもので、おそらく遺作と考えられる。未完ではあるが、天地創造から出版されるまでの世界の歴史について詳しく述べたものだ。

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public domain/wikimedia

コロンブスが発見する150年前から船乗りたちは知っていた

中世ラテン語の専門家であるミラノ大学のパオロ・キエーザ教授は、その内容を調査し、『Terrae Incognitae』(21年7月16日付)で発表した。

それによると、コロンスブスが新大陸を発見する150年前に、ジェノバの船乗りたちが、すでにその土地のことを知っていたことを示す記述が見つかったという。

彼らの間では、アメリカ大陸は「マルカラーダ(Marckalada)」と呼ばれていた。その名称は北欧の資料などにも言及があり、北アメリカ大西洋沿岸(一般にはラブラドール地方やニューファンドランド島)を指していることが特定されている。

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新大陸の存在は北欧の船乗りからイタリアの船乗りに伝えられていた

ジェノバの船乗りは、交易相手だった北欧の船乗りからマルカラーダについての噂を耳にしていたようだ。

キエーザ教授によると、14世紀のジェノバやカタルーニャで描かれた海図には、北方の地理がかなり詳しく記されている。

それができたのは、地中海の船乗りたちが、北欧と直接やりとりをしていたからだと考えられるという。

「当時のイタリア人やカタルーニャ人の船乗りが、アイスランドやグリーンランドに足を伸ばしていたという証拠はありませんが、北欧の商人から現地の品々を手に入れ、地中海に持ち帰ることはできたでしょう。」

ガルバネウスが記した内容はこうした状況に一致していると、キエーザ教授は言う。

「ジェノバ人は、交易相手であるスコットランド・イギリス・デンマーク・ノルウェーの船乗りから耳にした新大陸に関する断片的な話を、事実や空想的なものも含めて、ジェノバに持ち帰ったのではないでしょうか。」

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古文書に記されたマルカラーダ

ガルバネウスは、マルカラーダについて、木々が豊かで動物が住んでいると記している。これは『グリーンランド人のサガ』(中世アイスランドで成立した散文作品の1つ)で語られるマルカラーダと同じような描写だ。

こうした記述は、典型的な”良い土地”の描写かもしれないが、キエーザ教授によれば、取るに足らないことではないという。

「なぜなら、一般に北方の土地といえば、ガルバネウスが記したグリーンランドや、ブレーメンのアダム(中世ドイツの年代記編集者)が記したアイスランドのように、荒涼とした不毛の地であるからです。」

マルカラーダが新大陸と認識されていなかった理由

キエーザ教授は、全体的に見れば、ガルバネウスの著書『Cronica universalis』は信頼できると語る。

というのも、ガルバネウスはその話をどこで耳にしたのか明らかにし、さらにさまざまな土地に関する過去の伝承から引き出された要素などで彼自身の主張を裏付けているからだ。

ただ、「そうした噂はとても曖昧で、地図や学術的に辻褄を合わせること」ができないものだ。当時、マルカラーダが新大陸とみなされなかったのは、それが理由であるとキエーザ教授は考えている。

それでも、コロンブスの新大陸発見より150年前に、イタリアに北欧からアメリカ大陸の話が伝わっていたという見解に、『Cronica universalis』はかつてない裏付けを与えているとのことだ。

References:Full article: Marckalada: The First Mention of America in the Mediterranean Area (c. 1340)/Italian sailors knew of America 150 years before Christopher Columbus, new analysis of ancient documents suggests/ written by konohazuku / edited by parumo

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