衣装の裏側や細部まで完全再現!『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』フィギュア「アテム」制作の裏側

衣装の裏側や細部まで完全再現!『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』フィギュア「アテム」制作の裏側

  • マイナビニュース
  • 更新日:2016/12/01

●映画化が追い風にもなった

コトブキヤが展開するフィギュアシリーズ「ARTFX J」より、TVアニメ『遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ』(以下『遊☆戯☆王DM』)の「アテム」が、2017年3月に発売される。

No image

左からコトブキヤ・原型担当の白髭創氏、企画担当の紀平氏

アテムは3000年前の古代エジプトの王(ファラオ)であり、『遊☆戯☆王DM』の主人公である武藤遊戯の体を借りて現世に復活。二人で協力しながら強敵とのデュエルに挑んでいくというキャラクターである。なぜアテムだったのか。開発にはどんな苦労があったのか。コトブキヤで本作の企画を担当した紀平氏と原型を担当した白髭創氏に開発秘話を聞いた。

担当者の熱意から生まれた「アテム」の企画

――まずは企画のお話から伺いたいと思います。今回のアテムですが、どのようなところからフィギュア化の話がスタートしたのでしょう。

紀平まず、この『遊☆戯☆王DM』シリーズのフィギュアを始めたときの話から……。最初に作ったのはブラック・マジシャン・ガールだったのですが、これは実は白髭のご褒美企画だったのです。

――ご褒美企画?

紀平ずっと白髭がブラック・マジシャン・ガールを造りたいと言い続けていたのが始まりです。

――つまり、白髭氏の情熱から始まったわけですか!

白髭実はそうなんです(笑)。

――そこから人気が出て今に至る、と。では今回のアテムは……。

紀平私のご褒美企画ですね(笑)。実は『遊☆戯☆王DM』シリーズは前回の闇バクラで一旦完結する予定だったんです。私は『遊☆戯☆王DM』の大ファンで、最後にアテムで締めくくりたいと思っていたのですが、キャラ選定がさすがに個人的な趣味に寄りすぎているかな……と思って、あきらめていたんです。そんなとき、たまたま白髭の手が空きまして……。

白髭ちょうどスケジュールが空いていて、暇しているわけにもいきませんから、すぐ入れられる仕事を探していたんです。

紀平『遊☆戯☆王DM』シリーズはずっと白髭が担当していたので、まずは白髭のスケジュールが空いていることが前提であることもあり…これはいけるんじゃないかと。

No image
No image

2017年3月発売予定「ARTFX J アテム」(9,720円/税込)

――いろいろなタイミングがちょうどよく重なったのですね。

紀平海外からも続編を熱望する声が多数届いていたんです。古代編も作ってほしい、続きはないんですかと。国内も海外も『遊☆戯☆王DM』への熱は高く、私だけでなく世界中の『遊☆戯☆王』ファンが待っているんだなと思いました。

――ともあれ、無事に企画がスタートしたわけですね。

白髭そのタイミングで『遊☆戯☆王DM』の映画化の話も決まったんですよね。

紀平そうなんです。

――映画化があったから企画したわけではなく?

紀平フィギュアが先でしたね。タイミングよく映画化も決まったので、追い風になりました。

――白髭さんはアテムと聞いてどう思いましたか?

白髭うん、ありだなと思いましたね。

No image

フィギュアとしての見栄えを考えて、どの角度から見てもかっこいいポーズに

――ではここからはアテムの制作についてお話を聞かせてください。アテムのポーズですが、これは企画段階で決まったものですか? それとも白髭さんが?

紀平企画段階ではポーズはなくて、私的にアテムはこのイメージかなという原作やアニメの絵を何枚か白髭に渡しました。ポーズに関してはもう、白髭に任せた方が間違いないんですよ。

白髭それを見てポーズを選びました。ただ、そのままではなく、もっとこうしたらとか自分の考えも折り込みながら決定しました。ですから原作そのままの立ち姿というわけではないです。

紀平でも、まさにアテムのイメージなんですよね。キャラクターのイメージをしっかり再現しながら、造形としてどうすれば見栄えがよくなるか、白髭はそのバランスを表現するのがとても上手なんです。

No image
No image

――フィギュアとしての見栄えというと?

白髭たとえばアテムでいうと、右手がピンと伸びてシャキーンとしているところとか。あとはボリュームが大事ですね。マントはボリュームを出せる部分ですが、空間のとり方次第では意外とコンパクトになってしまうんです。基本的にはアテムが目を向けている方向から見たとき、マントがかっこよくはためくことを意識しています。ただ、角度を変えたときにぺたんこになってしまうとがっかりしてしまうので、そこは奥行きを持たせて、どの角度から見てもかっこいいものに仕上げました。

紀平フィギュアはイラストと違って、いろいろな角度から眺めることができます。それがフィギュアの醍醐味でもありますが、制作側としては気を抜けない部分でもありますね。

――たしかにアニメや漫画で後ろ姿ってあまり見ない気もしますね。

白髭アテムもそうなので、正面を基準にしつつ、横や斜めの絵を参考にして立体で再現しました。

デジタルを活用して制作、その恩恵と意外な苦労

No image

――こだわったポイントについても教えていただけますか。

白髭まずは頭部ですね。そもそも遊戯やアテムの髪の毛は、「絶対に立体では再現できない髪型にした」と原作者の高橋和希先生が言っているらしいんです(笑)。アニメや漫画だとどの角度から見ても周囲が赤くて中が黒いという色バランスなんですが、これが再現できないんですね。ただ、今回はそこをかなり原作に近づけられたと思います。

――たしかにぜんぜん違和感ないですね。

白髭完璧な再現は不可能なデザインなので、厳密にいえば違いはありますけどね(笑)。

――これがもっとも原作に近づけたアテムの髪なわけですね。

白髭ちなみに『遊☆戯☆王DM』のシリーズではアテムに近しい存在である闇遊戯がすでに発売されているのですが、その闇遊戯とも髪や体型が違っているんですよ。

――えっ、そうなのですか。服装以外は同じだと思っていました。

白髭アテムの方が髪が少し長く、とんがっているところも多いんです。それから体も闇遊戯より筋肉質でシャープです。これは原作を読んでいて気づいたのですが、古代編あたりから筋肉のエッジが立っているんですね。闇遊戯とは明らかに筋肉のボリュームも流れも違うので、今回はそのあたりも再現しています。

――うーん、原作は読破していますが、まったく気づきませんでした。そういうところに目をつけられるのですね。

紀平私がおすすめするポイントは、服を着せる前の胸筋ですね。白髭は女性がグッとくる筋肉を作るのがうまくて、胸以外だとお尻の筋肉もいいんですよ!

No image
No image
No image
No image

発売中『ARTFX J 闇遊戯』(7,344円/税込)

――お尻……ということは、そのあたりも作り込んでから服を着せるのですか?

白髭そうですね。僕はまず裸の体を作り、そこに服を着せていくという流れで制作していきます。服を着せるといっても、"しわ"を作って服にしていくということですけどね。先に体を作っておくと、筋肉のラインを生かしながらピシッとした服を着せることができるんです。実は今回、「Z Brush」というデジタルソフトで原型を作っています。以前はすべて手で作っていたのですが、デジタルになってずいぶん調整が早く楽になりました。

――具体的にはどこがデジタルの恩恵を受けた部分ですか?

白髭たとえばアテムが身につけている黄金の装飾具です。特に首にかけてある丸いところは、よく見ると細かく等間隔の溝が彫られています。この部分を手で一つ一つ彫るのはものすごく大変なのですが、デジタルだと幅を決めればすぐできますし、エッジも立ち、平面もなめらかに仕上がるのです。

――たしかにこういった細かく均一になっているところはデジタルの出番ですよね。

白髭ただ、その等間隔の幅を計算するのは手作業で行ったので、結局かなり苦労はあったのですけどね。

――デジタルとアナログのハイブリッドな工程だったわけですね。

No image
No image

手の表情と筋肉

紀平それから手の表情にも注目していただきたいですね。よく、「指の演技」というのですが、指先の角度ひとつでかっこよさが変わってくるんです。

白髭たとえば「グー」の形でも、折り曲げた指を平たくそろえるのではなく、指の盛り上がりで段差をつけることで、グッと表情が出てくるんですよ。指はそろえないのが表情を出すためのコツです。

――なるほど、たしかに……。

お二人からもう一度、アテムのおすすめポイントを教えていただけますか。

白髭いろいろありますが、トータルでいうとやっぱり筋肉ですかね。筋肉には流れがあって、ポーズによっても変わってきますし、キャラクターの印象を決めるポイントです。それからアテムならではの装飾具がビシっとかっこよく決まっているところも気に入っています。

紀平二の腕とか、太ももの締まった感じとか、美しくて思わず見とれてしまう筋肉をぜひいろんな角度から眺めてほしいです! 二次元のパーフェクトな体を三次元で楽しめるのがフィギュアの醍醐味だと思うので。それから、表情、特に口元をチェックしてほしいです。アテムの顔、ステキに仕上がっています!

――お二人のアテム愛が伝わってくるお話でした(笑)。ありがとうございます。

No image
No image

今も国内外問わず高い人気を誇る『遊☆戯☆王DM』。多数の続編が登場しているが、やはり初代の人気は別格だ。主人公である武藤遊戯と表裏一体ともいえるアテムは、担当者の熱意と原型師のスケジュール、映画化の後押しなど、さまざまな幸運がからみあって誕生した運命的な作品だった。

「ARTFX J」シリーズのファンはもちろん、かつて原作やアニメを楽しんでいた方にもぜひおすすめしたい。

(C)高橋和希 スタジオ・ダイス/集英社・テレビ東京・NAS

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

アニメカテゴリの人気記事

グノシーで話題の記事を読もう!
あと2日! 『Amazon』サイバーマンデー ニンテンドー2DSとポケモン最新作やマリオメーカーのセットに注目!
「勇気を持って、自分で決めつけてください」 『ユーリ!!! on ICE』は“BL”ではない? 久保ミツロウの発言が話題
アニメ「亜人ちゃんは語りたい」記念、次号ヤンマガサードが103(デミ)円に
“神様、僕は気づいてしまった”、早くも新TVアニメ『ちるらん にぶんの壱』主題歌に抜擢
お台場の実物大ガンダム、17年3月5日で撤去 「ガンダムフロント東京」営業終了へ

注目のキーワード

キーワードで気になるニュースを絞りこもう

おすすめの特集

おもしろい・役立つ記事をピックアップ!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加