
大阪市此花区の夢洲(本社ヘリから、甘利慈撮影)
大阪府市は19日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を予定する人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)で浮上する地層の液状化リスクを巡り、セメントで改良する工法を採用すると発表した。対策面積が当初想定の38ヘクタールから21ヘクタールに減ることから、対策費用は410億円から255億円に圧縮できるという。
府市でつくるIR推進局によると、予定地ではIRを運営する「大阪IR株式会社」側の調査で、地震で液状化現象が起きやすい地層が見つかった。府市の専門家会議で対策を検討した結果、予定地の地下を中心に、厚さ3~5メートルのセメントで格子状に固める工法を採用することにした。
府市は当初、敷地全面を砂で締め固める工法を想定していたが、沈下が懸念されることなどが判明。セメントを使った工法の効果を確認し、対策面積や対策費用の圧縮も可能となった。
予定地では土壌汚染や埋設物も見つかり、土地を所有する市が液状化対策を含め計788億円を上限に対策費を負担する。府は今月、開業に向けた実施協定の認可を国に申請。認可が得られ、事業者が府と協定を結べば対策工事に着手する。