
テレビ長崎
1997年の神戸市連続児童殺傷事件など、重大な少年事件の記録などが廃棄されていた問題で、最高裁は25日、「対応が不適切だった」とする検証結果を公表しました。
長崎では2つの事件が対象となっています。
最高裁は検証結果として、重大な事件の記録が相次いで廃棄されたのは、特別保存の基準などを明確にしていなかった最高裁の不適切な対応が原因と結論付けました。
最高裁の調査報告書によると、県内では2つの重大な少年事件の記録が廃棄されています。
2003年に長崎市で起きた男児誘拐殺害事件の記録については、長崎家庭裁判所の管理職が職員から「長崎では有名な事件」と聞き、廃棄についてほかの管理職に相談し検討しました。
しかし「全国的に社会の耳目を集めた事件ではなく、調査研究の対象にもならない」と考え、廃棄したということです。
また、2004年に佐世保市で起きた小学校6年生の同級生殺害事件の記録については、家裁佐世保支部の管理職から相談を受けた長崎家裁の管理職が、「地域限定的な事件との印象で全国的に社会の耳目を集めた事件ではない」と判断し、廃棄したということです。
ともに廃棄前、所長への相談はありませんでした。
最高裁は今後、記録を「国民共有の財産」と位置づけ、第三者委員会を常設するなどして再発防止に努めたいとしています。
事件当時、長崎県中央児童相談所の所長だった川原ゆかりさんは家裁の判断について「子供が子供を殺害したことの重大さを考えていないのではないか」と指摘し今後、記録の開示についても議論が必要と話しています。