ロックンロールから「ロック」へと産声を上げたビートルズ、デビューアルバムに迫る!

ロックンロールから「ロック」へと産声を上げたビートルズ、デビューアルバムに迫る!

  • 幻冬舎ゴールドライフオンライン
  • 更新日:2022/11/25
No image

【前回の記事を読む】「ネクタイの柄が気に入らない」ジョージ・ハリスンの衝撃発言”

第2章 Please Please Me

『プリーズ・プリーズ・ミー』

イギリスで、三十週連続チャート一位を獲得したアルバム。デビュー作からいきなりのモンスター・アルバムとなった、初期の傑作的作品。「ビートルズのオリジナル・アルバムを聴きたい」という人には、まずこのアルバムから聴くことをお勧めします。

ファースト・アルバムにして、なぜいきなりここまでのヒット作を出せたかというと、それは一九五十年代を駆け抜けたロックンロールが、意気消沈してしまったことに理由があります。当時、若者に人気のあったロックンロールは、三大ロックンロール・ミュージシャンと言われた、エディ・コクランの事故死。バディ・ホリーの飛行機事故死。チャック・ベリーの逮捕。それに加えキングと呼ばれた、エルヴィス・プレスリーの徴兵令などを皮切りに勢いをなくし、ドゥワップなどの聴きやすいポップ・ミュージック(日本でいうところの歌謡曲)に舞台を奪われてしまうのです。不良の象徴とも言えたロックンロールは、結果、不良と位置付けられていた若者の音楽離れを引き起こしてしまうのでした。

その中で訪れたイギリスからのロックンロール、それがビートルズです。象徴を失っていた若者は、ビートルズに一斉に飛びつくのですが、その中には、五十年代当時、ロックンロールを聴いていなかった若者も含まれているのです。ビートルズはロックンロールな演奏に、ポップスのような綺麗なメロディを乗せた、新感覚の音楽を作り、ロックンロールとドゥワップ、どちらのファンも引き込むことに成功したのです。

今としては、エレキ・ギターに様々なメロディが乗りますが、当時としてはかなり新鮮で、デビューから既に他にない音楽を完成させていたということが、デビュー作にして一気に大ヒットを生んだ理由と言えます。

それでは、全十四曲の中から、黄盤収録と赤盤収録済みをご紹介。まずはこのアルバムの一曲目にもなっている、

『アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア』

ポールの「ワン・ツー・スリー・フォー」のカウントから始まる軽快な曲。ビートルズ劇場幕開けのオープニング・アクトを飾るに相応しい一曲。先ほどの通り、綺麗なメロディを乗せることで、ロックンロールでありながら、今までにはないコード進行を取り入れた、ポップ・ミュージック的なアレンジが入っています。多種多様なジャンルの音楽を好きな人でも、非常にノリやすい一曲です。

しかも驚くべきことに、ジョンと二人で十九歳の時に作った曲なのです。早くも才能開花ですね。ジョンのギター(リッケンバッカー)、ポールのベース(ヘフナー)、ジョージのギター(グレッチ)、リンゴのドラム(このアルバムのみプレミアを使用)。そしてビートルズといえばハンド・クラップ(手拍子)。この曲で早速使われていますが、ハンド・クラップはビートルズ後期までガッツリ使われる特徴的な手法です。(黄盤収録)

それと、ヴォーカル、ギター、ベース、ドラムといった、オーソドックスな四人編成のバンド・スタイルは、ビートルズから始まったと述べている評論家も多いです。この頃からビートルズは既に、同じ演奏や歌を二度収録し重ねあう、オーバー・ダビング。そしてそれらを同一者が行う、ダブル・トラッキングを使用しています。

『プリーズ・プリーズ・ミー』

アルバムと同一タイトル。アルバム制作前にセカンド・シングルとしてリリースし、一瞬でイギリスを席巻した曲です。この大ヒットにより、急遽このアルバムを作ったと言われています。

もともとはスロー・テンポの曲だったのですが、プロデューサーのジョージ・マーティンの案で、テンポを上げ収録。初期ではよく使われていたハーモニカを、イントロのメロディで使用。まさにこのアルバムの顔とも言える曲。数々のベスト盤などに収録される、ビートルズの代表曲と言っていいでしょう。(赤盤収録済)

ジョンとジョージの使うギブソンのアコースティック・ギターJ‒160E。こちらもビートルズ後期までガッツリ使われます。

『ラヴ・ミー・ドゥ』

アルバムのリリース前年、一九六二年にリリースされた、ビートルズのデビュー・シングル。ポールが十六歳の時に作った曲で〝G,C,Em〟の三つのギター・コードから作られたシンプルな曲。ギター初心者にオススメです(私も最初に覚えたギター曲です)。

曲はもちろんのこと、十六歳でこのメロディを乗せたというところに凄みを感じますね。ちなみにシングル曲ではリンゴがドラムを担当していますが、アルバム収録バージョンでは、リンゴではなく、ジョージ・マーティンの助手のアンディ・ホワイトがドラムを担当しています。詳しい理由はわかりませんが、マーティン的にリンゴのパフォーマンスが気に入らなかったようです。(赤盤収録済)

Kad Lennon

この記事をお届けした
グノシーの最新ニュース情報を、

でも最新ニュース情報をお届けしています。

外部リンク

  • このエントリーをはてなブックマークに追加