Google Earthで見る地球の驚くべき地形

Google Earthで見る地球の驚くべき地形

  • 現代ビジネス
  • 更新日:2020/11/21
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地球科学の第一人者である平朝彦先生のもと、海洋研究開発機構が取り組くんできた数々の知見と資料を網羅した「地球科学」の決定版『カラー図解 地球科学入門 地球の観察』が好評を博しています。本記事では自宅に居ながら地球を観察することができる「Google Earth」の見どころを、平先生に紹介していただきました。

CIA発だったGoogle Earth

地球の衛星画像や地図情報を集めてヴァーチャルな3D画像で表現するという試みは、20世紀後半から存在していた。当時、米国 CIA(中央情報局)の創設した Keyhole社が EarthViewer3Dを開発していた。

Googleは、この会社を買収し、衛星画像、航空写真とGISを組み合わせて、2005年に地球表面の3次元イメージを作り出した。これがGoogle Earthであり、これまで進化を続けている。

Google Earthは地球を全体から細部に至るまで、観察し、理解する最高のツールである。これによって、私たちの地球観は一変したと言って良い。地球全体を見ると、西太平洋・インドネシアの複雑な陸と海の地形、ヒマラヤ・チベット・そしてアフガニスタンからイランにかけての褶曲帯、アフリカ北部の茶、赤道域の緑、両極の白、そして広大な海洋底から構成されているのが一見して分かる。凄い!

さらにGoogle Earthでは、各地の写真やリアルタイムの画像(ストリートビュー)、さらに海底の生物や沈船など、ありとあらゆる情報が乗せられており、まさに地球の情報が一覧できる。

本記事では、Google Earthの見所の地点について解説してある。緯度・経度でしめした場所は代表的な地点であり、もちろん、その周囲を広く、観察して欲しい。

衝上断層褶曲帯

衝上断層褶曲帯(Thrust and Fold Belt)の構造は各地で認められる。例えば、パキスタン、アフガニスタンからイランにかけての一帯は、全域が凄まじいばかりの衝上断層褶曲帯であると言って良い。とくにイランのペルシャ湾岸の褶曲構造は見事である(27°39′N、52°50′E)。

このような褶曲構造形成が石油の移動、胚胎に関係していることが理解できる。また、このような褶曲構造形成が岩塩層を滑り層(デコルマ)としており、また、岩塩ダイアピルあるいは岩塩・泥火山を多数伴っていることが読み取れる(例えば、27°00′N, 55°06′E)。

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東アフリカ大地溝帯

ジブチ三角地帯からエチオピア高原そしてケニアにいたる東アフリカ大地溝帯の画像は圧巻である。特にケニアのツルカナ湖から南では、リフトの断層と火山活動の様子が良く読み取れる(1°30′N、37°Eにリフトの東側の断層群) 。

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千島海溝から日本海溝の地形

これらの海溝と周辺地形を概観してみよう。釧路の沖合には釧路海底谷があり、これは千島海溝へと繋がっている。太平洋プレート側は、海溝にほぼ平行に発達した地溝・地塁地形が顕著である。千島海溝と日本海溝の屈曲地点に位置する襟裳海山(40°53′N、144°55′E)は、この地溝・地塁をなす正断層によって変形している。

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襟裳海山の北側の海溝陸側斜面は、湾入した地形を成している。この湾入部の高まり(41°18′N、144°38′E)では、地磁気異常が観測されており、磁性を帯びた玄武岩山体が伏在している可能性がある。したがって、この湾入部は、別な海山が衝突し、潜り込んでいった地形と考えられる。

さらに、その東側(例えば、41°27′N、145°06′E)や南側(例えば、41°00′N、144°28′ E)の地形は、海溝陸側斜面に円弧型の斜面およびその下部の乱雑凹凸からなり立っており、巨大な海底地すべり地形が示唆される。海溝海側斜面での海山の変形、衝突、湾入地形の形成そして斜面崩壊という一連の過程が見えている。

日本海溝においても、海溝海側斜面に地溝地塁地形が発達しており、また、第一鹿島海山(35°47′N、142°40′E)が正断層によって変形している。日本海溝の前弧斜面は、平坦であり、大きな海底谷は発達していない。日本海東縁辺の変動地形と比べると大きな違いがある。

2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震を考えると、日本海溝前弧斜面は、断層による差別的な運動はあまりせずに、ほぼ一枚板のように振る舞ってきたことが示唆される。このような様相は、第一鹿島海山付近から、海底谷の発達をへて、複雑な海溝三重点付近の地形(例えば、32°24′N、141°47E)へと変化する。

アマゾン川中流域の蛇行河川

河川の争奪、流路の放棄、ポイントバーの移動などの痕跡が保存されている(例えば、3°02′S、68°14′Wの一帯)。

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鳥海山

鳥海山は実に雄大な火山であり、裾野の差し渡しは20kmほどで富士山クラスの山と言って良い。本体は、ほとんどが溶岩流で覆われている。火砕流やスコリアなどに覆われた他の日本の火山と異なっている。

鳥海山は、更新世後期の古期山体の上に約16万年以降の2つのステージ活動に編年されている。最近の活動は、数1000年前から後のものであり、非常に良く保存された溶岩流が、幾つかの地点で認められる。例えば、北側では複数の溶岩流が認められる(39°07′08″N、140°02′08″E)。

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また、西側には、長大な溶岩流があり(例えば 39°06′42″N、139°56′51″E)、その先端は溶岩チャンネルを構成し海に到達して溶岩扇状地を作っている。山頂付近では、1801年の噴火によって形成された鍋森溶岩ドーム(39°05′57″N、140°02′57″E)が目立つ。

溶岩ドームから北側には馬蹄形カルデラが開けている。その中には複数の溶岩流があり、さらにその先はチャンネル状の地形をへて象潟へと続く。象潟は、多数の流れ山からなる地形をなす。象潟の岩屑なだれの発生は約2600年前と言われ、岩屑なだれは、海へと到達し、多数の小島を浮かべた松島(宮城県)のような風景を作った。1804年の象潟地震によって、一帯は隆起し現在のような景色となった。まさに火山と地震の作った独特の風景と言える。

隕石衝突クレーター

地球には、後のテクトニクスや活発な侵食作用によって、火星、月ほど巨大なクレーターは残存していない。隕石衝突によって形成されたクレーターとしては、例えば次ぎの地点がある。アメリカ・アリゾナ州バリジンジャー隕石孔(メテオールクレーター)(35°01′39″N、111°01′20″W)。

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カナダのマニクアガン・クレーター(51°23′N、68°40′W:差し渡し60km ほどある。高度 200kmくらいから見ると良い)。

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(この記事は『カラー図解 地球科学入門 地球の観察』コラムの内容を再編集したものです。コラムでは記事で取り上げた場所以外にも興味深い地形を多数紹介しています)

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