新規事業の創出に成功した経営者共通の「考え方・行動」とは?

新規事業の創出に成功した経営者共通の「考え方・行動」とは?

  • 幻冬舎ゴールドオンライン
  • 更新日:2022/09/24
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大企業のような経営資源がなく、知識の集積にも苦戦しがちな中小企業が、これからの時代に生き残り、活路を見出すためには、どのような戦法が必要なのでしょうか。※本記事は『中小企業の両利きの経営』(ロギカ書房)を抜粋・大幅に再編集したものです。

中小企業は「新規事業の探索」にまで手が回りにくく…

両利きの経営では、既存事業の「深化」とともに、新規事業の「探索」を行うことが重要です。しかし、大企業のようにヒト・モノ・カネといった豊富な経営資源を持たない中小企業は、既存事業の深化だけで手いっぱいであり、新規事業の探索にまでは手が回りにくいのが実情です。

しかし、2021年度版の『中小企業白書』の調査結果によれば、中小企業が経営危機を乗り越えるうえで最も重要だった取り組みの1位は「新規事業分野への進出、事業の多角化」でした。

中小企業の場合、会社をあげて新規授業の探索に乗り出すのは簡単ではありませんが、経営者自らが探索を行うことでチャンスを掴むことは可能です。

地方創生に関わってきた、日本生産性本部地方創生カレッジ総括プロデューサーの三輪知生氏の著書『岐阜発 イノベーション前夜』のなかに、実践的な事例と、チャレンジのヒントがありました。

STEP1:時代の変化を前向きにとらえ、チャンスを掴む

●寝具店の事例…「消費者のライフスタイルの変化」を受け入れ、創意工夫を凝らす

布団を主力商品として事業を営んできた寝具店は、布団からベッドへと消費者のライフスタイルが変化したことで経営難に陥りました。しかし経営者は、これまでの事業内容に限界を感じたものの、前向きな姿勢を失いませんでした。「消費者のライフスタイルの変化」という現実を受け入れ、その中で自分は何をなすべきか、ひたすら前向きに考えたのです。その結果、この寝具店は、最終的に自社のオリジナルベッドを作ることに成功し、復活を果たしました。

新規事業の創出に成功した経営者は、厳しい経営状況の中にあっても、前向きな姿勢でこれから進むべき道を考えます。「ピンチをチャンスに変える」という言葉がありますが、ピンチの時こそ大きく転換するチャンスだと捉えてみてください。結果的にそのピンチがターニングポイントとなり、次なる大きな成功につながることもあるのです。

STEP2:「本当にやりたいことはなにか」を明確にする

●スーパーマーケットの事例…従来とは異なる方向性のビジネスで成功

あるスーパーマーケットは、近隣に進出してきた大手スーパーとの価格競争の中で値下げを繰り返し、経営難に陥ってしまいました。いったんは廃業しようと決めたものの、経営者は「自分が本当にやりたかったことが何だったのか」を、あらためて考え直しました。そこで、「夢に向かってがんばる人たちを応援する」ことが、自分のやりたかったことだという気づきを得ました。それにより、新規出店者を応援する「屋台村」という新規事業を立ち上げ、成功しました。

新規事業の創出に成功した経営者は、ステップ1のように、まずは「前向き」な気持ちを持ち、そこから「そもそも自分は何をしたくて事業を営んでいるのか」「事業を通じて将来どのような夢を実現したいのか」について、あらためて真剣に考えています。やみくもに新規事業へ手を出すのではなく、まずは、自分の夢や長年漠然と思い描いていた「本当にやりたいこと」を明確にしてみましょう。

STEP3:多くの人と話し、気づきや洞察を得る

●和紙の卸問屋の事例…通訳との会話が、想像の及ばなかった商品開発のヒントに

ある和紙の卸問屋の経営者は、需要が低迷する和紙の新しい使い道を探るべく、国内はもとより、海外各国の展示会にも積極的に足を運んでいました。あるとき、たまたま同行していた通訳から「海外のクリスマスでは、窓ガラスや室内をオーナメントで飾るが、それを和紙で作ったらどうか」というアイデアをもらい、それが新規事業の創出につながりました。

新規事業の創出に成功した経営者は、ステップ2で考えた「本当にやりたいこと」を実現するために、自分ひとりで考えるのではなく、多くの人に会いに行って自分の夢について話をしています。多くの人と話すことで、

①自分の夢が徐々に明確になって確信が持てるようになる

②夢を実現するためのアイデアが得られる

③一緒に夢を実現してくれる協力者に出会える

といったメリットがあります。人はそれぞれ、知識も経験値も考え方も違います。話す人の数だけアイデアがあるのです。

STEP4:経営者自身の「ピンときた」直感を信じる

●陶磁器メーカーの事例…「これはおいしい…」海外の郷土料理用の鍋で勝負へ

生活食器を製造していたあるメーカーは、商品に付加価値をつけにくく、安価な輸入製品との価格競争に巻き込まれ、経営状況が厳しくなっていました。そこで経営者が目を付けたのが、海外のある郷土料理用の蒸し鍋でした。試しにその鍋で郷土料理を食べてみたところ、あまりにおいしく、「これは売れるに違いない」とピンときました。その後、直感を信じて試作を続け、度重なる失敗にもくじけることなく、新商品を世に送り出すことができました。

新規事業の創出に成功した経営者は、夢の実現を確信した瞬間を逃さず、直感を信じることで困難な状況を乗り越えています。新規事業の実現には多くの壁があり、そこに突き当たるたび自信が揺らぎそうになりますが、そんなときに心の支えとなるのが、「ひらめき」への信頼なのです。経営者の度胸が試されますが、そこで勇気を持って進むことが、新規事業の創出には不可欠なのです。

STEP5:壁にぶつかってもひるまない、強い姿勢をもつ

●調味料の卸問屋の事例…何度断られても、絶対の自信作を手に「販路開拓」を実現

ある調味料の卸問屋の経営者は、和菓子職人と組んでオリジナル菓子の商品化を進めたところ、試作品の評判がよく、自信を持って既存の販路であるスーパーにその商品を持ち込みました。ところが、味と品質へのこだわりに理解が得られず、壁にぶつかり、道が閉ざされました。しかし、商品に自信を持っていた経営者はあきらめることなく、困難を乗り越えて新たな販路の開拓に成功しました。

新規事業の創出に成功した経営者には、「壁があっても決してあきらめない」という、強い姿勢が共通しています。いかに素晴らしいアイデアでも、事業化に至るまでには、さまざまな壁が存在します。どれほど優れた商品であっても、途中であきらめてしまっては事業化の実現はできません。突き当たった壁を乗り越えていく必要があるのです。

常に変化する経営環境、新規事業創出に意欲を

ここまで、成功事例を参考に、新規事業の創出に成功した経営者に共通する考え方や行動を見てきました。いずれも、それほど簡単なことではないかもしれませんが、経営者の考え方や行動ひとつで実現できるものばかりです。

時代は思っているより早く動いており、経営環境も常に変化しています。そのような中では、常に時代に適応した事業を生み出していく必要があります。ぜひ紹介した5つのステップを参考に、新規事業の創出にチャレンジしてみてください。

小林 雅彦
みやびコンサルティングオフィス 代表
中小企業診断士

事業承継支援コンサルティング研究会

小林 雅彦,事業承継支援コンサルティング研究会

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