
ブラジルの連邦議会に詰めかけるボルソナロ前大統領の支持者ら=ブラジルの首都ブラジリアで2023年1月8日、Sipa USA・ロイター
南米ブラジルの連邦議会は25日、右派ボルソナロ前大統領の支持者らによる連邦議会などの襲撃事件を調査するため、上下両院による議会合同調査委員会を設置した。委員の多くは左派ルラ大統領を支持する勢力のため、ボルソナロ氏が事件との関連で証言を求められる可能性がある。
委員は32人で、調査期間は180日。調査委には、事件関係者や当局に証言を求める権限などがある。最終的に報告書を作成し、検察当局に訴追勧告するかどうかを判断する。
地元メディアによると、報告書のまとめ役に選ばれたガマ上院議員はルラ政権に近い。ガマ氏は25日、記者団に対し、ボルソナロ氏に証言を求めるとは明言しなかったものの「誰が(ボルソナロ氏の支持者を)資金面で支え、誰が黒幕なのかを追及する」と強調した。ルラ氏を支持する委員からは、銀行口座や通信記録を開示すべきだとの声が上がっている。
1月8日に首都ブラジリアで起きた事件では、ボルソナロ氏の支持者約4000人が連邦議会、大統領府、連邦最高裁を襲撃した。警察は、事件発生時に米国にいたボルソナロ氏について、事件を扇動した疑いで捜査対象に加え、帰国後の4月に聴取した。ボルソナロ氏は、事件への関与を否定している。【サンパウロ中村聡也】
毎日新聞