
仙台放送
2022年7月、仙台市で女子中学生2人を包丁で刺し殺害しようとした罪などに問われている男の裁判員裁判で被告人質問が行われました。男は「殺せなかったことに満足していない」と話しました。
殺人未遂などの罪に問われているのは、無職の尾張裕之被告(45)です。起訴状などによりますと、尾張被告は去年7月、当時住んでいた太白区のアパート近くの路上で、登校中の女子中学生2人の背中を包丁で刺し、殺害しようとしたとされています。刺された2人はいずれも全治およそ1カ月の重傷を負いました。
きょうの被告人質問で、尾張被告は「被害者にひどいけがをさせたとは思わない」「殺せなかったことに満足していない」と述べました。また、裁判長から今も死刑になりたいか問われると、尾張被告は「はい。死んで人生を終わらせたい」と話しました。この裁判は統合失調症を抱えていた尾張被告に犯行当時、責任能力があったかが争点になっています。
これまでの裁判で、尾張被告は「事件当日に犯行を思いついた」と話し、被害者を狙った理由について、「中学生だから何も抵抗されないと思った」と述べていました。この裁判はあす、論告求刑が行われ、判決は今月29日に言い渡されます。