
医療ジェット機での移送費などを募るクラウドファンディングのサイト画面
アフリカ・トーゴ共和国の子どもが描いた図案をもとに職人が手捺染(なっせん)で染める布「京風アフリカンプリント」を手がける京都の男性が、仕事のため訪れた同国で交通事故に遭い、重傷を負った。京都とアフリカをつなぐ男性の事業に賛同する人たちが支援の会を立ち上げ、治療や移送費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。
アフリカ布の輸入販売などを手がける「アフリカドッグス」(京都市下京区)の中須俊治さん(32)は8月、事業のためトーゴへ渡航。乗っていた車が対向車と正面衝突する事故に巻き込まれた。一時は意識不明の重体だったが、一命をとりとめ、現在はモロッコの病院に入院している。
中須さんは、トーゴの伝統的な布と京都の染色技術を融合した商品の販売や、アフリカ布の製作などを展開してきた。今回、治療に伴って医療ジェット機のチャーター代など多額の費用が必要となることから、かつて勤務していた京都信用金庫の榊田隆之理事長らが呼びかけ人となり、「中須俊治さんを救う会」を立ち上げた。集まった資金は医療費や移送費などに充てられる。
中須さんは現在、会話ができるまでに回復しているというが、帰国後も治療が続く見通しという。CFサイト「キャンプファイヤー」から30日まで寄付できる。
佐々木千奈