1000万件以上の研究論文がオンライン上から消失することを防ぐインターネットアーカイブの取り組みとは?

1000万件以上の研究論文がオンライン上から消失することを防ぐインターネットアーカイブの取り組みとは?

  • GIGAZINE
  • 更新日:2020/09/16
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オンラインで公開されている自然科学、人文科学、社会科学といったさまざまな分野の研究論文は、ウェブサイトの閉鎖などでオンライン上から消えてしまい、簡単にはアクセスできなくなった研究論文も多く存在します。誰もが簡単に研究論文を読むことができる環境を守るため、非営利団体インターネットアーカイブは「ウェブ上にあるすべての研究論文の保存」を目標として研究論文のアーカイブに注力しています。

How the Internet Archive is Ensuring Permanent Access to Open Access Journal Articles - Internet Archive Blogs

https://blog.archive.org/2020/09/15/how-the-internet-archive-is-ensuring-permanent-access-to-open-access-journal-articles/

ウェブ上にある研究論文は、インターネットアーカイブに限らずNew Theology ReviewOpen Journal of Hematologyのようなオープンアクセスジャーナルによって、無料かつオンラインで閲覧できるようになっています。これらの研究論文は世界中のどこにいても簡単にアクセスできるようになっているので、多くの学生や研究者の研究を支えてきました。

しかし、オープンアクセスジャーナルのウェブサイト閉鎖などによって研究論文が閲覧不可となることもありあます。フィンランドにあるハンケン経済大学の経済学准教授、ミカエル・ラクソ氏らの調査によると、2000年から2019年の間にオープンアクセスジャーナル176誌がウェブ上から消えてしまったことが明らかになっています。このような、ウェブサイト閉鎖によるコンテンツの消失という問題を解決するために立ち上げられたのが、インターネットアーカイブの「ウェイバックマシン」です。実際に、ウェイバックマシンでしか閲覧できなくなってしまった研究論文も多数あるとのこと。

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2017年、インターネットアーカイブはアンドリュー・メロン財団とカーレ・オースティン財団からの資金援助を受けて、パブリックアクセス可能なすべての研究論文の保存に焦点を当てたプロジェクトを開始しました。このプロジェクトの中で、インターネットアーカイブは1996年以降にウェブ上で公開された約1480万件の研究論文を対象にアーカイブを進めています。

明るい緑色はすでにウェイバックマシンに保存されている論文で、暗い緑色はまだウェイバックマシンに保存されていないものの、オープンアクセスジャーナルなど1つ以上の機関によって保存・公開されている研究論文です。赤色のグラフはウェブ上から消えてしまった可能性が高い研究論文で、インターネットアーカイブでアーカイブを作成するのは難しいと判断されています。ウェブ上から消えてしまった論文は年々増加しているものの、それ以上にインターネットアーカイブは多くの研究論文をアーカイブすることに成功しており、記事作成時点で910万件以上の研究論文がアーカイブされているとのこと。

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インターネットアーカイブのブログに記事を投稿しているbnewbold氏は、「私たちの目標は、ウェブ上にある研究論文をできるだけ多くアーカイブ化することと、日々発表される新しい研究論文の増加に追いつくことです。また、ウェイバックマシンにある膨大なウェブコンテンツを1996年までさかのぼって見返して、簡単には見つけられないコンテンツを見つけられるようにすることも目標です。私たちはウェブ上の研究論文および研究資料を恒久的に利用できるようにしたいと考えており、大規模なデータセットを含め、新しい方法で人々に提供できるようにしたいと考えています」と語っています。

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