思わぬ遺産で親戚と絶縁、自己破産、泣く泣く土地を売却... 「相続税」が招く家族の苦しみ トラブルを避けるためには

思わぬ遺産で親戚と絶縁、自己破産、泣く泣く土地を売却... 「相続税」が招く家族の苦しみ トラブルを避けるためには

  • ABEMA TIMES
  • 更新日:2022/09/23
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先月、YouTuberのHIKAKINがあるポケモンカードを購入したことが話題になった。その額なんと5000万円。あまりの購入額にTwitterでは「こういう価値がわかりづらい物の相続税ってどうなるの」「ポケカ1枚もらうのに何百万かかるとしたら子どもめちゃくちゃかわいそう」という心配の声があがった。

【映像】相続税6億円…当事者が明かす苦悩

「相続税」は、親などから現金や不動産などを受け継いだ時にかかる税金だが、準備をしておかないと大きなトラブルに発展してしまうことも。

■母親が伯父の会社へお金を貸していたことが発覚、トラブルから絶縁状態に

「完全に電話も出てもらえない絶縁状態になっている」と話すのは、40代後半の中山さん(仮名)。7年前に亡くなった母親は大きな財産は持っておらず、税金の支払いも必要ないと思っていたが、「5年前に税務署から連絡が届いて、いわゆる税務調査を受けた。役人が『お母さまは多額のお金を会社に貸していますよね』と」。

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しかも、相手は伯父が経営する会社。「伯父に聞くと、『母が会社に貸しているんだ』と。すごくびっくりして、総額で数千万円。貸付金に関して一切母からは話がなかった」という。

伯父に返済を求めるも応じてもらえない中、貸付金は母の財産とみなされ、返ってこない数千万円に対する税金を中山さんが支払わなければならない状況に。「相続税自体は約200万円。(伯父に)『返してくれないの?』『200万円だけでも返せるでしょ』みたいな話をしたら、『いや、そんな財産はうちにはない』と。本当に腹が立った」。

結局、双方弁護士をつけて争う事態にまで発展。貸付金の回収には成功したが、関係修復は見込めないという。「親兄弟との連絡は一切していない。親もそうだが、親族も選べない」。

■相続税が支払えず両親が自己破産…

さらに、税金の支払いができず借金を背負うなど、経済的に苦しめられる人も少なくない。「選択肢は自己破産しかなくて、きょうだいで両親を説得して自己破産に至った」と話すのは、20代後半のさくらさん(仮名)。

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4年前に祖母を亡くし、父と叔母が不動産などを引き継ぐことになるはずだったが、相続税の仕組みがよくわからず、必要な手続きが一切放置された状態が数年続いたという。すると、「国税から通達がきて初めて知った(と両親から聞いた)。(追徴は)大体900万円台くらいだと思う。昨年1年間くらいは父がまともに働くこともできず、新卒の月収以下くらいで、それに対して大体3倍の返済が毎月必要だった」。

首が回らなくなる家計。結局、両親が下した決断は自己破産だった。これですべて清算かと思いきや、負担はさくらさんに。「税金は払わなければいけないので、私に助けを求められた場合はどうしよう、という不安はすごくある」。

■十数億円の土地の相続税は6億円…泣く泣く土地を売却

4年前に父親が亡くなったことで土地を相続し、6億円の相続税を支払ったという50代後半の増田さん。「不動産なので、実際に十数億円のお金を動かしながら生活していたわけではない。こんなに価値があったんだと、そこ(相続時)で初めて知った」。

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相続したのは自身と息子で、税の支払いには苦労しているという。「なるべく金融機関への借り入れは少なくしたいということで、親族内でも工面をしたりとかなり努力をした。それでも金融機関へは約20年のローンで、毎月60万円弱の金利の返済がある。売った土地は2~3割になるが、相手と話をしてから実際に決済が済むまで半年ぐらいかかってしまう場合もある。急いで売却をして足元を見られるのも嫌なので、1年に1カ所ずつになった」。

6億円もの相続税が課されたことについてはどう思うのか。「相続税としては(土地の)評価額で、“これくらい必要になる”と税理士の先生から話を聞いた後はどこから手を付けていいのか…と。借り入れもその人の土地が担保なのかと思ったらそうではなくて、家族みんなで用意したのはよくわからなかった」。

■トラブルの原因は相続額だけではない?避けるためには?

相続制度について、税理士で円満相続税理士法人代表の橘慶太氏は次のように説明する。

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「相続税はすべての人に平等にかかるわけではなく、一定額以上を残した富裕層にかかる税金。その一定額のことを基礎控除といって、現在の法律では『3000万円+600万円×法定相続人の数』で計算する。例えば、亡くなった方がお父さんで、相続する人がお母さんと子ども2人の計3人の場合、3000万円+600万円×3で4800万円が基礎控除額になる。2015年の改正でこの金額が引き下げられて、相続税がかかる人の割合は4%台から8%台に増えた。裏を返せば、9割の人にはかかっていない。そもそも、なぜ相続税が必要なのか。国としては税収を増やしたいという気持ちももちろんあるが、一番期待されている役割は富の再分配で、富裕層からそうではない層に少しずつお金を移転して、貧富の差をできるだけ小さくしていこうというもの」

相続トラブルは財産が多ければ多いほど起こると思われがちだが、要因はそれだけではないという。

「財産の大きさよりも、キャッシュ(現金)が重要。遺産の中にキャッシュが潤沢にあればバランスをとることができる。換金していない不動産や、会社を経営している人は株の相続で揉めやすい」

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では、相続トラブルを避けるためにはどうすればいいのか。

「遺言があるとトラブルが減るのは間違いない。ただ、書き方次第では逆にトラブルが悪化してしまうケースもあるので、やはり専門家の監修で原稿は作ったほうがいいと思う。最低限保証されている遺留分という権利もまた別にあって、遺書で“あなたはゼロだ”と書かれていても最低限は請求することができる。その遺留分を巡ってトラブルになることがある。

家族が仲良くすることで、結果として税金も安くなったりする。子どもたちから親に『相続のことを考えてくれ』と言うのは、自分の財産を狙っていると思われてなかなか話を切り出せない。財産を持っているお父さんお母さん世代が子どもに話を振ってくれればいいのだが、それもなかなか難しい。相続の話は縁起の悪いものではないので、生前中に家族会議がちゃんとできていれば揉め事になる可能性は非常に低くなる」

(『ABEMA Prime』より)

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