立憲は共産との「閣外協力路線」では政権をとれぬ

立憲は共産との「閣外協力路線」では政権をとれぬ

  • アゴラ
  • 更新日:2021/11/25

「枝野路線」を継承する立憲代表選候補

立憲民主党は、今回の総選挙「惨敗」の責任を取って辞任した枝野代表の後を受けて、4人の候補が代表選に臨んでいる。いずれの候補も、個々の選挙区における自民党との「1対1」の対決構図実現の必要性を強調し、候補の「一本化」のため、共産党を含め「野党共闘」を引き続き進める方針のようである。すなわち「枝野路線」は基本的に継承されるものと言えよう。

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立民公式サイト、Wikipediaより jessicahyde/iStock

このように、4人の候補はいずれも「一本化」など共産党との選挙協力の必要性を認めており、この点では「枝野路線」と変わりはない。しかし、4人の候補は、総選挙前に枝野代表が行った共産党との「閣外協力」の合意を今後も継続するか廃棄するかについては正面から答えずに言葉を濁し、もっぱら党の地力の向上などを主張し、代表選の最大の争点から「逃げている」印象を受ける。

共産との「閣外協力」をどうするのか

確かに地方組織が脆弱と言われる立憲にとって党の地力の向上は必要であろう。しかし、今回の総選挙では、立憲・枝野代表は共産党との「閣外協力」合意を手段として200を超える小選挙区で候補者を「一本化」し「政権交代」を声高に叫んでいたのであり、その結果が「惨敗」となれば、代表選では「閣外協力」の是非が徹底的に議論されてしかるべきであろう。

しかし、4人の候補が最大の争点である共産党との「閣外協力」の是非を論じないとすれば、いったい何のための「代表選」なのか。4人の候補は、今後の国政選挙でも、立憲が引き続き共産党の協力を得る必要があると考え、共産党に「配慮」し「遠慮」しているのであろう。

強靭な「共産党アレルギー」

今回の総選挙で、「一本化」により、立憲は確かに選挙区では公示前より9議席増やしたが、比例では23議席も減らした。その最大の原因は、もし、政権交代が実現した場合には、「閣外協力」をする共産党が政権に対して大きな影響力を及ぼすことを、最大の支持母体である「連合」をはじめ、従来からの立憲支持層や無党派層が恐れ、これらの票が大量に立憲から離れ、維新や国民民主党などに流れたと筆者は分析している。その根底には、日本における強靭な「共産党アレルギー」がある(11月8日拙稿「立憲民主党を惨敗させた共産党アレルギー」参照」)。

日本国民の間の共産党に対する「恐怖感」「忌避感」としての「共産党アレルギー」は極めて強靭である。この「共産党アレルギー」は、旧ソ連・中国・北朝鮮など共産主義国家の共産党一党独裁による人権無視の恐怖政治や、日本共産党の戦後の「暴力革命路線」の歴史、「敵の出方論」など、根が深く極めて強靭であり、一朝一夕には消滅不可能なものである(11月13日拙稿「立憲は共産党アレルギーを甘く見てはならぬ」参照)。

共産党は「閣外協力」解消には応じない

したがって、仮に、「共産党アレルギー」による悪影響を恐れ、立憲から「閣外協力」解消の申し出があっても、共産党は応じないであろう。

なぜなら、共産党にとっては「閣外協力」という「反対給付」の合意が成立したからこそ、立憲に対して「一本化」に協力し、多くの選挙区で候補を取り下げたからである。「反対給付」が一切ない一方的な「選挙協力」などはあり得ないであろう。そうだとすれば、立憲が一方的に「閣外協力」を破棄した場合は、共産党は今後立憲には選挙協力をせず、かつての「自共対決」の独自路線をとる可能性が大きい。

立憲民主党の政権獲得への道

以上に述べた通り、立憲は、もし、今後も共産党との「閣外協力」の合意を継続すれば、これに強く反対する立憲の最大の支持母体である「連合」の協力を得られないだけではなく、立憲に対して、自民・公明・維新などによる、いわゆる「反共攻撃」や「容共政権攻撃」はますます激化するであろう。

そうすると、今回の総選挙のように、強靭な「共産党アレルギー」によって、仮に個々の選挙区では「一本化」により一定の勝利をしても、比例では苦戦するであろうから、政権獲得は困難であろう。総選挙後に行われた共同通信の世論調査では、61%が「野党共闘」の見直しを求めているのである。

したがって、立憲民主党が政権を獲得する道は、共産党との「閣外協力」の合意を破棄して、強靭な「共産党アレルギー」の悪影響から完全に解放され、共産党との「閣外協力」に反対する最大の支持母体である「連合」をはじめ、従来からの立憲支持層及び無党派層の支持を固めることである。そして、共産党とは異なり、自衛隊・安保条約などの基本政策を同じくする国民民主党や日本維新の会などに対して、まずは個別の具体的政策で連携・協力関係を積み重ね、その結果として「非自民連立政権」の樹立を目指すべきである。

立憲民主党は、そのためには、国を守り国民が安心する抑止力強化の「外交安全保障政策」、アベノミクスに代わり日本経済を成長発展させる強力な「経済改革成長戦略」、成長と福祉を両立させる持続可能な北欧型「社会保障政策」などの国民への提案・啓発、推進が不可欠である。

とりわけ、共産党と同様の「安保法制の違憲部分廃止」の主張は、覇権主義的軍拡路線の中国による尖閣危機や台湾危機などを考えると、これらの危機を抑止するための米国との集団安全保障体制の強化に明らかに逆行するものであるから、早急に撤回しなければならない。

加藤 成一

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