なぜメッセージングアプリの「WhatsApp」で大規模なユーザー離れが起きているのか?

なぜメッセージングアプリの「WhatsApp」で大規模なユーザー離れが起きているのか?

  • GIGAZINE
  • 更新日:2021/01/13
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Facebook傘下のメッセージングアプリの「WhatsApp」が、独自にプライバシーポリシーに関するFAQを公開しました。WhatsAppがFAQを公開した理由は「WhatsAppがFacebookとすべてのデータを共有しているわけではない」ということを明確にし、ユーザー離れを防ぐためです。

WhatsApp FAQ - Answering your questions about WhatsApp’s Privacy Policy

https://faq.whatsapp.com/general/security-and-privacy/answering-your-questions-about-whatsapps-privacy-policy

WhatsApp clarifies privacy practices after surge in Signal and Telegram users - The Verge

https://www.theverge.com/2021/1/12/22226792/whatsapp-privacy-policy-response-signal-telegram-controversy-clarification

2021年1月6日に起きたアメリカの連邦議会議事堂をドナルド・トランプ氏の支持者らが襲撃した事件をきっかけに、FacebookTwitterなど多くのサービスが過激な発言を続けるトランプ氏およびその支持者を締め出すような動きを加速させています。これにより、自身の投稿を削除されることを恐れた保守派や極右のユーザーが、安全に暗号化されており通信内容を知られる可能性が低いメッセージングアプリに移行していることが明らかになっています。

特にダウンロード数が増えているのが「最も秘匿性が高く安全なメッセンジャーアプリ」といわれるSignalや、メッセージが暗号化され一定時間後に削除されるTelegramです。連邦議会議事堂への襲撃事件以降、Signalのダウンロード数は677%も増加しており、Telegramも146%増加しています。

Telegramの創設者であるパーヴェル・ドゥーロフ氏によると、わずか72時間で2500万人もの新規ユーザーがTelegramに殺到したそうです。

また、テスラやスペースXの創設者として知られるイーロン・マスクCEOが「Signalを使おう」とツイートしたことも、ユーザーの移行を加速させたと思われます。

Use Signal
— Elon Musk (@elonmusk)
January 7, 2021
from Twitter

さらに、このタイミングでWhatsAppはプライバシーポリシーを更新しました。しかし、この更新を受け、テクノロジー専門家やプライバシー擁護者、起業家、政府機関などからWhatsAppへの抗議の声が挙がり、ライバルサービスへのユーザーの流入が加速しています。
2021年1月に更新されたWhatsAppのプライバシーポリシーでは、「WhatsAppはアカウントやプロファイルを持っているか否かにかかわらず、Instagramを含む広範なFacebookネットワークと収集したデータを共有する権利を保有しています」と記されており、Facebookが提供する広範なサービスと広くデータが共有されることが明らかになっています。また、WhatsAppは他のFacebookサービスから情報を受け取り、他サービスと情報を共有しており、他サービスから受け取った情報を使用することもあれば、他サービスがWhatsAppから受け取った情報を使用することもあるとのこと。なお、共有されるデータは運営およびマーケティングサービスに使用されるそうです。Facebookサービス間でのデータ共有オプションは何年も前から存在していましたが、これはあくまで任意のオプションとして存在してきました。しかし、2021年2月8日以降はデータ共有が必須のオプションとなるため、プライバシー面に気を配るユーザーやトランプ支持者などが、「メッセージの内容を知られることを危惧して」他のより秘匿性の高いサービスへと流出していったというわけ。
しかし、実際のところ「WhatsAppのメッセージ内容がのぞき見される心配は一切ない」とのこと。この事実をアピールするために、WhatsAppは公式TwitterなどでFAQを公開し、エンドツーエンドの暗号化でメッセージ内容が100%保護されることを明確にしています。
WhatsAppはプライバシーポリシーに関するFAQとして「あなたのプライベートメッセージや通話内容をチェックしたり、Facebookと共有したりすることはありません」「誰とメッセージを交換したり通話したりしたかというログを保持することはありません」「共有した位置情報をチェックしたりFacebookと共有したりすることはありません」「連絡先をFacebookと共有することはありません」「グループはプライベートなままです」「メッセージを消す設定が使用可能です」「ユーザーは共有されるユーザーデータをダウンロードすることが可能」と記しています。

We want to address some rumors and be 100% clear we continue to protect your private messages with end-to-end encryption. pic.twitter.com/6qDnzQ98MP
— WhatsApp (@WhatsApp)
January 12, 2021
from Twitter

さらに、WhatsAppでチーフを務めるウィル・キャスカート氏も騒動を鎮めるために自身のTwitterを更新し、「WhatsAppで行われているエンドツーエンドの暗号化では、プライベートチャットや通話を確認することはできず、Facebookがこれらの内容を確認することもできません」「今回のプライバシーポリシー改訂がFacebookとWhatsAppのデータ共有慣行を変更しないことを明確にすることが重要です。世界のどこにいても、ユーザーが友人や家族と個人的にコミュニケーションをとる方法に影響を及ぼすことはありません」と記しています。

I've been watching a bunch of discussion this week about the privacy policy update we’re in the process of making @WhatsApp and wanted to share some thoughts.
Thread ????
— Will Cathcart (@wcathcart)
January 8, 2021
from Twitter

なお、2018年にはFacebookが中国企業とデータ共有に関する契約を結んだと報じられており、これもWhatsApp離れを促す一因になったと考えられています。

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