コロンブスが到達する150年前からアメリカ大陸の存在をヨーロッパ人が知っていた可能性

コロンブスが到達する150年前からアメリカ大陸の存在をヨーロッパ人が知っていた可能性

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  • 更新日:2021/10/14
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近年の研究では、南北アメリカ大陸に人類が到達したのは約2万1000年~2万3000年前だとされていますが、ヨーロッパ人がアメリカ大陸の存在を把握したのは、1492年にクリストファー・コロンブスが「新大陸を発見」してからだとされています。ところが、コロンブスのアメリカ到達から150年も前にミラノの修道士が書いた文書から、北アメリカの東海岸に言及したと思われる記述が発見されました。

Full article: Marckalada: The First Mention of America in the Mediterranean Area (c. 1340)

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https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00822884.2021.1943792

Italian sailors knew of America 150 years before Christopher Columbus, new analysis of ancient documents suggests

https://phys.org/news/2021-10-italian-sailors-knew-america-years.html

Mysterious Text Suggests Europeans Knew of America Long Before Columbus Set Sail

https://www.sciencealert.com/ancient-texts-suggest-italian-sailors-knew-about-america-way-before-columbus

イタリアのミラノ大学で中世ラテン語文学を研究するパオロ・キエーザ教授は、14世紀のミラノで活動したドミニコ会の修道士・Galvano Fiammaが記した「Cronica universalis」という著作の記述を調査しました。

Cronica universalisは1345年頃に記された、神による天地創造から執筆時までの歴史を詳細に記した全3巻のラテン語の書物であり、Fiammaの最後の著作と考えられています。また、3巻目では歴史に加えてエキゾチックな地域の地理的説明も行われており、この中でグリーンランドの西にある「Marckalada」という土地について言及しているとのこと。

キエーザ氏がCronica universalisの翻訳と分析を行ったところ、アイスランドやグリーンランドに対応する記述の後に、「さらに西には巨人が住む『Marckalada』という土地があります。この土地には、巨人でなければ建てられないほどの、大きな石の板で作られた建物があります。そこには緑の木々や動物、たくさんの鳥もいます。しかし、この土地やその特徴について確かなことを知っていた船乗りはいませんでした」と記されていることが判明。キエーザ氏は、このMarckaladaに関する記述は未熟なものであるものの、地中海地域におけるアメリカ大陸への最初の言及だと主張しています。

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キエーザ氏は、Fiammaの地理的な記述はジェノヴァの港を出入りする船乗りによってもたらされたと考えており、曖昧なうわさだけでは地図を作成したり学術的に新大陸だと認定したりすることはできなかったと指摘しています。また、グリーンランドについての記述は当時の知識からすると正確なものだったとのことで、キエーザ氏はFiammaの記述の信ぴょう性の高さを指摘しています。

Fiammaが記したMarckaladaは、「グリーンランド人のサガ」や「赤毛のエイリークのサガ」に登場するMarkland(マルクランド)に対応すると見られており、木々や動物が豊富という記述もマルクランドの説明と一致します。マルクランドは、現代のカナダ北東部のラブラドール地方ニューファンドランド島に当たるといわれています。

キエーザ氏は、「Fiammaを信じない理由は見当たりません。ジェノヴァやカタルーニャで描かれた14世紀の羅針儀海図がヨーロッパ北部の高度な地理的表現を提供していることには、長い間注目されてきました」「北西地域に関するこれらの概念は、イギリス諸島と北海の大陸沿岸を通る航路を通じてジェノヴァにもたらされた可能性が高いです。当時、イタリアやカタルーニャの船員がアイスランドやグリーンランドに到達した証拠はありませんが、北欧の商人からこの地域の商品を入手し、地中海地域に輸送することは確かにできました。Fiammaが言及したものはこのダイナミクスに適合します。ジェノヴァの人はスコットランドやイギリス、デンマーク、ノルウェーの港で取引相手の船員から聞いた、これらの土地に関するニュースを持ち帰った可能性があります」と述べています。

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今回の発見は、コロンブスがアメリカ大陸に到達する150年近くも前から、イタリアの人々が「グリーンランドの西にある陸地」について知っていた可能性を示しています。科学系メディアのScienceAlertは、「(ジェノヴァで生まれたとされる)コロンブスが港に訪れた船員から、北米の土地の話を聞いたことは想像に難くありません」と述べました。

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