8打差逆転V・青木瀬令奈「諦めなかった結果」 30歳、趣味を犠牲にしたゴルフ漬け生活

8打差逆転V・青木瀬令奈「諦めなかった結果」 30歳、趣味を犠牲にしたゴルフ漬け生活

  • THE ANSWER
  • 更新日:2023/03/19
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Tポイント×ENEOS最終日でプレーする青木瀬令奈【写真:Getty Images】

Tポイント×ENEOS

女子ゴルフの国内ツアー今季第3戦・Tポイント×ENEOSの最終日が19日、鹿児島高牧CC(6419ヤード、パー72)で行われ、首位と4打差の2位で出た30歳の青木瀬令奈(リシャール・ミル)が8バーディー、ボギーなしの64で回り、大会新の通算17アンダーで逆転優勝を飾った。単独首位で出た上田桃子(ZOZO)に最大8打差をつけられながら猛追。昨年7月以来のツアー通算4勝目を飾った。上田は3位に終わり、単独首位で迎えた最終日は3度連続で優勝を逃した。

青木は独走した上田を鮮やかに逆転した。同じ最終日最終組。上田は出だしは5連続バーディーで一気に18アンダーまで伸ばした。青木も5番でバーディーを奪ったが、この時点で8打差。前半終了時で上田17アンダー、青木12アンダーの5打差だった。しかし、上田は11番でダブルボギーを叩くと、13番でもダボ。青木は10、12、13番で1つずつ伸ばし、逆転した。

3日間、ボギーなしで優勝。「全く意識せずに回れたのがよかった」と振り返った。

「最初は桃子さんが5連続のOKバーディーで圧巻でした。桃子さんの気持ちが入っているのも感じましたね。凄く強いゴルフでああいうゴルフをしたいと思って回らせていただいた。私はピンチがあった中でパーセーブで切り抜けられた。途中からはスコアを見ずに回って、最後のパットもボードを見ていいかコーチに聞いたら『ダメだ』と。もしかしたら差がないのかなと思ったけど、入れてから『勝った?』って聞いて『勝ったよ』って。

最大の敵は自分自身。そこを徹底してやろうとコーチと話していました。自分自身と向き合ってやれたのが、最後までいいゴルフができた要因だと思います。優勝争いで苦しい場面がない日はない。桃子さんが最初に良くて、もしかしたら後半に苦しくなるかもしれない。私は後半に伸ばせたらチャンスがあるかもしれないと諦めずにやった結果だと思います」

昨年は半分ほどの大会でその土地のパワースポットを訪問。今週は大会前に鹿児島神宮に行った。「〇〇から来ました。プロゴルファーの青木です」。自己紹介から始め、必勝祈願。“ご縁”を願って手持ちの5円玉を何枚も入れるのが恒例だ。今週は上田と4打差あったが、「チャンスはゼロじゃない。できることをやろう」と最終日前日も訪れた。

自己流で過ごす私生活「苦しい選択をしたらゴルフに繋がる」

昨年7月以来のツアー通算4勝目。昨季はメルセデス・ランキング11位だった。3年連続で優勝を手にし、若手が次々と台頭する女子ツアーの中で年を重ねるごとに強さを増している。大好きな宝塚歌劇団は2年以上観劇できていない。私生活の“犠牲”にしたゴルフ漬けの日々だった。

「年々ゴルフが好きになっているし、いつもゴルフのことを考えています。ゴルフのために私生活を送る。数年前にはできなかったことができていますね。それがプレースタイルだという心持ちで私生活を過ごしています。人によっては『一日笑顔で過ごすことが大事』と思うみたいに、私の場合は『苦しい選択をしたらゴルフに繋がる』と。好きなものをなくしてゴルフに繋げる。一番は逃げそうになった時に戻してくれるコーチがいること。それが強みです」

ツアー通算13勝を誇る大親友の成田美寿々は、不調により休養中。青木は「美寿々が今、お休みをしているので、その中で私の優勝が彼女にとって『また頑張ろう』って思えるものになっててくれたらいいなと思って」と声を震わせ、涙を拭った。

「去年は7月に優勝したけど、去年も一昨年も複数回できなかった。メルセデス・ランキングもトップ10に入れなくて悔しかった。トップ3に入るつもりじゃないと入れないと思って、このオフはやってきました。そこを目指したい」

「JLPGAブライトナー」を務め、SNSでのブランディング活動やグッズ販売に貢献。コースを離れてもツアーの盛り上げに奔走する女子ゴルファーが、早くも今季初勝利を手にした。

(THE ANSWER編集部)

THE ANSWER編集部

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