辺野古、国の設計変更認めず 沖縄の玉城知事「軟弱地盤の調査なし」

辺野古、国の設計変更認めず 沖縄の玉城知事「軟弱地盤の調査なし」

  • 朝日新聞デジタル
  • 更新日:2021/11/25
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"工事が進むキャンプ・シュワブ周辺。右の大浦湾には、軟弱地盤が見つかっている=2021年11月25日午後4時33分、沖縄県名護市辺野古、朝日新聞社機から、北村玲奈撮影"

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、沖縄県の玉城デニー知事は25日、埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤対策に伴って政府が申請した設計変更を不承認にし、発表した。政府は大半の埋め立て工事を進められなくなるため、対抗措置を検討している。

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設計変更には県知事の承認が必要だが、県は25日夕、不承認を防衛省沖縄防衛局に通知した。玉城知事はその後に記者会見を開き、軟弱地盤について重要な地点で調査が行われていないことなどをあげ、公有水面埋立法が定める「国土利用上適正かつ合理的なること」の要件に適合しないと指摘。ジュゴンに及ぼす影響など環境保全対策も不十分などと説明した。

また、変更申請の内容では「普天間の危険性の早期除去につながらない」とも述べ、「事業実施前に必要最低限の調査を実施するべきだった。不確実な要素を抱えたままの見切り発車に全て起因する」と政府の対応を批判した。

さらに玉城知事は「政府が十分な説明を行わないまま、一方的に強権的に埋め立て工事を強行する姿に、不安、憤り、悲しみを感じておられる県民国民も数多くいる」とも語った。

政府の設計変更申請は昨年4月。県は延べ39項目452件の質問を防衛局に提出し、回答などをもとに、「災害防止」や「環境保全」の観点から審査を続けてきた。

移設計画は、辺野古沿岸部の米軍キャンプ・シュワブ北側(約111ヘクタール)と、南側(約39ヘクタール)を埋め立て、V字形の滑走路を造る計画。2013年12月に当時の仲井真弘多(ひろかず)知事が埋め立て申請を承認し、政府は17年に護岸工事、18年12月に土砂投入を開始した。

南側は陸地化が完了。土砂投入量は21年10月末現在で計画の8・1%となっている。一方、16年までのボーリング調査で北側に軟弱地盤が広がっていることが確認され、地盤改良をしなければ工事を進められない事態となっていた。

軟弱地盤の存在は18年3月、県民らの情報公開請求で公となった。政府は、杭を約7万1千本打ち込む工事を計画している。軟弱地盤判明によって政府は、早ければ22年度としてきた普天間返還が30年代半ば以降にずれ込み、総工費は従来想定の約2・7倍となる最大約9300億円とする試算を19年末に公表している。

岸田文雄首相は25日、東京都内で記者団の取材に応じ「沖縄県の対応を注視していきたい」と語った。政権幹部は「法廷闘争の前にワンステップある。まずは今までと同じステップを踏む」として事業主体の防衛省から、国土交通相に行政不服審査請求を行うとの見通しを示した。(国吉美香、西村圭史)

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