「楽しそうなこと」を仕事にする苦悩とは?

「楽しそうなこと」を仕事にする苦悩とは?

  • マイナビウーマン
  • 更新日:2021/07/21

取材・文:鈴木美耶/マイナビウーマン編集部撮影:洞澤佐智子

「ちょっと高級だけど、自分のご褒美に食べたいアイスクリーム」として思い浮かべるもの。きっと、皆同じ“あのアイスクリーム”なのではないだろうか?

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今回訪ねたのは、ハーゲンダッツ ジャパンで商品開発や戦略立案を担当されている太田香織さん。

アイスクリームの商品開発をする人だから、もちろん甘いものが好きな人なのだろうと予想して好きなアイスクリームを聞いてみたら、「シャーベットや氷菓も大好きです!」と甘いものを苦手とする人が好みそうなラインナップが返ってきて思わず笑ってしまった。

長く愛され続ける商品に携わる彼女は、どんなふうに仕事と向き合い、世の中に「幸せ」を届けているのだろうか。

■“おいしい記憶”が入社の理由

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みやちゃん:ハーゲンダッツ大好きです!!!

太田さん:(笑)。ありがとうございます!

みやちゃん:びっくりさせてしまってすみません……。どうしてもこの気持ちを最初にお伝えしたくて(笑)。太田さんも、もともとハーゲンダッツやアイスクリームが好きで入社されたんですか?

太田さん:実は、子どもの頃はアイスクリームが苦手だったんです。

みやちゃん:早速気になる話題! 詳しく聞かせてください。

太田さん:

アイスクリームだけでなく甘いものが当時は苦手で、ショートケーキの生クリームを全てはがして食べるような子どもでした。

でも、なぜかハーゲンダッツのアイスクリーム、中でもバニラのフレーバーだけは食べられたんですよね。濃厚なんだけど、後味がスッキリしていて。

みやちゃん:たしかに、甘ったるいだけではない印象です。

太田さん:

そうですよね。そんな子どもの頃の“おいしい記憶”が、入社理由の一つではありました。

あと私、転職組で。前職では全く違う業界の会社にいたんですが、ハーゲンダッツほど思い入れがなかったんですよね……。だから、転職の際には「自分が好きなもの」や「好きになれるもの」を扱いたいという思いがありました。

みやちゃん:

それ、すごく分かります。人生100年時代と言われる世の中ですし、長く働くなら「好きなこと」により近いことをしていたいですよね。

太田さん:その通り。ハーゲンダッツ入社当初は、前職の業務に近い法務や人事を経験し、今はクリスピーサンドの戦略担当として商品の開発を一気通貫で対応しています。

■「トレンドを作る」くらいの意気込みで取り組む

みやちゃん:商品開発は事業の核となる業務ですし、とても楽しそうですね。ただ、その分「いい商品を作らないと」というプレッシャーも大きいのではないでしょうか?

太田さん:そうですね。好きなものの開発に携われるのは本当にうれしいし、有難いのですが、プレッシャーはもちろんあります。

みやちゃん:やはり……。

太田さん:「香り広がるミルクコーヒー」というクリスピーサンドを開発していた時は、日常的にコーヒーにミルクを入れて飲む人をターゲットとして狙うことが正解なのか、コーヒーに求められるものは何なのかなど、味のコンセプトを考えることにすごく苦労して。

みやちゃん:たしかに、「ミルクコーヒー」と聞いて思い浮かべるものは人によって全然違いそうです。

太田さん:そうなんです。だから、これでいいのかどうか、悩んで悩んで胃が痛くなったりして(笑)。

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みやちゃん:私だったら、そんなプレッシャー抱えられない……! その不安を乗り越えて、商品化できたのはどうしてですか?

太田さん:やっぱり、私がおいしいと思ったから。味作りをしてくれている部門の方と二人三脚で商品を作るのですが、試作品を作ってもらった時にとってもおいしくて、これを皆さんに届けたいと純粋に思いました。最後には、自分の味覚を信じます!

みやちゃん:なるほど。でも、失敗するのは怖い……。

太田さん:

もちろん商品を開発する中で、満足度が高い商品ばかりが生まれているわけではありません。ただ、だからといって保守的になってしまうのはハーゲンダッツっぽくない。

ここまで長年ハーゲンダッツが支持いただけているのは、アイスクリーム業界をリードしてくという自負があり、イノベーションを起こしてきたからです。そして、私もチャレンジし続けたい。「トレンドを作ってやろう!」っていうくらいの意気込みで(笑)。

みやちゃん:“トレンドを作る”って、すごく熱いですね! でも、チェレンジし続けるってパワーが必要で、息切れしてしまうこともありそうです。

太田さん:そんな時は、ハーゲンダッツを食べてくださる方のリアルな声をSNSで確認して、励みにもモチベーションにもしています。

みやちゃん:たしかに、自分が作ったものが「おいしい」と言ってもらえるのは、何にも代えがたい喜びとなりそうですね。

■ハーゲンダッツというブランドを支えていきたい

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みやちゃん:ブランドメッセージとして「ハローしあわせ。」と掲げられていますが、本当に食べるだけで幸せな気持ちになれるのがハーゲンダッツのすごいところですよね。

太田さん:

ありがとうございます。幸せを届けようと思うと、商品開発に妥協は許されません。社内で商品を通す時に「この商品の良いところは?」「本当にこれでいいの?」というふうに突っ込まれるのですが、それに100%で答えられないと、この商品たちは世に出て行かない。

だから、まずは自分が納得して「絶対においしい」と思えないと、商品化はできません。

みやちゃん:自分に迷いがある状態では、そもそも商品にならないのですね。

太田さん:

はい。商品化してもきっと失敗に終わるので。

それと、携わった商品は全て我が子のような存在なので、お客さまにはそんな我が子を愛してもらいたい(笑)。だから、「このくらいでいっか」はあり得ません。

みやちゃん:太田さんのアイスクリームへの愛がよく伝わります。プライベートでもアイスクリームはよく食べるんですか?

太田さん:

そもそも食べることが大好きなので、アイスクリームもよく食べます。でも、その時は仕事のことは考えずに、直感的に自分が食べたいと思うものを選びますね。

プライベートな時間に食べる機会が多いアイスクリームだからこそ、すぐ仕事に紐づけて考えちゃうので。オン・オフをうまく切り替えられているのかは分かりませんが、プライベートでは意識して仕事から離れるようにしています。

みやちゃん:いくら好きなことでも、ずっと向き合うのはしんどいですよね。

太田さん:

そうなんです。あと、味について考えることは苦じゃないけど、やっぱり期限が迫っている業務などのことを考えるのはもちろんつらいので(笑)。

みやちゃん:

むちゃくちゃ分かります(笑)。仕事にはいろいろな業務がありますし、苦じゃない業務だけをしていられるわけではないですもんね。

「今後はこんなアイスクリームが作りたい」など、夢はあるのでしょうか?

太田さん:

ハーゲンダッツだけではないですが、アイスクリームって新商品が生まれてはすぐ消えてを繰り返していて。そんな中で、今担当しているクリスピーサンドは、日本で生まれて今年で20周年を迎えます。

今後もそんな商品を守り抜いていきたいし、ハーゲンダッツと言えばミニカップというイメージが強いので、クリスピーサンドもミニカップと並ぶような商品にしていきたいですね。

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みやちゃん:根強い人気のあるミニカップだからこそ、それに並ぶ商品にするのは一筋縄ではいかなさそうですね。

太田さん:でもやりがいがありますよね(笑)。

みやちゃん:かっこいい……!

太田さん:

ただ、異動のある会社なので、開発担当じゃなくなる可能性もあります。

それでも、ハーゲンダッツブランドに関われることに変わりはないので、与えられた仕事をすることで、このブランドを支えていきたいと考えています。

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マイナビウーマン編集部

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