
前半、先制ゴールを決め抱きつかれる神戸・泉(右から4人目)
「明治安田生命J1、鳥栖0-1神戸」(18日、駅前不動産スタジアム)
神戸はリーグ戦初先発のルーキー泉柊椰(22)が、得意のパターンから右足で決勝ゴールを決め、鳥栖に1-0で勝利。連敗を免れ、勝ち点12で首位を守った。
黄金新人・泉の“美っくり”弾だった。前半22分、左サイドから憧れの三笘薫(ブライトン)をほうふつとさせるドリブルで切り込むと、ペナルティーエリア手前左で右足を一閃(いっせん)。大きな放物線を描いたシュートに相手GKは動けず、ゴール右隅に吸い込まれた。
自身は見えていなかったが「歓声で入ったな」と確信。サポーターの「泉コール」に両手を挙げて応えた。
角度もコースも何万回と練習した“柊椰(とおや)ゾーン”。「あそこで前を向いたら仕かけようと思った。シュートもいい軌道で良かった」と会心のプロ1号だ。
本職は左サイドながら、チーム事情で開幕から右サイドで途中起用され、結果が出せなかった。「焦り」もある中、この日、左ウイングで初先発とついにチャンスが巡った。「やってやるぞ、ここ勝負」と奮い立った。
吉田監督は「ギラギラ感をプラスにしたかった」と新人の気迫を起爆剤に期待。抜てきに応える先制V撃の大仕事で連敗を阻止し、単独首位を守った。
卒論テーマを「三笘のドリブル」にしたほど現在プレミアリーグを席巻するドリブラーに心酔。約100プレーの映像からデータを取り自身と比較し、リポート用紙30ページを書き上げた。「卒業論文の価値は僕のプレー次第で上がる」と鮮烈ゴールで論を“実証”した。
目標は大卒1年目の三笘がマークした13ゴール。「自信になるけど、もっともっと、まだまだ全然。ゴールにつながるプレーをもっと出していく」と貪欲に上だけを見据えた。