通常国会17日開幕 「解」導き出す論戦尽くせ

  • 福井新聞ONLINE
  • 更新日:2022/01/15

【論説】通常国会が17日に開幕する。岸田文雄首相は150日間にわたる国会に臨むのは初めてであり、7月の参院選に向け丁々発止の議論を期待したい。

最大の争点は、新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」感染の急拡大をどう食い止めるかにあるのは間違いない。全国の1日当たりの新規感染者数が連日増加の一途にあるなど感染爆発の様相を呈しており、とりわけ自宅療養を余儀なくされる人のケアや重症化をいかに抑止するのかなどが論点となろう。国会内の感染防止対策にも万全を期す必要がある。

首をかしげたくなるのがコロナ対策の病床確保強化に向けて検討していた感染症法改正案について、政府が通常国会への提出を見送ったことだ。厚生労働省は当初、早期の一括提出を目指していたものの、首相が12月の臨時国会の所信表明演説で、今年6月までに過去のコロナ対応を検証する考えを表明したことで先送りされた。

一方で、医薬品医療機器法改正案は提出される見込みだ。薬の有効性があると推定されれば使用を認める「緊急承認」を可能とする内容で、新たなワクチンや治療薬に素早く対応できるようになる。期待されるのは米ファイザーが14日に厚労省に申請した飲み薬「パクスロビド」の早期承認だ。入院や死亡のリスクを88%抑えられたとされ、後藤茂之厚労相も「国民が安心して暮らせるための切り札」と位置付けている。

感染症法改正案だけでなく、野党と激しく対峙(たいじ)しそうな法案の提出を見送ったのはいただけない。提出法案を昨年より5本少ない58本に絞ったのは、参院選を控え野党から批判を浴び、これに世論が追随する事態を避けようとの思惑が透ける。昨年廃案となった入管難民法改正案もその一つ。スリランカ女性が入管施設で死亡した問題が再燃するのを恐れたようだ。

通常国会前半の争点はコロナ対策に加え、過去最大額に膨れ上がった2022年度予算案だ。後半は経済安全保障推進法案や「こども家庭庁」設置法案などに移る。予算委員会の審議で不可避なのは在日米軍基地のコロナ対策の不備や国土交通省の統計書き換え問題、与野党が協議する場の設置で一致した「文書通信交通滞在費」もしかり。

米中の対立や、ミサイル発射を繰り返す北朝鮮、台湾問題など不透明感の増す国際情勢に日本がどう向き合うのか。人口減少と少子高齢化に直面する中、持続可能な社会をどう構築するのか。首相は「聞く力」に徹するだけでなく「解」を導き出すべく、自身が国会論戦に堂々と応じ、建設的な議論を経て幅広い合意を得る努力が欠かせない。

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