
俳優・寛一郎(26)が18日、東京・豊島区の東京芸術劇場シアターイーストで舞台「カスパー」(19日〜31日、同所)の公開稽古を行った。
ノーベル文学賞受賞作家でもあるペーター・ハントケ氏の衝撃作で、実在したドイツ人孤児カスパー・ハウザーを題材とした戯曲。生まれてから16年間、社会と遮断されたまま成長し言葉を理解していなかったカスパーが、言葉を知る過程で何を感じ、何を得て、何を失っていったのかを描く。
寛一郎は舞台初出演で初主演を務める。公開稽古前の囲み取材で、「やれることはやったのかなと思いますし、この1カ月間、皆さんに助けられた。協力し合いながらここまでやって、やっと初日を迎えられる」と感慨深げ。
舞台出演は“最初で最後”になるという。「脚本に惚れ込んだ部分があるので、『カスパー』が終わるということは僕の中でも舞台は(もう)いいかな」と明かし、「意気込みということでもあります。最初で最後ということで頑張りたい」と熱演を誓った。もし同作が評価され再演となった場合でも、「絶対に嫌です。もうやりたくないです」と笑った。
演出は英ロイヤル・バレエ団出身の演出家で振付師としても活躍するウィル・タケット氏。寛一郎について「素晴らしい演技をしている」と絶賛。「映像に早く戻りたいと思っているかもしれないけど、また舞台をやってほしい」と期待した。